レビュー

塊肉のグリルからコーヒー豆の焙煎まで、食材を入れると自動で回転して加熱調理してくれる「トンドリオーブン」でいろいろ回して焼いてみた


横向きに鍋を回転させて、鍋底に空いた穴から油を落としつつ焼き蒸し調理ができる回る鍋「トンドリオーブン」は、塊肉をじっくりローストしたり、炒め物、冷凍食材の調理などを「鍋に材料を入れて放置」で行えて料理の手間を省くことができる一風変わった鍋です。2018年に韓国で発売され既に40万台を売り上げており、日本でも手に入れることが可能になったので、実際に肉を焼いたりコーヒー豆を焙煎したりといろいろな使い方を試してみました。

回る鍋トンドリオーブン - noted. (トンドリオーブンオフィシャル販売サイト)
https://wrjapan.com/pages/tongdori

以下のムービーはトンドリオーブンが回転する様子を撮影したもの。

自動で回転する鍋「トンドリオーブン」がぐるぐる回る様子 - YouTube


目次:
◆仕様・外観レビュー
◆塊肉でグリルポーク
◆冷凍食材で海鮮焼きそば
◆絹ごし豆腐で麻婆豆腐
◆自動で裏返すフレンチトースト
◆回転しながらはじけるポップコーン
◆コーヒー豆の焙煎

◆仕様・外観レビュー
編集部に届いた段ボール箱を開封したところ。


中には、鍋本体となるドラム、ふた、ドラム台、コントロールボックス、油切りトレー、レシピブック、取扱説明書、クイックガイドと……


トング、油切りトレー専用ハンドル、タイマー、排出パッキン、排出パッキンキャップ、キャリーバッグが入っていました。


鍋の大きさは約30x26x36cmで、重量は約3.1kg。食材の推奨投入量は800gとなっています。


鍋の底部には六角形のくぼみと、油などを鍋から排出するための排出パッキンがついていました。排出パッキンは取り外しが可能になっています。


鍋の中には具材を混ぜるための「返し」がついています。


鍋のふたは、ふちがパッキンで覆われており、蒸気穴がひとつ設けられています。


トンドリオーブンにはA5サイズのレシピブックが付属しており……


豚生姜焼きやグリルポークなど、16種類のメニューが掲載されていました。


トングは赤枠の部分を手前にひくと、閉じた状態で固定できます。


足がついているので、直接テーブルにおいても汚れないようになっていました。


タイマーは単四電池1本で使用可能です。電池は別売。


トンドリオーブンはアウトドアでの使用も可能なので、付属のキャリーバッグにつめて運ぶこともできます。


持ってみるとこんな感じ。


……と、各パーツを一通り確認し終えたところで、トンドリオーブンのセッティングを開始。まずコントロールボックスに単三電池をセットする必要があります。なお、電池は別売となっています。


電池をセット。


電池をセットしたら、コントロールボックスをドラム台のくぼみに装着します


ドラム台にネジがついているので、ネジをまわしてコントロールボックスを固定します。


油切りトレーをドラム台に設置し……


コンロの上へ置くとこんな感じ。トンドリオーブンは直火での加熱にのみ対応しており、IHヒーターでの使用は不可となっています。


ドラム台の下部には凹凸があるので、コンロの五徳に合わせておきます。


鍋をドラム台にセットするとこんな感じ。鍋はやや斜めに傾いているので、ドラム式洗濯機を連想してしまいます。なお、鍋を縦向きにして使用することはできません。


鍋のふたは、つまみを矢印の方向にスライドさせて落ちないようロックしておきます


鍋底にある六角形のくぼみを、コントロールボックスの六角形の棒にしっかりとセットします。


コントロールボックスのスイッチを押すと回転開始。回転の速さと方向を変えることはできません。約20秒ほどで1周します。


◆塊肉でグリルポーク
まずは付属のレシピブックにのっていたグリルポークを作ってみます。材料は塩、砂糖、豚肩ロース塊肉と、非常にシンプル。


塩と砂糖を肉にまぶし、しっかり揉みこみます。


肉を鍋に入れ……


中火で20分焼きます。


トンドリオーブンがどのように肉をひっくり返すかは、以下のムービーから確認できます。なお、撮影のため鍋のふたを外していますが、実際の調理ではふたをしっかり閉めて調理する必要があります。

回る鍋トンドリオーブンで塊肉を焼いてみた - YouTube


20分経ったら火を止め10分放置し、余熱で火を通します。


フタを開けると、塊肉がこんがり焼けていました。


しかしよく見ると、まだ肉汁が赤く濁っていたので……


追加で5分加熱し、加熱後5分放置しました。


油切りトレーを確認すると、大量の油と水分がたまっており……


計量カップに入れてみると、約50ccのうち約半分の25ccほど油が排出されていました。


焼き上がったものをカットしていきます。


ちょうどいい火の通り具合。


カットして盛り付け。しっかり中まで火が通っています。


余分な油が抜けたためか油のくどさは無く、しっとりジューシーな仕上がりになっていました。「材料を鍋に入れて放置」系の調理家電としてはスロークッカーが有名ですが、スロークッカーは「煮込み」を得意としており、お肉が柔らかくなるものの、肉のしっかりとした歯ごたえがない「やわやわ」とした食感になります。この点、トンドリオーブンは放置系調理家電にはあまりない「焼き」のタイプなので、お肉がしっかりとした食感を保った仕上がりになります。パサつきがなく、噛むと肉汁がじゅわっとあふれ、適度に脂は落ちているもののうまみは残っているという完成度の高さです。


トンドリオーブンの加熱の仕組みは以下の公式トレーラーからも確認できます。

TONGDORI HIGHLIGHT - YouTube


◆冷凍食材で海鮮焼きそば
トンドリオーブンは冷凍食材もそのまま調理可能とのことで、レシピブックから海鮮焼きそばを作ってみます。用意するのは料理酒、ナンプラー、ごま油、こしょう、塩、冷凍エビ、冷凍イカ、冷凍貝柱、麺、たまねぎ、青ネギ。


材料を鍋に入れます。鍋をドラム台にセットした状態だと材料を入れづらいのが少々気になるところ。


冷凍エビなどは解凍せずに加えます。


中火で4分加熱します。


具材を4分加熱した後にいったんフタを開け麺を加えるのですが、ドラム台に鍋をセットしたままでは入れづらいので、いったん鍋を外します。外す前に排出パッキンキャップを用意。


鍋底から汁が出ないよう、排出パッキンにふたをします。


油切りトレーには冷凍食材の水分が排出されており……


計量カップに入れると、約70ccの水分が排出されたことが確認できました。


鍋を外したら、耐熱袋に入れ600Wのレンジで1分加熱した麺と調味料、青ネギを鍋に加えます。


中火で3分加熱します。


加熱が終わってふたを開けたところ。入れ方が悪かったのか、海鮮が底にたまったままになってしまいました。


鍋の背が高いので、底から具を取り出すのが少し大変ですが、付属のトングは鍋底まで余裕で届く長さでした。


これがお皿に盛ってみたところ。エビと青ネギの色合いがきれいで、ごま油の香りが漂います。


食べてみると混ざり方にむらがあり、味の濃い部分と薄い部分が目立つ大味な仕上がりでした。鍋のふたを閉めて調理するためか麺が柔らかめに仕上がっており、焼きそばというよりは「蒸しそば」という名前がぴったりな味わい。冷凍のまま入れた具材に水っぽさは無く、火もしっかり通っていました。解凍したり混ぜたりする必要が無いため洗い物が少ないのもうれしいポイントでした。


◆絹ごし豆腐で麻婆豆腐
回転がゆっくりなので「柔らかい豆腐を崩さずに調理できるのではないか?」ということで、絹ごし豆腐で麻婆豆腐を作ってみました。麻婆豆腐の素と絹ごし豆腐を用意します。


麻婆豆腐の素を入れ……


麻婆豆腐の素が底から流れ出ないよう、キャップを閉めておきます。


麻婆豆腐の素が煮立ったら、切った豆腐を入れます。


麻婆豆腐の素に書かれている手順通り、中火で3分加熱。


3分後、ふたを開けるとほどよく豆腐が混ざっていました。


盛り付けると、豆腐の形がほとんど崩れていないことが分かります。


コントロールボックスを挟むぶん、鍋とコンロまでの距離は遠くなるのですが、3分の調理で熱々の麻婆豆腐が完成しました。フライパンをあおるのが苦手な人でも、豆腐を崩さず麻婆豆腐を作ることができそうです。


◆自動で裏返すフレンチトースト
柔らかい豆腐を調理できたので、フレンチトーストのような大きめで柔らかいものの調理にも挑戦してみました。材料は牛乳、卵、砂糖、フランスパン。


牛乳、卵、砂糖を混ぜた液にフランスパンを浸します。


フランスパンだと鍋に2つ入りました。


中火で10分加熱。


出来上がったフレンチトーストは、型崩れはしていませんが、鍋が回転していたからか、ねじれ気味の仕上がりで焦げ目も控えめです。


好みでハチミツをトッピングして……


食べてみると、卵液が絶妙の半熟具合となっており、ふわっとした口当たりで中はトロトロ。火もちゃんと通っています。大きめのフレンチトーストをフライパンで作る場合、フライ返しで裏返すときに形が崩れてしまうこともありますが、トンドリオーブンなら形を崩さずきれいに焼き上げることができました。焼き目の香ばしさがないのは少しさみしいですが、全体的な口当たりや完成度はフライパンよりトンドリオーブンの方が上だったので、作ってみる価値アリです。


◆回転しながらはじけるポップコーン

ブックに「はじけるポップコーンを見ながらテーブルを囲む!」と書かれていたので、ポップコーンのはじける様子を見るべく材料を準備。材料は塩、バター(オリーブオイルでも可)、ポップコーンの素。


バターが流れ出ないよう、今回もキャップを閉めて調理します。


材料をすべて鍋にいれ、中火で10分加熱。


ポップコーンがはじける様子はムービーで確認できます。

回る鍋トンドリオーブンでポップコーンがはじけていく様子 - YouTube


加熱中、水蒸気で真っ白になってしまいますが……


ポップコーンがはじけていくにつれ、くもりが落ちていきます。


10分経ってポップコーンが完成。


鍋底が深いので、ポップコーンのような小さな食べ物は盛り付けがやや大変でした。


海鮮焼きそばと同様、やや味にむらのある仕上がり。塩とバターだけのシンプルな味付けなので、映画館やテーマパークなどの濃い味のポップコーンを食べ慣れていると物足りなく感じるかもしれませんが、好みのポップコーン用シーズニングなどを加えて、友人とわいわい食べるにはぴったりという感じでした。


◆コーヒー豆の焙煎
回転させながら焼ける上、返しがついていて混ぜることもできるということは「コーヒー豆を焙煎できるのではないか?」と編集部員から提案があったので、実際にInstagramで調べてみると、コーヒー豆やくりを焙煎している人が一定数いました。ということでまずはグァテマラの生豆100gを調達しました。


鍋に入れ、中火で様子を見ながら加熱していきます。


焙煎の様子は以下のムービーから確認できます。

回る鍋トンドリオーブンでコーヒー豆の焙煎に挑戦 - YouTube


総加熱時間25分ほどで豆を鍋から取り出しました。少し焼きムラがあり、さすがに店で買うコーヒーのような均一な色をつけるのは難しいようです。


コーヒー豆をよく冷ました後、ミルで挽いていきます。


焙煎してすぐなので、挽いた豆にお湯を注ぐとふっくら膨らんでいきます。


煎りが浅かったのか、苦みと酸味が控えめのややあっさりした味わいですが、雑味が無く飲みやすいコーヒーになりました。家庭用のコーヒー焙煎機は高額なものが多く、かといってフライパンや手動焙煎機などで数10分コーヒー豆を煎り続けるのも大変。トンドリオーブンなら自動で混ぜてくれる上、コーヒー豆以外の調理にも使用できるので、火加減を調節しながら好みの焙煎具合を研究するのも楽しそうです。


トンドリオーブンはAmazon.co.jpでも購入でき、記事作成時点で税込2万1384円で購入可能となっていました。

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in レビュー,   試食,   動画, Posted by darkhorse_log

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