レビュー

プロ顔負けのふんわりジューシーなお肉だけでなく大人数向け料理を家族で楽しめる「おもいの鉄板」レビュー


石川鋳造が2019年5月13日(月)に発売した「おもいの鉄板」は、「おいしいお肉を家族みんなでいっしょに食べたい」という想いに応えてくれる鋳鉄製の調理器具です。以前にレビューした「おもいのフライパン」をさらに大きくして進化させた製品で、特に肉をおいしく焼くなど「焼き」に特化しているとのこと。先行予約分で60日待ちというおもいの鉄板の実物を借りることができたので、実際に使ってみました。

おもいの鉄板 - おもいのフライパン
https://omo-pan.net/?pid=142815538

外箱に伝票が貼り付けられた状態で、おもいの鉄板が編集部に到着。未発売の製品であるためか、外箱には「omoiのフライパン」と書かれています。


箱を開けると、おもいの鉄板・取扱説明書・レシピブックが入っていました。


おもいの鉄板は外径29cm、内径28cm、持ち手まで含めた全長は36cm。比較のため、500mlペットボトルのお茶を置いてみると、こんなサイズ感です。


おもいのフライパンがすっぽり入る大きさ。


一方、おもいの鉄板(左)は高さは3cmとかなり低め。平たいので、鍋物などのつゆが多い料理は不向きかも。


持ち手には指を入れる穴が開いていて、持ちやすくなっています。


実際に両手で持ってみるとこんな感じ。重量は2.8kgで、片手で持つには難しい重さです。


おもいの鉄板を使用する前に、最初は全体をよく水で洗うことが推奨されています。


火にかけて水分を蒸発させて……


「油返し」という工程を行います。おもいの鉄板を中火で温め、お玉2杯から3杯分の油を入れます。


油を全体になじませるように広げ、油をオイルポットなどの別の容器に戻します。油返しによって油が鉄になじみ、料理が焦げ付きにくくなるとのこと。調理前には毎回油返しを行うことが推奨されています。


油返しを終えた後、黒かったおもいの鉄板が十円玉のような色合いに。鉄板の表面を触ると、何やら金属臭のする汚れが手に付きました。そこで、もう1度ゴシゴシとこすり洗いして再度油返しを行ってから使ってみました。


今回のおもいの鉄板を比較するために、普段から編集部で使用しているテフロン加工の28cmの和平フレイズのフライパンと比較してみます。サイズではほぼ互角ですが、能力にはきっと差があるはず。まずは2つを火にかけて、どんな物でもかざすだけで温度測定して画像保存できる赤外線サーモグラフィ「FLIR i3」で温度を測定します。


熱してみると、テフロン加工のほうが熱される速度が240度に達する頃には……


おもいの鉄板の最高温度は129度とかなり低め。熱される速度はかなり遅く、熱されている部分もムラがあるようです。


一方、おもいの鉄板はかなり熱が冷めにくいようで、火を消してから長時間熱いまま。2つを十分に温めてから火を止めてみると、以下の画像を見ると、テフロン加工のフライパン(手前)は火を止めて数分放置すると50度ほどまで冷めてしまっていますが、おもいの鉄板は100度近い温度を保っていることがわかります。


厚めの牛もも肉を使って、実際に肉を焼き比べてみます。


肉を投入する前のフライパン(上)とおもいの鉄板(下)の温度は両方とも220度ほど。


交互に肉を置いていきます。


おもいの鉄板側の肉がいい感じの色合いになった頃……


テフロン加工のフライパン側の肉は、まだ赤い部分が残っていました。


先におもいの鉄板側の肉を引き上げることに。


テフロン加工のフライパン側の肉はまだ赤い部分が残っていたので、もう少し長めに焼きます。しかし、その間にも肉汁がこぼれだして、フライパンの表面に焦げ目を作っているのが確認できました。


先に引き上げたおもいの鉄板で焼かれた肉を切ると、肉汁がドバァーとあふれ出ました。おもいの鉄板は、肉汁を外に逃がさないように肉を焼き上げることができるようです。


食べてみると、火が十分に通っており柔らかジューシーな食感で、肉本来のうま味がたっぷり感じられました。


一方、テフロン加工のフライパンで焼いた肉を切ってみると、おもいの鉄板よりも長く焼いたにも関わらず、切断面は赤く、肉汁もあまりあふれ出てきません。


食べてみると、肉の筋がかみ切れず、血の味がする「生焼け」状態でした。今回は火の強さをおもいの鉄板とテフロン加工のフライパンで同じにしていましたが、テフロン加工のフライパンでは、肉に火をじっくりと通すのは難しいようです。


実際におもいの鉄板とテフロン加工のフライパンで、肉を焼いている様子は以下で確認できます。

「おもいの鉄板」とテフロン加工のフライパンで分厚い肉を焼いてみた - YouTube


分厚い肉を使うと火の通り方の差が顕著にあらわれます。テフロン加工のフライパンで焼かれたローストビーフ用角切り肉は、表面はしっかりと焼き色がついているものの、中心部分の肉がほぼ生のような色合いで、肉の中まで熱が十分に伝わっていないことがわかります。


一方、おもいの鉄板で焼かれたローストビーフ用角切り肉はは中心まで火がしっかり通り、ほどよいピンク色となっています。鋳鉄製のおもいの鉄板は肉をじっくりと均一に焼き上げることができるため、熱しやすく冷めやすい普通のフライパンでは作るのが難しいローストビーフも作れるというわけです。


次は大サイズのステーキ用のサーロインを焼いてみます。厚さ2.5cmで、2枚で計500gというサイズの肉を、家庭にあるフライパンでおいしく焼くのはなかなか至難の業です。


常温に戻してから塩コショウをふって……


サーロインを中火で焼く様子が以下のムービー。おもいの鉄板は内径28cmもあるので、かなり大きなサーロインを2枚一気に焼き上げることができました。

「おもいの鉄板」でステーキを焼くムービー - YouTube


6分ほど焼いた後、コンロの火を消して、余熱を利用して中まで熱を通します。5分たっても持ち手は素手では持てないほど熱いままでした。


中火で6分、余熱で5分焼いた厚さ2.5cmのサーロインはバッチリ火が通っていました。


スーパーで100グラム250円ほどで購入したサーロインですが、まるで専門店で食べられるステーキのようにジューシーかつふっくらした食感に焼き上がっていて、楽にかみ切れます。むしろおもいの鉄板の実力を考えれば、もうちょっと赤さが残るようなミディアムレアやレアでも火が通っておいしく食べられるのかも。テフロン加工のフライパンでは再現不可能なレベルのステーキに、試食に来た編集部員たちの手は止まらず、あっという間に二枚のサーロインステーキがなくなってしまいました。


おもいの鉄板の特徴はその面積ということで、今度は複数人で食べられるようなメニューを作ってみることに。同梱されていたレシピブックに記載されていたチーズタッカルビを作ってみます。


材料は鶏肉600g、玉ねぎ1個、さつまいも1本、ピザ用チーズ、さけるチーズ、コチュジャンやケチャップなどの調味料です。


おもいの鉄板はカセットコンロにも対応しているとのことなので、今回はカセットコンロを使って卓上で調理します。


おもいの鉄板をカセットコンロに載せるときの注意点は、爆発の危険性があるため、持ち手の部分がボンベ収納部の上に来ないようにすることとのこと。実際にカセットコンロにおもいの鉄板をのせてみると、サイズの関係上、ボンベ収納部の上側まで鉄板がかかり気味になってしまったので、ややボンベ収納部と逆側に寄せて置くべきなのかも。


鶏もも肉を食べやすい大きさにカットし、さつまいもは1cm幅の半月切り、玉ねぎはくし形切りにして、コチュジャン・ケチャップなどの調味料に混ぜて下味をつけます。


下味をつけた具材を中火で炒め、軽く火が通ったらフタをして弱火で蒸し焼きにします。


具材に火が通ったら、溝を作るように食材を左右に分けて……


輪切りにしたさけるチーズとピザ用のチーズをかけます。


チーズがとろーっと溶けている様子は以下のムービーで視聴可能です。

おもいの鉄板で作ったタッカルビにチーズをかけている様子 - YouTube


通常のフライパンだと熱の管理が難しく、せっかくチーズタッカルビを作ってもチーズが焦げてしまったり、逆にすぐに冷めて固まってしまったりすることがあります。しかし、おもいの鉄板はしっかりと熱を保持するので、とろとろになったチーズを堪能できます。


おもいの鉄板を活用すれば、大人3~4人分のおかずを作ることが可能。余熱がかなり長く残るので、通常の備え付けのコンロで十分に温めてから、卓上に運んでくるという使い方もできます。


おもいの鉄板を使用後は、人肌程度になるのを待ってから、たわしなどを使って温水でこすり洗いします。鉄板が熱いままの状態で冷水をかけると急激な温度変化が生じ、ひび割れてしまう可能性があります。


火にかけて水分をキッチリ飛ばしてから……


表面に油を薄く塗って保管します。


また、おもいの鉄板・フライパンはガスコンロだけではなく、100V/200VのIH電磁調理器、オーブン、ハロゲンヒーター、シーズヒーター、ラジエントヒーターなどでも使用可能。ただし、電子レンジでは使用不可とのこと。


実際にIH電磁調理器で使ってみると、薄く塗った油から煙が出るほどの温度にまで加熱することができました。


以前レビューしたおもいのフライパンは内径20cmで、作ることのできる料理は1~2人分といったところでした。一方、おもいの鉄板は内径28cmという大きさを活かし、1度で家族全員分のおかずを作ることも可能です。また、おもいのフライパンと同様に鋳鉄製ということで、余熱が長く残るので、本格的なステーキや鉄板焼きをアツアツのまま家族みんなで食べられるのもポイント。

おもいの鉄板は公式ページから税込1万7200円で購入可能です。記事掲載時点では注文から60日で納品可能となっていました。

おもいの鉄板 - おもいのフライパン

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in レビュー, Posted by darkhorse_log

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