メモ

なぜ人は泣くのか、人前で泣くことにメリットはあるのか?

by Bob_Dmyt

感情がたかぶった時や激しい悲しみを感じた時、思わず泣いてしまうことは大人でも少なくありません。オーストラリア在住の7歳児から飛び出た「なぜ人は泣くの?」という質問に対して、オーストラリア研究会議(ARC)で博士研究員を務めるカーリー・オズボーン氏が解説しています。

Curious Kids: why do we cry?
https://theconversation.com/curious-kids-why-do-we-cry-119814

涙は目に入った異物を洗い流すために出ることもありますが、「泣く」という言葉を使う場合の多くは、主に悲しみなどの感情によって涙を流すことを指します。オズボーン氏は「感情を覚える脳の部位と涙が出る部位にはつながりがあり、大きな感情によって私たちは泣きます」「感情の歴史について研究している私は、医学的理由ではなく、歴史的な観点から泣くことについて説明します」と述べています。


オズボーン氏は、現代では小さな子どもはよく泣く一方で、10代になると女の子よりも男の子の方が泣く回数が減少すると指摘。これは男女で涙の出る機構に違いがあるからではなく、単に現代の少年たちが「泣くことは恥ずかしいことだ」という意識を持っているからだとのこと。

現代では人前で泣くことが恥ずかしいと考えられがちですが、歴史的に見るとそうでもない模様。オズボーン氏は「500年前のイングランドでは、泣くことは非常にカッコいいことだと見なされていました」と主張しています。偉大な英雄であるアーサー王について15世紀ごろに出版された書物において、アーサー王は非常によく泣いており、人前で豊かな感情を表すことが人を偉大にすると考えられていたそうです。

by StockSnap

人々がたくさん泣くかどうかは、自分の周囲を取り巻く文化や人間によって左右されます。たとえばアメリカのように公共の場で感情を表現することが普通である国では、人々は多く泣くだろうとオズボーン氏は指摘。一方で、日本のようにあまり人前で感情を表さない国に住む人は、たとえ悲しみを覚えたとしても、あまり泣くことはないとのこと。

同様のことは家族にも当てはまり、家族のメンバーが感情表現豊かであれば、子どももよく笑ったり泣いたりするそうです。一方、あまり感情を表に出さない家族に囲まれていると、子どもは自身の感情を内側に秘めておくようになるだろうと、オズボーン氏は主張しています。

オズボーン氏は、「これらの例からもわかるように、泣くということは自分だけで行うことではありません。多くの場合、泣くのは他の人に自分の感情を伝える手段です」と指摘。人が泣いているのを見ると、周囲の人が「あの人は強い悲しみなどの感情を覚えている」と理解することができ、対話などを通して気持ちを向上させる手助けができるとオズボーン氏は述べました。

by Myriams-Fotos

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「泣く」という行為を589日にわたって追跡、原因・日時・激しさレベルを記録し可視化するとこんな感じになる - GIGAZINE

女性の涙には男性の性欲を減退させる成分が含まれる - GIGAZINE

赤ちゃんの泣き声の意味をAIで聞き分けることが可能に - GIGAZINE

男性より女性の方が頻繁に、長く、大げさに泣くことが明らかに - GIGAZINE

「血の涙」を本当に流した人が報告される - GIGAZINE

眼から血の涙を流す少女がインドに現れる - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.