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「泣く」という行為を589日にわたって追跡、原因・日時・激しさレベルを記録し可視化するとこんな感じになる

by Haylee Sherwood

「涙を流す」という行為は同じであるにも関わらず、「泣くこと」の原因は痛み、笑いすぎ、悲しみ、孤独などさまざまです。「泣き虫」であると自認するブロガーのロビンさんが、589日間にわたって「泣く」という行為の原因・日時・場所・5段階評価の激しさレベルを記録し続け、これをまとめた興味深いグラフを公開しています。

Crying
http://www.robinwe.is/explorations/cry.html

「泣く」という行為の詳細を記録するため、まずロビンさんは「泣く」という行為の定義を「涙を流し始めてから冷静さを取り戻すまで」と決めます。そして、「泣く」ことの規模を1~5段階で評価するようにしました。


ロビンさんが用意した5段階評価は以下のようなもの。

(1)涙を1~2粒流す状態
(2)涙は流れるけれど動揺はあまりしていない状態
(3)化粧は崩れるが体に変化はない状態
(4)呼吸が乱れて平気なフリができない状態
(5)体がよじれるほどに泣き、辛くてたまらない状態

また、今回の記録は「自分の感情の動きを知ること」を重視するため、アレルギーの苦しさによる涙と笑いによる涙は含まれませんが、風邪からくる腹痛で流した涙は含まれています。

そして、上記の条件で泣いた時の日付・時刻・場所・涙を流すに至った状況・5段階評価が以下のような感じで記録されました。


記録期間は2014年2月20日から2015年10月1日までの589日。期間中における、1日あたりの泣いた回数をグラフ化すると以下のような感じになります。589日のうち1度でも泣いた日は216日で、泣いた回数の総合計は394回。つまり、だいたい3日に1日は泣き、泣いた日には1日に2回ほど泣いていた計算になります。


また、1日あたりの泣いた回数をグラフ化するとこんな感じ。まったく泣かない日が最も多く、次に1日に1度だけ泣く日が続き、泣く回数が多くなるにつれ該当する日数が少なくなっていますが、1日に14回泣いた日のグラフが盛り上がっているのが気になる点。


まったく泣かなかった期間の最長は連続23日間。連続して泣いた日の最長期間は8日間。泣き始めてから泣き終わるまでの時間をグラフ化すると以下のような感じで、1~2分と短い「泣き」が多かったようです。なお、泣く時間の平均は5分50秒だったとのこと。


期間中に泣いた時間を総合計すると、約38時間で、1カ月に2時間は泣いていたということに。また、1週間のうちどの時間帯に泣いていたのかをマッピングすると、週はじめの夜によく泣いていたということがわかります。なお、毎週火曜日はセラピーを行っており、これより涙を流すことが多かったそうです。


泣いた時の状況について分析すると、全体の52.5%は「1人でいた時」で、誰かと一緒にいる時に泣いた割合は全体のうち21%。人がいるところで泣き、泣いた事実を隠そうとしたという状況は全体の8%で、公共の場で1人でいる時に泣いた割合は18.5%に上りました。

泣いた場所の54%は自宅。自宅以外でよく泣いていた場所としては、ホテル・公共交通機関・仕事場・セラピーの場などが挙げられます。


泣く行為の5段階評価を発生回数別にグラフ化すると以下の通り。最も多かったのは評価「2」で、「1」「2」だけで全体の62%を占めました。「3」は全体の25%、呼吸が乱れたり声が出せなくなったりする「4」「5」は1~3に比べては少ないものの、4は40回以上、5は10回ほどあり、取るに足らない量ではなかったとのこと。


泣くという行為の原因を分類・可視化すると以下のようなことが分かりました。


泣くことの原因で最も多いのは「別れ」「人間関係」カテゴリーに属する出来事で、全体の63%を占めています。長期的な関係が引き起こした涙や、ちょっとしたデートが引き起こした涙までさまざまな事柄が原因に含まれますが、恋人が既婚者だったことが原因の涙が全体のうちの40%を占めたとのこと。

また、「友人関係」も涙の原因として頻発していますが、これはケンカ・結婚式・人生に関する会話などがその理由となりました。

「家族」は涙の原因のうち13%とやや少なく、「仕事」で泣いたのはたった2%。仕事カテゴリの涙のうち3分の2は個人的なプロジェクトに関するもので、本職を理由とする涙はほとんどなかった様子。

「人生」というカテゴリは、何かを決定したり、病気にかかったり、旅行をしたり、ついてない日だった、という原因を示します。多くは10週間のヨーロッパ1人旅の最中に流した涙で、ストレスが多い日々だったとロビンさんは語っています。

全体の8.5%を占めているのは「内省」というもの。これは、過去の自分の行いを回想して恥ずかしくなったり辛くなったり自己憐憫にひたったりすることが理由となっています。内省することで自己批判を行い、自分のアイデンティティを疑問に思うこともあったため、この原因によって生まれる涙はロビンさんにとって居心地のわるいものだったようです。

「別れ」「人間関係」「人生」「家族」「内省」「友人」「仕事」のカテゴリーにわけて、記録期間中に泣いた回数を可視化するとこんな感じ。「人生」カテゴリのグラフが夏の旅行中に盛り上がっていること、「人間関係」「別れ」グラフの盛り上がりが重複していること、「別れ」グラフが落ち着いた頃に「内省」グラフが盛り上がっていることなどがわかります。


40種類の感情別に涙を分類すると、最も多いのは悲しみ・痛み・怒りなどで、苦痛や誇りを傷つけられたことによる涙が最も少ないものとなりました。原因の多くはネガティブなもので、激しい感情・興奮をもたらす状態が激しい「泣き」の理由となっている、とロビンさんは分析しています。また、「疲れた」という漠然とした状態よりも「打ち負かされた」といったようなはっきりした原因の方が、5段階評価のレベルが高くなる傾向にあったことも明らかになりました。


今回の試みでロビンさんは「人前で泣くことは大したことでない」と腹をくくれたとのこと。また、人を居心地悪くしてしまうという懸念はあるものの、感情を表現するのは弱さでも恥でもないと考えるようになった点を、「泣くことの記録」を通して得られたよい影響だと語っています。自分が落ち込んでいるという事実を意識するようになったこともよかった点として挙げました。

さらに、長期にわたって泣く行為を記録することで、自分が困難な状況に適応したり、状況を変えることができていたことが分かったそうです。例えば、記録を取り始めた当初は家族と計画を立てることを原因として泣いていましたが、次第に「計画に対して積極的になる」「積極的になれない時は予想を変える」といった方法を学んでいっていることに気づいた、とロビンさんは語っています。

一方で、「パブロフの犬のように、泣き始めと泣き終わりの時間をチェックしたいという衝動に駆られるようになったこと」や「『記録をとる』という目的が頭の中にあることで、感情と意識の間に隔たりができたこと」をマイナス面として挙げました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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