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元Googleのエンジニアが自動運転関連のデータを盗み出した疑いで起訴される

by Dllu

アメリカの連邦検察当局が2019年8月27日(火)に、エンジニアのアンソニー・レヴァンドフスキ氏を「Googleから企業秘密を窃盗および窃盗未遂した33件の罪」について起訴したと報じられています。レヴァンドフスキ氏は元Googleのエンジニアであり、Waymoの先駆けとなる自動運転車開発プロジェクトの創設者の一人でした。

Former Star Google and Uber Engineer Charged With Theft of Trade Secrets - The New York Times
https://www.nytimes.com/2019/08/27/technology/google-trade-secrets-levandowski.html


カリフォルニア大学バークレー校で自動運転技術の研究を行っていたレヴァンドフスキ氏は、Googleの共同設立者であるラリー・ペイジ氏と共に自動運転開発プロジェクトをスタートしたことで知られています。なお、この自動運転開発プロジェクトは、2016年12月にGoogleの姉妹企業であるWaymoにスピンアウトしています。


レヴァンドフスキ氏は2016年1月にGoogleを退職し、同年5月には元同僚のGoogleのエンジニアを引き連れて自動運転トラックのスタートアップである「Otto」を立ち上げました。しかし、Ottoは2016年7月にUberによっておよそ7億ドル(約750億円)で買収されています。

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その後、Uberは実際に自動運転技術を用いたトラックを使ってバドワイザー4万5000缶を輸送する実験を行い、成功しています。

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しかし、Waymoは2017年にUberとレヴァンドフスキ氏とOttoに対して「独自の技術を独自に開発するリスク・時間・費用を回避するため、Waymoの知的財産を盗んだ」と訴訟を起こしました。Waymoによると、レヴァンドフスキ氏は1万4000以上のファイルをGoogleからダウンロードし、個人のラップトップに不正に転送したとのこと。レヴァンドフスキ氏がダウンロードしたファイルの中には、Google独自開発の基板とLIDARセンサーに関する図面と回路図も含まれていたとのこと。

その後、Uberは株式の0.34%をWaymoとGoogleの親会社であるAlphabetに提供することで、Waymoと和解しました。また、Uberはレヴァンドフスキ氏が提出した回路図の受け取りを拒否し、2017年5月にレヴァンドフスキ氏を解雇しました。


しかし、レヴァンドフスキ氏とWaymoは和解に至ることはできませんでした。2019年8月27日の朝、レヴァンドフスキ氏はカリフォルニア州サンノゼにある連邦裁判所に出頭し、罪状を改めて否認して無罪を主張。30万ドル(約3200万円)の保釈金、さらにレヴァンドフスキ氏の両親と友人が家を担保にしたことで、レヴァンドフスキ氏は保釈されたとのこと。2019年9月4日(水)にレヴァンドフスキ氏は再び裁判所に出頭する予定で、有罪判決を受ければ最大10年の懲役を科される可能性があるとニューヨーク・タイムズは報じています。

レヴァンドフスキ氏の弁護士であるマイルス・エルリッヒ氏は「10年以上にわたり、レヴァンドフスキ氏は自動運転車やトラック技術の分野で業界をリードしたイノベーターです。これはレヴァンドフスキ氏がGoogleから何も盗んでいないことを最終的に示す事実です」と述べています。

Waymoの広報担当者であるスザンヌ・フィリオン氏は「競争は常にイノベーションによって活気づけられるべきだと信じていました。この事件に関するアメリカ司法省とFBIの仕事に感謝しています」と述べました。また、Uberは「調査を通じて政府と協力していて、今後も協力していきます」という声明を発表しています。

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in メモ,   乗り物, Posted by log1i_yk

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