GitHubがWebAuthn対応で物理セキュリティキーによる二段階認証を正式にサポート
by Ben Scholzen
ソフトウェア開発のオンラインプラットフォームであるGitHubは2019年8月21日付けで、多要素セキュリティ認証をブラウザ上で行うためのウェブ標準であるWebAuthnに対応したことを発表しました。GitHubはこれまで部分的に物理セキュリティキーによる二段階認証をサポートしていましたが、WebAuthnへの対応によって物理セキュリティキーや生体認証によるログインが正式にサポートされます。
GitHub supports Web Authentication (WebAuthn) for security keys - The GitHub Blog
https://github.blog/2019-08-21-github-supports-webauthn-for-security-keys/
WebAuthnは、FIDO2と呼ばれるオンライン認証技術仕様をウェブアプリやウェブサービスで利用できるようにするための規格で、指紋や虹彩といった生体情報、SMSによるワンタイムパスワード、暗号鍵を利用した物理セキュリティキーなどを使った多要素認証が可能になります。
パスワード不要のログイン方法「WebAuthn」がウェブ標準になる - GIGAZINE
GitHubではこれまでChrome用で実験的に公開されているU2F(Universal 2nd Factor)のAPIを導入することで、物理セキュリティキーによる二段階認証を部分的にサポートしていたとのこと。しかし、WebAuthnへ対応したことで、正式に物理セキュリティキーを使ったアクセスが可能となったとGitHubは述べています。
by Tony Webster
OSごとに対応するブラウザは以下の通り。
Windows:Mozilla Firefox、Chromiumベースのブラウザ、Microsoft Edge
macOS:Mozilla Firefox、Chromiumベースのブラウザ、Safari
Linux:Mozilla Firefox、Chromiumベースのブラウザ
iOS:Yubico製物理セキュリティキー「YubiKey 5Ci」に対応したBrave
Android:Mozilla Firefox、Chromiumベースのブラウザ
また、WebAuthnへ対応したことによって、USBやLightning端子で接続する物理セキュリティキーがなくても、ノートPCやスマートフォン自体がセキュリティキーとして使えるようになり、指紋リーダーや顔認識を活用できるようになります。
GitHubスタッフのルーカス・ギャロン氏は「現段階ではWebAuthnのサポートが普及していないため、あくまでも補足的な第二要素として物理セキュリティキーをサポートしています。しかしWebAuthunに対応したプラットフォームが増えることで、セキュリティキーが認証要素として主要なものとなっていきます」とコメント。また、「WebAuthnへの対応で生体認証のみによるログインもサポート可能となりました。今後の計画を発表する準備はできていませんが、GitHubのすべてのユーザーにとって安全な認証を可能な限り簡単にする方法を追求し続けます」とギャロン氏は述べ、将来的には完全にパスワードレスなログインシステムも視野に入れていることを示しました。
・関連記事
iPhoneに物理的に挿入するだけで二段階認証が可能なセキュリティトークン「YubiKey 5Ci」 - GIGAZINE
Googleの安全な2段階認証を構築し不正アクセスを防ぐ物理キー「Titan セキュリティ キー」使用レビュー - GIGAZINE
パスワード認証に取って代わる2段階認証とその未来とは? - GIGAZINE
Chromeに「Google最強のセキュリティ保護機能」が追加される - GIGAZINE
Googleアカウントの2段階認証で使用可能なUSBセキュリティキー「FIDO U2F Security Key」を使ってみました - GIGAZINE
FacebookがUSBセキュリティキーでの2段階認証に対応したので試してみました - GIGAZINE
・関連コンテンツ