麻雀牌を積み上げて自分だけの城を建築していく城郭建築ボードゲーム「覇王龍城」レビュー
「覇王龍城」は、崩れゆく龍城から建材を持ち出し、次なる龍城を目指して城を建築していくというボードゲームです。左右に空きがある牌を2個1組で獲得していくというシンプルなルールで誰でも気軽に遊べ、またプレイヤーによって建て方の個性が出るため完成した城を見る楽しみもあるということで、実際に日本語版を編集部でプレイしてみました。
覇王龍城 | | ANALOG GAME INDEX
http://hobbyjapan.games/dragon_castle/
パッケージはこんな感じ。
裏面に簡単な説明があります。牌がどこかで見たことあるような牌になっていますが、よく読むと堂々と「麻雀からヒントを得たゲームです」と書いてありました。
『覇王龍城』は中国の伝統ゲーム『麻雀』からヒントを得たゲームです。崩れゆく龍城から牌を取り、それを自分の城の建設に使いましょう。同じ種類の牌を集めて、その上に社(やしろ)を建てれば点数が獲得できます。精霊の助けを求め、その力を解き放ちましょう。ただしご注意を。勝利を得るためには、太古龍の要求を謹んで受けなければならないのです!
さっそく中身を全て取り出します。牌のほかに中央ボードが2枚、個人用の国ボードが2枚、開始プレイヤートークン、黒い屋根のような社、勝利ポイントトークン、龍カード、精霊カード、期限トークン、早見表4枚、そしてルールブックが入っていました。
牌はプラスチック製となっており、裏には龍のウロコを模したようなマークが彫られていました。
左の牌を利用して城を建築していきます。最初は右側の中央ボード上に配置しておくのですが、この中央ボードは人数によって異なるものを利用します。今回は4人でプレイするため、左上の人数マークが4を表しているものを選択。
牌を混ぜて……
ボードに書かれている数字の高さまで表向きに積み上げていきます。
ゲーム終盤で利用する「期限トークン」もボードに並べておきます。
そして龍カードと精霊カードをランダムに1枚オープンにします。これらのカードはゲームルールを追加するもので、1ゲームに1枚だけを利用します。カードが異なると違った戦略が必要になってくるため、毎回新鮮な気持ちでゲームをプレイすることが可能です。
屋根っぽい形の「社」を1つずつ持ってゲーム開始。
誰のターンから始まったのか忘れないように、最初のプレイヤーにスタートプレイヤーマーカーを渡します。
手番のプレイヤーは中央ボードから「左右のどちらかが空いている」牌を獲得します。今回は「緑の5」を選択しました。
そして盤上から色と数字が全く同じ牌を選び、その牌も獲得します。こちらの牌も左右のどちらかが空いている必要があり、いきなり城の中央部から選択することはできません。先ほど獲得した緑の5と併せてもう一枚緑の5を獲得します。
獲得した牌は自分のボード上に並べていきます。
そうして牌を獲得していき、自分のボード上に連続して4枚以上同色の牌が並んだ場合には……
並んだ牌をひっくり返して城にします。ひっくり返した枚数に応じて点数が獲得でき、今回は4枚なので2点を獲得しました。また、このように築城した際に手持ちの社を城の上に乗せることができ、社を建設しているとそのマスの高さに応じてゲーム終了時に勝利点を得ることができます。さらに、今回は龍カードが「ボードの端にある社につき1点」のカードのため、このプレイヤーは端っこに社を建設することにしました。
「同じ色と数字の牌を2枚獲得する」アクションの代わりに、「1枚の牌と社を獲得する」アクションを行うことで自分の社を補充することができます。この時も牌は左右が空いているものから選ぶ必要があります。
3枚以下の塊をいくつも作っておき、最後にまとめてくっつけることで多数の牌を一度にひっくり返すことができます。
4枚の時は2点でしたが、8枚ひっくり返すと8点となり、まとめてひっくり返した方がお得になっています。
また、ひっくり返す牌の色によっても違いがあり、黒色、青色、紫色の牌をひっくり返すと……
手持ちがあれば社を2つ一気に建設してOK。赤色、黄色、緑色の牌をひっくり返した際は手持ちがあっても1つしか社を建てることができません。
紫色は希少な牌となっており……
ひっくり返した際に社を2つ建設できるだけでなく、ボーナス点として1点を追加で獲得できます。
すでにひっくり返して城になっている牌の上に牌を並べることも可能で、段差が異なっても牌は連続しているものとして扱うことが可能。
プレイヤーが牌を抜いていくため、ゲームが進むにつれて中央ボードの城が廃墟のようにボロボロになっていきます。
自分の盤面にある表向きの牌を1枚捨てるか、手持ちの社を1つ捨てることで、1ターンに1回まで精霊カードの効果を使用することができます。今回の精霊カードは「中央ボードの牌を1つ捨てる」というもの。
中央ボードから青色の牌を捨て牌にすることを選択。
精霊カードは自分のターン中であればいつでも利用できます。今回はターン開始直後に利用したため、そのまま牌を獲得するアクションを行うことが可能。邪魔をしていた青牌を消したため、赤牌を2枚獲得することができました。1枚目を獲得後に改めて2枚目を選択する形式のため、並んでいる牌はどちらかの左右に空きがあれば両方獲得可能です。
「特にやりたいことがない……」という場合は、中央ボードの牌を獲得せずにそのまま1枚捨てるというアクションを行うこともできます。このアクションを選択した場合、1点を貰うことができます。
中央ボードに積まれている牌が全て1段のみになった場合、「期限トークンを獲得する」というアクションが選択可能になります。期限トークンはゲーム終了時に2点として扱われます。
期限トークンが獲得されていき、「!」マークが出ればゲームはそのラウンドで終了します。手番の数が均等になるように、スタートプレイヤーの前の人までターンを行ってゲーム終了です。
手持ちの得点にくわえて龍カードの得点と社が置かれているマスの高さによる得点を合計し、一番得点が大きかった人の勝利です。
城の建て方には個性が感じられ、天守閣を示すように1箇所だけ3段になっている城もあれば……
まるで要塞かのような重厚感ある城を建設しているプレイヤーもいます。
初回プレイこそほんわか城郭建築ゲームとして4人で仲良くプレイできたものの、「相手が何色を集めているのか」や「中央ボードにどんな牌があるのか」などは全て公開されるため、プレイヤーがゲームに慣れてくると妨害しまくりされまくりの殺伐とした様相を呈し、「覇王龍城」というゲームのタイトル通り、まさに「覇王」を争っている雰囲気が出ます。特に社を獲得する時に相手の妨害だけを考えて牌を選択し、そのまま精霊カードのコストとして牌を捨てるという動きでスムーズに相手を妨害できるため、大量の牌を一気に繋げて城にするのはかなり難しいもの。そんな妨害を乗り越えて苦心の末に築き上げた城はどんな形であっても愛着が湧くもので、ゲーム終了後は城の形についても話が盛り上がりました。
所要時間については、最初のゲームは説明も含めて1時間近くかかりましたが、慣れてくると1ゲーム40分程度と複数回プレイも十分視野に入るレベルとなっています。また、中央ボードの牌の積み方についてはルールブックに多数紹介されているほか、自分だけのオリジナル配置でプレイすることも可能です。
覇王龍城の日本語版は定価税別6000円で販売されており、記事作成時点ではAmazon.co.jpにて税込6175円で入手可能となっています。
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