スマートフォンの加速度センサーで人間の性格が分析できるかもしれないという研究結果
by Marco Verch Professional Photographer and Speaker
スマートフォンや携帯電話には、電話やメールだけではなくナビやARなどさまざまな機能に対応するため、数多くのセンサーが内蔵されています。そんな携帯電話の動きや回転を感知する加速度センサーのデータを使うことで「持ち主の人格特性を予測できる可能性」をロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)の研究者が示しています。
Predicting Personality Traits From Physical Activity Intensity - IEEE Journals & Magazine
https://ieeexplore.ieee.org/document/8747565
How You Move Your Phone Can Reveal Insights Into Your Personality, Creepy Study Finds
https://www.sciencealert.com/the-movements-of-your-phone-can-predict-your-personality-kind-of
2010年3月から2011年7月にかけて、RMITの研究チームは52人の被験者に、加速度センサーを内蔵してデータを収集するアプリをインストールした携帯電話を渡して使わせたとのこと。同時に「神経症傾向・外向性・開放性・協調性・誠実性という5つの因子で人間の性格は評価できる」というビッグ・ファイブ理論に基づいて、あらかじめ被験者の人格特性5因子をテストで評価しました。
さらに、研究チームは、電話を使う可能性がある行動のリストをまとめました。例えば、週末の夜の行動からは被験者の外向性を、電話のかかってくる回数は協調性を予測できると研究チームは考えたそうです。
by Garry Knight
1年4カ月の実験を終えて携帯電話のデータを収集した結果、被験者の人格特性のうち、神経症傾向・外向性・誠実性が携帯電話のデータから予測可能だったことがわかりました。ただし、人の内面に深く関わる開放性と協調性の予測はあまりできていなかったとのこと。携帯電話のデータとの関連が示された3つの人格特性は身体活動に関連するものであることから、理にかなっていると研究チームは述べています。
携帯電話には多くの個人情報が含まれていますが、それらを直接盗み出さなくてもさまざまな情報を知ることができます。例えばインターネットを使用するために利用するウェブブラウザは、位置情報やどのようなハードウェアを利用しているかなど、さまざまな情報が収集できます。さらに、多くの人が気にしないであろう加速度センサーの情報からユーザーの性格を分析できるとなれば、携帯電話の持つ価値はより高まります。また、研究者が電話に内蔵された加速度センサーのデータをデバイス操作と照らし合わせるといった試みはこれが初めてであり、さらに多くの研究が同様の方法で行われる必要があるとScienceAlertは主張しています。
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