ハードウェア

ロボット工学の専門家が「エロボット」の未来について真剣に研究中

by Moose Photos

カナダのジャン・ド・ブレブフ大学に勤めるDave Anctil氏とコンコルディア大学の博士課程学生サイモン・デュベ氏は、2019年5月27日から開催された第87回フランス語圏知識学会総会に出席し、ロボット工学についての学術発表を行いました。そのテーマが「エロボット」です。

Beyond sex robots: Erobotics explores erotic human-machine interactions
https://theconversation.com/beyond-sex-robots-erobotics-explores-erotic-human-machine-interactions-118555

87e Congrès de l'ACFAS | Colloque 612 - Penser l’érobotique : regard transdisciplinaire sur la robotique sexuelle
https://www.acfas.ca/evenements/congres/programme/87/600/612/c

Anctil氏らが提唱する「エロボット(erobot)」とは、性愛を表す「エロス(eros)」、ソフトウェアとしての「ボット(bot)」、ハードウェアとしての「ロボット(robot)」をかけた混成語です。Anctil氏によると、「セクシーな人間のような造形をしたロボット」はエロボットのごく一部にすぎず、エロボットは柔軟な構造を持つソフトロボティクスや、自然言語を介してユーザーとコミュニケーションをする会話型エージェント、さらには仮想現実拡張現実などを包含した新しい概念だとのこと。

by DrSJS

そして、エロボットについて理論的・実践的に研究開発していく新興分野が「エロボティクス」です。研究者たちは、性とテクノロジーについて肯定的な枠組みの元で、エロボットが社会的、あるいは倫理的にどのような役割を果たしていくかを詳らかにしようとしています。例えば、「どんな人がエロボットとの接触を許されるのか?」「それは一体どんな在り方なのか?」といった点です。

Anctil氏は当面のエロボットの活躍分野について「パートナーを見つけるのが困難な人、人工エージェントを好む人、または単に喜びを体験したい人」の役に立つものだと話しています。また、人と親密な関係を持つことに恐怖を抱く人や、自らの肉体やセクシャリティにトラウマを抱えた人の治療やケアの手助けにもなるとのこと。

Anctil氏は「エロボットの開発には、官学の連携や、コンピュータ工学から社会・人文科学の協調が鍵です」と話し、今後さまざまな研究や分野とのコラボレーションにより、人々の幸福に貢献していくエロボットの未来を切り開いていく意気込みを語りました。

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in ハードウェア, Posted by log1l_ks

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