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数百人の「過去の自分に対するアドバイス」を系統的に調査してわかってきたこととは?

by Lukas

「あの時の自分にこう助言することができれば……」というネタが映画や小説などのフィクションでよく取り上げられることからもわかるように、「過去の自分にどんなアドバイスをするべきか?」は多くの人の頭を一度はよぎる質問です。しかし、この質問が実際の人生や人の成長とどのように関係しているのかはこれまで調査されてこなかったところで、2人の研究者がこの分野の開拓に挑戦。「過去の自分に対するアドバイス」を系統的に調査することで何がわかってきたか、という研究報告が公開されています。

First Systematic Study Of The Advice People Would Give To Their Younger Selves – Research Digest
https://digest.bps.org.uk/2019/06/06/first-systematic-study-of-the-advice-people-would-give-to-their-younger-selves/

「過去に戻って若い頃の自分にアドバイスするとしたら、何と言いますか?」という質問は時代を越えて問われ続けていますが、ではどんなアドバイスが多いのか?ということはこれまで研究対象となってきませんでした。そこでアメリカにあるクレムソン大学のRobin Kowalski氏とAnnie McCord氏はAmazon Mechanical Turk上で2つのアンケートを実施し、何百人もの回答者がどのようなアドバイスを送るのかを調査しました。

2つのアンケート調査はいずれも似たフォーマットで、30歳以上の人を対象とするものでした。アンケートは若い頃の自分に1つないし3つのアドバイスをするとしたら何を言うか?を問うもので、これと同時に、アドバイスに従ったら自分はなりたい人になれたかどうか、過去の自分は実際にアドバイスに従うかどうかについても問われました。

調査の結果、圧倒的に多かったアドバイスは「大事な人間関係」「学習の機会」「自分の財産」に関するものが圧倒的であると判明。アドバイスの多かったものを具体的にいうと、「大事な人間関係」は「彼女と結婚するな」といった内容、「学習の機会」は「大学に行け」などで、「自分の財産」は「動き続け、チャンスをつかみ、自分を磨き続けろ」といったアドバイスや、「貯蓄せよ、節約せよ」といったお金のことがそれにあたります。

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調査で明らかになった多くのアドバイスは「人生で後悔していること」の回答と内容が重複していたそうです。またほとんどの回答者は、自分のアドバイスが関係の破綻や飲酒癖など過去に起きた重要な出来事に関連したものだと述べました。このような「重要な出来事」は一般的に10~30代の間で起こることが多いこともわかっています。

2つのアンケートにおいて、半数以上の回答者は「未来の自分にアドバイスをもらったら、過去の自分はそれに従うと思う」と答えました。そして「過去の自分はアドバイスに従う」と考えた人の多くが「アドバイスに従えば、自分はもっと理想の人に近づけただろう」と考える傾向にあることも示されました。

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これは予備的研究であり、異なる文化で同じ調査を実施するほか、同じ文化圏でも調査手法が異なれば、異なる調査結果が示される可能性は大いにあります。しかし、この調査結果によって、「どのように年をとったかでアドバイスの傾向はどのように変化するのか?」という新たな視点が生まれることになりました。「この調査は、『若い頃の自分にアドバイスをする』という分野の最初の一歩であり、数多くの興味深い疑問を生み出すことになりました。今後、数カ月から数年の間にこれらの疑問の多くが調査されることを望みます」と研究者は述べました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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