ハーブティーを飲んだ男性が「オーバードーズ」で緊急入院してしまう
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甘草はユーラシア大陸や北アメリカに自生するマメ科の植物で、生薬などに使われるほか、独特の香気を生かして、サルミアッキやルートビアなどに甘味料としても使われています。そんな甘草はハーブティーにして飲む楽しみ方も知られていますが、高齢の男性が甘草のお茶を飲んだ結果、「甘草の過剰摂取」によって入院してしまった事例が報告されています。
Hypertensive emergency induced by licorice tea | CMAJ
http://www.cmaj.ca/content/191/21/E581
Man Ends Up in the ER After 'Overdosing' on Licorice Tea
https://www.livescience.com/65568-licorice-overdose-high-blood-pressure.html
カナダに住む84歳の男性は、ある時から自宅で測定した収縮期血圧が200mmHg近くなり、本来正常とされる収縮期血圧120mmHgを大幅に上回る状態が1週間にわたって継続しました。また、頭痛や光に対する過敏な反応、胸の痛みや疲労、ふくらはぎの腫れといった症状があったため、救急救命室(ER)を訪れました。
ERに来た際の男性の血圧は196/66mmHgであり、胸部レントゲンは軽度の肺水腫を示していたとのこと。男性は長年にわたって高血圧を患っていましたが、ERを訪れる4カ月前の診察では125/60mmHgという適切な血圧を保っており、高血圧の薬なども摂取していたそうです。
突然血圧が上昇した原因こそ不明だったものの、アムロジピンやメトプロロール、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジドの服用などにより状態は改善。24時間ほどで男性は危険な状態から脱しました。
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男性もなぜ突然の高血圧に見舞われたのかわかっていませんでしたが、問診の結果から高血圧で入院する前の2週間にわたり、「erk sous」と呼ばれる甘草を使った自家製飲料を毎日1、2杯ほど摂取していたことが判明。erk sousはイスラム教徒がラマダーン(断食)の間に、喉の渇きを癒やすために好まれるエジプトで人気の飲み物だとのこと。
甘草にはグリチルリチンという強い甘みを持つ成分が含まれています。アメリカ食品医薬品局(FDA)によると、このグリチルリチンの働きによって高血圧が引き起こされてしまうケースがあるそうです。
FDAはブラックリコリスと呼ばれるリコリス菓子を食べた後に、高血圧や体の腫れといった問題を訴えた患者のケースを把握しているとのこと。40歳以上の場合は1日に2オンス(約57g)以上のブラックリコリスを2週間にわたって食べ続けると、不整脈などで入院する危険性もあるとして、甘草の食べ過ぎには気をつけるように注意を促しています。
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