苦すぎるかぼちゃやキュウリなどは中毒を起こしおう吐や脱毛症を引き起こす可能性がある

by JACKELIN SLACK

植物には自分の身を守るためにシュウ酸ソラニンといった毒を微量に含むものが多く存在し、特にズッキーニやカボチャなどウリ科の野菜にはククルビタシンというステロイドの一種が含まれており、食べるとおう吐や下痢といった症状を引き起こすことがあります。カボチャが食卓に上がって「毒」と考える人は少ないはずですが、カボチャのスープを飲んで最終的に脱毛症を患ったという症例が報告されました。

Hair Loss Associated With Cucurbit Poisoning | Hair Disorders | JAMA Dermatology | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/article-abstract/2674863

Two women lost their hair after eating toxic, bitter squash, doctors report | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2018/04/the-puzzling-case-of-two-women-who-lost-their-hair-after-eating-bitter-squash/

ククルビタシンは強烈な苦みのある物質で、キュウリ・メロン・スイカといったウリ科の植物のヘタに近い部分に含まれますが、通常の含有量は微量です。一方で、苦みが特徴のゴーヤには比較的多く含まれます。人の手で栽培された野菜にもククルビタシンは含まれますが、干ばつや高い気温が続くなどストレスが多い環境で育ったり、偶発的に野生の植物と受粉したりすると、毒のレベルは高くなります。まれに、スーパーなどで購入したウリ科の野菜が非常に苦いことがありますが、これは上記のような理由によりククルビタシンが多分に含まれているものであり、 食べると「toxic squash syndrome(毒カボチャ症候群)」を引き起こすことがあるとのこと。2012年から2016年までの間にはフランスで353人の患者が「ウリ科の植物によって中毒を引き起こした」と報告されており、そのうち半分は野菜や果物をスーパーで購入して中毒になっています。

ウリ科の植物にはカボチャのほか……

by Mark Duffel

キュウリやズッキーニなども含まれます。

by Harshal S. Hirve

中毒を起こした人は下痢や血便、おう吐、腹部の痛みから、時には脱水症状や低血圧、頻脈、頭痛、めまいなどを起こします。高レベルのククルビタシンを摂取してしまうと、肺水腫を起こすこともありますが、2018年3月にJAMA Dermatologyで発表されたケースでは、脱毛症を引き起こしました。

フランスのPhilippe Assouly医師によると、ウリ科の植物で中毒を起こしたのは女性2人で、それぞれ別の場所やタイミングで野菜を摂取したとのこと。

1人の女性は非常に苦いカボチャのスープを飲んだ後、吐き気、おう吐、下痢といった症状を呈しました。ここまでは通常の中毒症状の範囲なのですが、数週間後、頭皮や陰部から毛が塊で抜け出したことを女性は伝えています。女性の家族も同様に苦いカボチャのスープを飲んだのですが、女性ほど多量に飲んだわけではなかったため、脱毛を経験したのは女性1人のみでした。

by Monika Grabkowska

もう1人の女性も家族と食卓でカボチャを食べたのですが、カボチャがあまりに苦かったため、他の家族メンバーはカボチャを避けたそうです。1時間後、女性は数時間にわたるひどいおう吐症状に見舞われ、その数週間後に頭皮や脇の下、陰部から毛が大量に抜け始めたとのこと。


Assouly医師は毒のある植物を食べることで細胞分裂がストップし、体毛が抜け落ちるケースがあることを記しています。ただ、ククルビタシンについての研究は進んでおらず、脱毛が起こった詳しい原因は不明。ククルビタシンにはさまざまなタイプのウリ科の植物に現れる12種類のカテゴリが存在し、これらも同様に細胞に対して影響を持ちます。1960年代には研究者がククルビタシンをガン細胞を殺す治療薬として役立てようとして研究を行っていますが、医療に使うには毒性が強すぎるということが判明したため、その後研究はストップしています。

あまりにも苦すぎるカボチャなどウリ科の植物を口にした時は、無理して食べずに残す方が体のためだと言えそうです。

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