「.amazon」ドメインをめぐるAmazonとアマゾン川流域8カ国の7年にわたる争いに終止符
by Rawpixel
世界最大のECサイトAmazon.comを経営するAmazonと、世界最大の熱帯雨林であるアマゾン熱帯雨林を管理するアマゾン協力条約機構による、「.amazon」ドメインの使用権をめぐる戦いが決着を迎えつつあると報じられています。
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https://www.ft.com/content/c8f227e6-7b0c-11e9-81d2-f785092ab560
Approved Board Resolutions | Special Meeting of the ICANN Board - ICANN
https://www.icann.org/resources/board-material/resolutions-2019-05-15-en#1.c
Jeff Bezos finally gets .Amazon after DNS overlord ICANN runs out of excuses to delay decision any further • The Register
https://www.theregister.co.uk/2019/05/21/bezos_finally_gets_amazon/
「.com」や「.net」などのトップレベルドメイン(TLD)は、かつてごく一部の国別コードなどしか認められていませんでしたが、2012年にTLDを管理するICANNが使用可能なドメイン名を大幅に増やしました。
by Jirehg
これを受けて、IT大手各社は「.apple」「.youtube」「.xbox」など、自社の商標や事業に関するドメイン名をこぞって取得しました。この流れの中でAmazonも「.amazon」の取得を計画しましたが、それに待ったをかけたのが、アマゾン川流域の持続可能な開発を目的とした国際機関である「アマゾン協力条約機構(ACTO)」です。
「.amazon」というドメインをめぐるAmazonとACTOの対立は以下の記事を読むと詳細に分かります。
「.amazon」ドメインの利用を巡ってAmazonと南米8カ国が係争中
2012年にこの問題が提議されて以来、AmazonとACTOは、7年以上にもわたりさまざまな協議を重ねてきましたが、これまで合意には至っていませんでした。
そこで、協議を取りなしてきたICANNは、2019年4月にAmazonが提案していた「ドメイン名の合同運営委員会を設置する」「Amazonはアマゾニア地域の主要な文化と遺産に用いられている単語を使用しない」「AmazonはACTOとその加盟国に対し、地域の文化と遺産の活用を促進するため、9つのドメイン名を非営利目的で提供する」などの条件を「適切な注意を払っているものだ」と評価。2019年5月15日に開催された理事会で、Amazonに対し「.amazon」の使用を許可する方針を固めました。
by Daniel Eledut
Amazonによる「.amazon」ドメイン使用は、ICANNによるACTO加盟国に対するパブリックコメントの受付と審査などを経て2019年の夏には正式に認められる予定です。
ICANNは理事会で可決された決議の中で、「7年間という歳月は、各当事者が合理的な意志決定に達するのに十分過ぎるほどの時間でした。今こそ、すべての当事者が継続性と公平性のために前進する時です」と述べ、「.amazon」をめぐり泥沼化していた協議が解決に向かうとの期待感を示しています。
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