たったの「16分」睡眠時間を短縮するだけでも仕事の効率は悪化するという研究結果

By detailblick
「効率的な働き方」を行うことで、同じ作業時間でより多くの仕事量がこなせるようになりたいと考える人は多いはず。しかし、サウスフロリダ大学の助教授で睡眠についての研究を行っているスミ・リーさんは、睡眠時間が16分短縮されただけでも翌日の仕事に影響があることを明らかにしています。
Bidirectional associations of sleep with cognitive interference in employees' work days. - PubMed - NCBI
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30905693
Daily antecedents and consequences of nightly sleep - Lee - 2017 - Journal of Sleep Research - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jsr.12488
Just 16 minutes of sleep loss can harm work concentration the next day
https://theconversation.com/just-16-minutes-of-sleep-loss-can-harm-work-concentration-the-next-day-115278
睡眠についての研究を行っているリーさんは、「仕事を妨げるような思考(認知的干渉)」と「睡眠」の関係性を調べための実験を行いました。実験では、アメリカのIT企業に勤める中年の会社員130人を対象に、8日間にわたって「睡眠時間」と「仕事にどれだけ集中できているか」についてのアンケート調査が行われました。アンケートは「どれくらいの頻度で突発的に考えを思いつきましたか?」などの9つの質問に対して、5段階評価で回答してもらうというもので、評価の点数が高いほど認知的干渉の頻度が高い、つまり「仕事に集中できていなかった」ということを表しています。
実験の結果、通常よりも短く、質の悪い睡眠をとった日は、アンケートの点数が高くなる、つまり被験者は仕事に集中できなかったことが明らかになったそうです。すべての結果を集計したところ、睡眠時間を16分短縮すると、アンケートの点数が1ポイント上昇することがわかったとのこと。

By romankosolapov
また、アンケート結果を分析したところ、平日に比べて休日は睡眠時間と認知的干渉の関連性が低くなっていることも判明しています。この結果について、リーさんは休日は認知的干渉を実感できるような機会がなく、睡眠時間も確保できることが原因だと考えているそうです。
一方で、リーさんは睡眠の研究に対して、「得られた結果は経験的な証拠であり、睡眠と認知機能の関連性についての研究はまだ十分ではありません」と語っています。

By Grigory_bruev
また、リーさんが2016年にもIT企業に務める会社員に対して、睡眠の質とストレスやプライベートでの活動の関係性を調べる調査を行っています。実験の対象となった会社員はいずれもITの専門家で、長時間労働の傾向があり、仕事と私生活の間の境界線が薄い人でした。調査によると、睡眠は意思決定や集中力など、仕事の遂行能力に影響を与えうるという結果が得られたとのこと。
リーさんは「良い睡眠は仕事の生産性を上昇させ、ストレスの職場にしてくれます。睡眠を優先するには、勤務時間外の電話やメール、早朝の会議などを最小限に抑える文化を会社側が作ることと、従業員も睡眠前には電話やメールを忘れて、定期的な運動を行い、リラックスして7時間の睡眠をとることが大事です」とコメントしています。
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