MicrosoftがWindowsに完全なLinuxカーネルを組み込む予定を明らかに

Windows 10やWindows Serverには、Linux向けのファイルを実行するための互換レイヤーであるWindows Subsystem for Linux(WSL)が搭載されています。Microsoftは、このWSLが常にLinuxの最新バージョンをサポートできるようにするために、WSLの次期バージョンであるWSL2へWindows 10用に構築された完全なLinuxカーネルを組み込むつもりだと公式ブログで発表しました。

Shipping a Linux Kernel with Windows | Windows Command Line Tools For Developers
https://devblogs.microsoft.com/commandline/shipping-a-linux-kernel-with-windows/

Microsoft is going to ship a full Linux kernel in Windows 10 - The Verge
https://www.theverge.com/2019/5/6/18534687/microsoft-windows-10-linux-kernel-feature

これまでユーザーがLinux互換機能であるWSLを機能させるためには、Linuxのディストリビューションを導入する必要がありました。例えば、2018年9月にはWSLに最適化したLinuxディストリビューション「WLinux」がリリースされています。しかし、WSL2にLinuxカーネルが組み込まれれば、ユーザーはLinuxのうちのユーザー空間に対応する部分だけを導入すればOKとなります。

Windows 10での実行に最適化されたLinuxディストリビューション「WLinux」が登場 - GIGAZINE

WSLカーネルはMicrosoftのCI/CDシステムを使って構築されたもので、MicrosoftのプログラムマネージャーであるJack Hammons氏は公式ブログの中で「WSLカーネル自体は、Linuxの最新の長期安定版リリースであるバージョン4.19をベースにしています。WSLカーネルに最新のLinuxの長所を常に反映するために、最新の長期安定版リリースに応じてリベースされます」と述べました。また、WSLカーネルのセキュリティ修正やパッチの適用はWindows Updateを介して行われる予定だそうです。

導入されるカーネルは完全にオープンソースで、Windows Insider BuildでWSL2がリリースされると共に、ソースコードがGitHubに公開される予定だとのこと。そのため、ユーザーは自分でカスタマイズしたWSLカーネルを作成することも可能になるそうです。