リサイクルが容易な新しいプラスチックを研究者が開発
by JOSHUA COLEMAN
プラスチックは、リサイクルすると不純物が残ったりポリマー(重合体)の特性が劣化したりします。こうした問題を改善するため、研究者が新たにリサイクルが容易な「次世代プラスチック」を開発しました。
Closed-loop recycling of plastics enabled by dynamic covalent diketoenamine bonds | Nature Chemistry
https://www.nature.com/articles/s41557-019-0249-2
New type of plastic is a recycling dream | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2019/04/new-type-of-plastic-is-a-recycling-dream/
プラスチックはモノマー(単量体)が重合した繰り返し構造のポリマー(重合体)で、リサイクルすると不純物が残ったりポリマーとしての特性が劣化したりして、リサイクル前よりも品質が落ちてしまいます。一方、可逆重合でプラスチックを作れば、モノマーを回収できるのでリサイクルが促進されるはずですが、モノマーの回収はエネルギーもお金もかかります。
ローレンス・バークレー国立研究所のピーター・R・クリステンセン教授らが開発した次世代プラスチックは、動的共有ジケトンアミン結合によって重合しています。このポリマー(ジケトンアミン)は広域なトリケトンと芳香族アミンか脂肪族アミンから生み出されるもので、副産物は水のみ。
そして、リサイクル時にはプラスチックを従来のように高温で溶かすのではなく、強酸で溶かすことによって、モノマーを添加物の中から回収可能。モノマーの性能は元通りで、同じポリマーに再加工することができます。また、この特性の差によって「複数のプラスチックが混ざっていても、強酸で次世代プラスチックだけ溶かして回収する」ということも可能です。
リサイクルは、不要となったものを資源として再利用することができてこそ。リサイクルしやすさのためにも、次世代プラスチックの普及が待たれます。
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