「Googleは長年にわたってパートナーだったFirefoxを妨害してきた」とMozilla元幹部が主張
by Eduardo Dutra
Googleが開発するウェブブラウザのChromeと、Mozillaが開発するFirefoxは、互いにブラウザのシェアを奪い合うライバルです。Mozillaの元幹部であるJohnathan Nightingale氏が、「Googleは長年にわたってFirefoxユーザーにだけ表示されるバグを故意に作り、シェアを奪い合うFirefoxを妨害してきた」と発言して話題を呼んでいます。
Former Mozilla exec: Google has sabotaged Firefox for years | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/former-mozilla-exec-google-has-sabotaged-firefox-for-years/
FirefoxとChromeはウェブブラウザ市場のシェアを競う相手である一方、2004年から2014年までMozillaはGoogleと検索パートナーシップ契約を交わしており、Firefoxのデフォルト検索エンジンとしてGoogle検索が利用されてきたという歴史もあります。Mozillaとは契約相手としての関係を築いていたはずのGoogleですが、Nightingale氏は「GoogleがFirefoxの妨害を行っていた」と述べています。
Nightingale氏は2007年にMozillaへ参加し、Firefoxグループのゼネラルマネージャー兼副社長を務めていた人物。当時はChromeが存在しておらず、自分が話したGoogle内部の人々の多くはFirefoxのファンたったとのこと。
When I started at Mozilla in 2007 there was no Google Chrome and most folks we spoke with inside were Firefox fans. They were building an empire on the web, we were building the web itself.
— Johnathan Nightingale (@johnath) 2019年4月13日
GoogleがChromeを開発してウェブブラウザ市場を競い合うことになった後も、個人の開発者レベルでは「GoogleもMozillaも同じ側に立っており、目指すものは同じだ」という意識があったとNightingale氏は述べています。GoogleとMozillaは自身のウェブブラウザを改良するため、相手のブラウザを見て多くのことを学んでいたそうです。
ところが、個人のGoogle従業員とGoogle本体の意識は違っていたとNightingale氏は述べています。「Chromeの広告がFirefoxの検索結果の横に表示されるようになり、Firefox上でGmailやGoogleドキュメントのパフォーマンスに問題が出たり、バグが発生したりするようになりました。Googleサービスのデモサイトでは、『Firefoxには互換性がない』という誤った表示がされるようになりました」とNightingale氏は主張しました。
But Google as a whole is very different than individual googlers. Google Chrome ads started appearing next to Firefox search terms. gmail & gdocs started to experience selective performance issues and bugs on Firefox. Demo sites would falsely block Firefox as “incompatible.”
— Johnathan Nightingale (@johnath) 2019年4月13日
競争相手であればこのような相手を蹴落とすような行為も正当化されるかもしれませんが、当時のMozillaはGoogleと検索パートナーシップ契約を結んでいる仲間でした。そこでMozilla側がGoogleに指摘を行うと、Googleは毎回決まって「おっと、何か間違いがあったようだ。次の2週間で修正するよ」と答えたそうです。
All of this is stuff you’re allowed to do to compete, of course. But we were still a search partner, so we’d say “hey what gives?”
— Johnathan Nightingale (@johnath) 2019年4月13日
And every time, they’d say, “oops. That was accidental. We’ll fix it in the next push in 2 weeks.”
しかし、これと同様にFirefoxの評判を落とすような事態が繰り返し発生し、そのたびにGoogleは「故意ではない」と回答してきたとのこと。Nightingale氏は「偶然で説明できることを悪意に結びつけるべきではない」と考えていますが、Googleが何度も同じ間違いを繰り返すほど無能ではないと思っており、Googleが故意に契約更新中の取引先であったFirefoxを妨害していたと主張しています。Firefoxがブラウザの性能を向上させても、多くのネットユーザーが利用するGoogle関連サービスの動作に問題が出てしまい、ユーザーが離れる結果になってしまったとNightingale氏は考えているそうです。
Googleが競合ウェブブラウザを蹴落とすための妨害を行っているという指摘を行ったのは、Nightingale氏が初めてではありません。2018年12月には、「YouTubeのムービーに隠された空のdivが挿入されていて、他ブラウザのハードウェアアクセラレーションを無効にしている」と開発者が告発しています。
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in ネットサービス, Posted by log1h_ik
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