肌にいいこと/悪いことに関する7つの真実と都市伝説

by Min An

健康できれいな肌を保つためにさまざまなスキンケア製品が登場しており、「肌にいい」「肌に悪い」という方法や知識はメディアで話題になりやすいもの。しかし、多くの人が信じる「肌にいいこと」「悪いこと」の中には都市伝説も存在する、ということで、スコットランド、ダンディー大学で分子・遺伝皮膚科学の教授を務めるSara Brown氏が肌に関する7つの事実＆都市伝説を説明しています。

Seven myths and truths about healthy skin
https://theconversation.com/seven-myths-and-truths-about-healthy-skin-111706

◆1：肌は常に更新されている

by Comfreak

＝真実
皮膚は外の世界と人間の内側の環境を隔てるバリアの役割を果たします。表皮に含まれるケラチノサイト(角化細胞)は分裂して新しいケラチノサイトを作り出し、各層に送られていきますが、一方で絶えず肌から剥がれてもいます。皮膚は分裂して自らを更新してく能力が高いことから、幹細胞のソースでもあるとのこと。

◆2：1日2リットルの水を飲むことは肌にいい

by congerdesign

＝都市伝説
水を飲む量は直接的に肌に影響を与えるものではありません。

肌の水分を保つため、そして肌がくすんできたり、弾性を失ってきたりというような深刻な水分不足の状態にあるときには、もちろん水が必要です。一方、健康な人は腎臓・心臓・血管などが肌に届く水分量を調整していますが、「必要な水分量」は決まっていません。「どれくらい水分が必要なのか」ということは、その人が使う、あるいは失う水分量によりけりです。

◆3：ストレスは肌に悪い

by Kjerstin_Michaela

＝真実
これまでに行われた科学研究で、コルチゾールといったストレスホルモンを介して肌がストレスの影響を受けることが示されています。体内の免疫系が毛包を攻撃し脱毛が起こる「円形脱毛症」や、皮膚の炎症や鱗屑が起こる自己免疫疾患「乾癬」、そして皮膚炎といった症状がその一例です。

◆4：チョコレートを食べるとニキビができる

by Taylor Kiser

＝都市伝説
「尋常性ざ瘡」、つまりニキビは10代の若者だけでなく30代、40代になっても発生するもの。ニキビは脂腺に対するホルモンの影響と、毛穴や微生物に対する免疫反応とが合わさった結果として発生します。

高脂肪の食事はさまざまな理由から健康に悪影響を及ぼすといわれていますが、直接ニキビの原因となるものではありません。日本では未承認医薬品となっていますが、ニキビの治療薬に含まれるイソトレチノインという物質は、脂肪分の多い食事と共に摂取されると吸収率が上がることでも知られています。

◆5：粉末洗剤は湿疹の原因になる

by jill111

＝都市伝説
肌が乾燥し赤みを帯びてかゆくなるという湿疹は、遺伝的要因と環境要因が合わさることで発生すると考えられています。洗剤や石けんは肌を刺激し、皮膚から脂を取り除くことで乾燥状態を生み出します。特に汚れや脂を分解する酵素を含む石けんは繊細な肌を刺激し、湿疹を悪化させる原因になりえるとのこと。ただし、重要なのは、「粉末洗剤」だけでなく、どんな種類の洗剤もしっかり洗い流さなければ刺激になりうるということです。

◆6:爪の白い印＝カルシウム欠乏

by Keitei~commonswiki

＝都市伝説
爪は、爪の付け根にある爪母という組織で作られます。爪母が衝撃を受けたりかまれたりすると、発達途中の爪が変則的になり、空気が爪に閉じ込められることもあります。これが爪に現れる白い印の原因となるとのこと。健康的な爪が作られるためにカルシウムは重要ですが、白い印がカルシウム欠乏のサインであるわけではないそうです。

◆7：太陽の光は肌にいい

by Hans

＝真実であり都市伝説でもある
晴れの日に気分がよくなる人は多いはずですが、太陽光には問題もあります。直射日光はさまざまな周波数の光を含み、紫外線が含まれるというのは有名です。

光の周波数の違いによって、肌が受ける影響はさまざま。紫外線B波は人体にとって重要なビタミンDの生成に使われます。日光を浴びることによるビタミンD生成ができない人は、食事からビタミンDを摂取する必要があります。また、紫外線A波と紫外線B波を慎重にコントロールすることで皮膚の炎症を軽減する方法も存在するそうです。

しかし、紫外線にさらされすぎてしまうと、肌細胞のDNAが損傷を負い、がんを引き起こすことも。免疫系に対する治療を行っていない限り、ほどほどの太陽光を浴びることは有益ですが、浴びすぎには注意する必要があるわけです。