ハードウェア

女子学生がロボットを使って冬休みの宿題をこなしたと話題に

by sean Kong

女子高生が長期休暇中の山のような宿題をこなすために、ロボットを使用していたことが発覚し、学生の代わりに宿題をこなしてくれるロボットにソーシャルメディア上で注目が集まっています。

Chinese schoolgirl shamed for using robot to write homework. Now everybody wants one | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/china/society/article/2186780/chinese-schoolgirl-shamed-using-robot-write-homework-now

2019年2月の第3週、中国の地元メディアであるQianjiang Evening Newsが、ハルビン市で暮らす15歳の女子高生チャンさんが、ロボットを使って旧正月の長期休暇に出された宿題をこなしていたと報じました。旧正月のイベントや旅行により課題をこなす時間がほとんどなかったにもかかわらず、チャンさんはわずか2日間で教科書を書き写す宿題を完了しており、ロボットがいかに高速に宿題をこなしてくれたかがわかります。

チャンさんがロボットを使って宿題をこなしていたことは、母親がチャンさんの部屋を掃除した際に発覚しました。チャンさんの部屋には金属製のフレームにペンがついた謎のロボットが置いてあったそうで、そこから宿題をロボットに行わせていたことが発覚したそうです。なお、ロボットはあらゆる種類の手書き文字を模倣することができるという優れもので、チャンさんの文字を模倣することで「ロボットが宿題をこなした」と思わせないようにしていたそうです。

以下の写真はチャンさんの部屋で見つかったロボットと同じように、手書き風の文字を書き写すことができるというロボット


チャンさんはお年玉を使ってオンライン上で800元(約1万3000円)ほどのロボットを購入していたことが判明しており、チャンさんの母親はロボットが宿題をコピーする様子を見たあと、これに激怒してロボットを壊してしまったそうです。母親はチャンさんに「ロボットは宿題を手助けすることはできるけど、テストであなたの手助けをすることはできる?」と語ったとのこと。

中国では教科書の内容や詩などを一言一句同じまま書き写すような宿題を出されるケースが多くあります。そのため、チャンさんのように教科書やエッセイの内容をそのまま書き写すロボットを使い、宿題にかかる膨大な時間を短縮しようと学生が出てきてもなんら不思議はありません。

チャンさんの使用したロボットは、1度手書きの文字を入力するとそれを学習して手書き文字風の書体で文字を書き写してくれるというものだったそうです。


この報道に対するソーシャルメディア上での反応は、宿題を代わりにこなしてくれる夢のようなロボットへの賛辞ばかりだったそうで、「俺の若い頃にそんなロボットがあれば……」という人もいれば、「同時に複数の単語が書けるように3~4本のペンを追加しよう」と改良案を提案する人までいたそうです。

なお、実際のロボットは1度に数時間稼働することができるため、旧正月の休みでチャンさんが忙しくしている合間に一気に宿題を書き写してしまった模様。


South China Morning Postが中国のECサイト淘宝網上で同様のコピーロボットが存在しないか検索したところ、200元(約3300円)から1000元(約1万6000円)ほどで、チャンさんが使用したのと同じようなロボットを複数見つけることができたそうです。また、LichTechというロボット専門店では、ロボットがどのように機能するかを説明するムービーも一緒に公開されていたそうです。

South China Morning Postによると、淘宝網上で販売されているコピーロボットは、USBケーブルでコンピューターと接続し、付属のソフトウェアを使って入力されたテキストを書き写すそうです。さまざまなフォントが使用できるだけでなく、ロボットに手書き文字を学習させることも可能となっています。


LichTechで働く従業員のワンさんは、3年間営業してきた中でここ最近は特にコピーロボットへの問い合わせが多くなってきていることを明かしています。加えて、「ロボットは1日8時間文字を書くことが可能で、2、3年使い続けることができます」とも語っています。

South China Morning Postの調査によると、インスタントメッセンジャーサービス「テンセントQQ」のLichTechアカウント上にあるチャットグループには、なんと800人以上のメンバーが参加しており、その大部分がチャンさんの報道を受けて「自動で宿題を行ってくれるロボット」に興味を持った人々だったそうです。

なお、学生だけがコピーロボットを使っているわけではありません。教師として働いているという匿名の女性は、授業に使うプリントなどのためにチャンさん同様にコピーロボットを使用しているそうです。この女性によると自分の手書き風文字をロボットに覚えさせるために、6000文字もの漢字をソフトウェアに学習させたそうで、文字の入力だけで1週間もの時間が必要となったことを明かしています。さらに、女性は1年以上もコピーロボットを使っているそうですが、誰も自分の手書き文字ではないことに気づいていない、と明かしています。

ロボットを使って楽して宿題をこなそうとする学生や、そのようなロボットを販売する企業に対する批判もありますが、中には「教育者はこの問題について熟考すべきです。なぜロボットでもこなせるような宿題を学生たちはやらなければいけないのでしょう?」と、生徒を退屈させるような宿題を出すのではなく、やりがいのある創造的な宿題を課せるように教育現場が変わるべきという声も多くありました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
約1800年前の古代エジプトの学生も宿題に追われていた - GIGAZINE

どうすれば教師は悪夢ともいえる大量の宿題をモチベーションを高く保ったまま学生に処理させられるのか - GIGAZINE

家にPCや高速インターネットがないために宿題ができない子どもの「宿題格差」が大きくなっている - GIGAZINE

子どもに宿題をさせると悪影響しかないことが明らかに - GIGAZINE

早く終わらせる予定なのにうまくいかない「夏休みの宿題」の実態が明らかに - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.