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トランプ大統領がこの世に存在しない「6G」を要求していると話題に


トランプ大統領がまだ存在しない「6G」ネットワークを「可能な限り早く」実現することを望んでいる、とTwitterに投稿しました。「一体6Gとは何だ?」ということで話題となっています。

Trump demands quick rollout of “6G” wireless tech, which doesn’t exist | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2019/02/trump-demands-quick-rollout-of-6g-wireless-tech-which-doesnt-exist/


Trump says he wants ‘5G, and even 6G’ wireless tech. But what is 6G? - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2019/02/21/trump-says-he-wants-g-even-g-wireless-tech-what-is-g/

トランプ大統領のつぶやきは以下の通り。

「私は5G、そして6G技術でさえも、可能な限り早くアメリカで実現されることを望んでいる。これは既存の標準よりもパワフルで速く、高性能なものだ。アメリカ企業は努力を重ねるか、取り残されるかだ。私たちが……」


「明白な未来から遅れを取るべき理由はない。現在ある発達した技術をブロックしないことで、アメリカには競争に勝って欲しい。私たちはやること全てでリーダーにならねばならない。わくわくするようなテクノロジーの世界では特に!」


この発言については「これがアメリカだ。私たちは20Gに向かってスキップ・ストレートで進む必要がある」「これが高齢者が技術について決定を下すべきではない理由だ」といったコメントのほか、「彼に5Gについて説明するよう求めた記者に10ドル(約1100円)をあげる」といった突っ込みも行われています。

海外メディアのArs Technicaはトランプ大統領の発言について「5Gの展開は既にキャリアがいくつかの都市でネットワークの準備を始めており、トランプ大統領の発言は影響を及ぼさないだろう。6Gについても、新しい世代の無線が展開するには何年もかかり、6Gの計画はせいぜい初期段階であることから、やはり影響を及ぼさないだろう」とコメント。


一方でワシントン・ポストは「6Gは理論上の概念として存在しているものであり、現実世界での展開ははるか遠くにあります」とした上で、2018年9月に行われた(PDFファイル)無線産業会議で連邦通信委員会のJessica Rosenworcel氏が「第6世代の無線サービスはテラヘルツの周波数と空間多重方式を持つものになるでしょう」と語り、6Gは5Gで約束されている速度の1000倍の速度でのダウンロードをサポートする可能性があることを示唆しました。ただし、6Gがどのようなものになるのかを研究する国際電気通信連合は、このネットワークを「Network 2030」と名付けており、その名前から実現には多くの課題が存在することが読み取れます。加えて、2018年8月にはHuaweiのチーフサイエンティストとNetwork 2030の代表が「6Gはまだ定義されていない」と語っています。

一方、実現が目前に迫っている5Gについて、誇大広告が行われていることも問題となっています。Verizonは家庭用の5Gネットワークを提供していますが、これは世界標準ではなくVerizonの独自規格です。またAT&Tは4G LTEネットワークの大部分を5Gとして売り出すことで消費者を誤解させたとして非難されています。企業の中には10Gbpsを略して「10G」と表記するマーケティング戦略をとるところもあるとのこと。

by JohnsonGoh

さらに、連邦通信委員会が5Gの誇大広告を使って規制緩和を正当化しようとしているという指摘も。連邦通信委任会の議長であるAjit Pai氏は、スモールセルを配備する無線キャリアに対して市や町が20億ドル(約2200億円)を請求することを防ぐための投票を行いました。また、連邦通信委員会は市や町がキャリアに対して求めることができるはずの景観保護についても制限を行っています。しかし、上記のような規制緩和によるコスト削減はVerizonによって大きな影響をもたらすものではなく、「規制緩和によって5G展開の速度は速まらない」とVerizonはコメントし、すでに行えうる最速で準備を行っていると述べています

Verizonのコメントにも関わらず、連邦通信委員会は「4Gから5Gへの移行を後押しするためにも規制緩和は必要」だとしています。このような状況下で、トランプ大統領のツイートは、既に採用されている誇大広告の5Gテクノロジーの採用促進を装った、規制緩和に利用される可能性があるとArs Technicaは指摘しました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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