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宇宙旅行者向け弾道飛行スペースプレーンがついに宇宙到達に成功、SpaceXなどに先行


ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長が設立した宇宙旅行ビジネス企業であるVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)が開発した宇宙旅行者向けの弾道飛行スペースプレーンであるSpaceShipTwoが、ついに宇宙空間到達に成功したと発表されました。

Branson's Virgin Galactic reaches edge of space - BBC News
https://www.bbc.com/news/business-46550862

アメリカ空軍は高度80kmから先を宇宙空間と定義しているのですが、Virgin Galacticが開発した宇宙旅行者向けのSpaceShipTwoが、高度82.7kmにまで到達したことが発表されました。SpaceShipTwoが飛行テストを行ったのは今回が4度目のことで、これまでは宇宙空間に到達することができておらず、Virgin Galacticの宇宙旅行計画はスタート当初よりも勢いが鈍っていました。


2014年に起きたプレーンの墜落など、さまざまな困難に直面してきたVirgin Galacticによるスペースプレーンの開発ですが、2018年12月13日(木)にアメリカ・カリフォルニア州モハベ砂漠から離陸したSpaceShipTwoは、80kmを超える高度にまで到達することに成功しています。

SpaceShipTwoが高度80kmを超えた段階で、Virgin Galacticは「SpaceShipTwo、ようこそ宇宙へ」とツイート。同時にSpaceShipTwoの飛行の様子を映像で公開しています。SpaceShipTwoはNASAの研究実験と同様に、2人のパイロットとAnnieと呼ばれるマネキンを乗せて飛行テストに臨んでいます。


弾道飛行中のSpaceShipTwoから地球を見るとこんな感じ。地球がかなり近く感じられます。


SpaceShipTwoが……


旅客機部分をパージ


しばらくするとブースターが起動。


最高速度は音速の2.9倍を記録したとのこと。


さらに別アングルから。


そんなこんなで宇宙へ到達し、地上へ帰ってきたSpaceShipTwo。


ただし、国際航空連盟は海抜高度100kmのカーマン・ラインを超えた先が宇宙空間であると定義しており、SpaceShipTwoはこのカーマン・ラインを超える高度に到達することはできませんでした。

それでもVirgin Galacticのリチャード・ブランソン会長は、自身のTwitterアカウント上でSpaceShipTwoの宇宙到達を祝っています。


今回のSpaceShipTwoの飛行テストにより、Virgin Galacticはイーロン・マスク氏のSpaceXやジェフ・ベゾス氏のBlue Originといった宇宙開発企業に対して宇宙旅行者向けスペースプレーン分野で先行することに成功。なお、Virgin Galacticは2004年にSpaceXやBlue Originよりも遅れて起業されましたが、民間向けの宇宙旅行分野では一歩先へ進んでいることを示したということになります。

Virgin Galacticが民間向けに弾道飛行での宇宙旅行サービスを提供すると発表したのが2008年のこと。当時は「18カ月以内」にサービスをスタートさせると発表していました。それから約10年が経過したわけですが、SpaceShipTwoのフライトテストの成功は、弾道飛行での宇宙旅行が間もなく実現することを感じさせるニュースであるといえます。

なお、Virgin Galacticは90分間の弾道飛行での宇宙旅行の値段を25万ドル(約2800万円)に設定しており、既に600人以上がこのフライトを予約しているとのことです。

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in 乗り物,   動画, Posted by logu_ii

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