アート

セクシーな腰つきで踊る「ストリッパーロボット」を作った男性がロボットで本当に表現したかったこととは?


舞台に立てられた1本のポールに絡みつくように腰をくねらせ、セクシーな動きで人の目を魅了するストリッパーロボットが2014年頃に人々の関心を集めました。ロボットとは思えない程の艶やか(あでやか)さを見せるロボットでしたが、製作者であるジャイルズ・ウォーカーさんにとって本当の「テーマ」はもっと別のところにあるようです。

This artist built a stripper robot 10 years ago. Now his creation's gone beyond his control.
https://mashable.com/article/robot-stripper-giles-walker/

ウォーカーさん(左)が製作したストリッパーロボットは、グラマラスなボディの頭部に監視カメラが取り付けられた、少しギョッとするスタイルのロボット。


サイバーパンクな雰囲気が漂うロボットですが、胸がはだけた状態で腰をくねらせる様子は実にセクシーなものを感じさせます。


実際にこのロボットが動いている様子は、以下のムービーで確認できます。

We Met the Man Behind the Viral Stripper Robots - Cool Quotient - YouTube


このロボットは2014年頃に人々の注目を集めました。アメリカの家電見本市「CES」や、ドイツの「CeBIT 2014」などで展示されて多くの人の目に触れたストリッパーロボットは、1体3万ユーロ(約420万円)で購入することも可能だったとのこと。

セクシーな腰つきの「ポールダンスロボット」は1体420万円で購入も可能 - GIGAZINE


「ストリッパーロボット」の製作者としての注目を集めてしまったウォーカーさんでしたが、本来のテーマは「人々の社会に物凄いスピードで浸透し、そして捨てられていく技術」だったそうです。ウォーカーさんが活動するロンドンでは街の至る所に監視カメラが取り付けられ、人々の生活の多くの部分がカメラによって監視される状態になりました。「そんな状態が、俺に『誰が監視して、誰が監視されるのか』という『覗き見社会』というものについて考えさせるようになった」とウォーカーさんは振り返っています。


そんな社会を表現するものとして製作された作品の一つが、頭部に監視カメラをのせたストリッパーロボットだったとのこと。これまでウォーカーさんが作ってきたロボットは100体を超えていますが、そのいずれもが頭部にカメラや車など普通は有り得ないオブジェがのせられています。かつて、人の顔をリアルに再現したオブジェを採用したこともあるそうですが、やはりしょせんは「作り物」であり、そのような「ニセモノ」をのせることで作品そのものがまるでオバケのような状態になってしまった、とのこと。ウォーカーさんはそこで、あえて人間とは全く異なる形態で製作することで、作品の世界観をうまく表現することに成功したそうです。


そんなウォーカーさんの代表作といえるのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」をロボットで表現した以下の作品。ロボットが繰り広げる、不気味でありながらどこか「はかない」美しさや哀しみのようなものを感じさせてくれる世界観からは、この作品を作っている時に母親を亡くしたウォーカーさんの心情や表現したかったテーマが伝わってくるようです。

Giles Walker's LAST SUPPER - YouTube

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in ハードウェア,   動画,   アート, Posted by darkhorse_log

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