弁護士よりもAIの方が秘密保持契約書(NDA)の処理を素早く正確に行える
契約書の自動チェックサービスを提供しているLawGeexが、AIと弁護士20人に「5通の秘密保持契約書(NDA)を処理させその精度を調べる」という調査を実施。AIの方が素早く優秀だったという結果が発表されています。
AI vs Lawyers: The Ultimate Showdown | LawGeex
https://www.lawgeex.com/AIvsLawyer/
「弁護士」といってもピンからキリまでいるので、LawGeexが有利になるように弁護士を選んだのでは?という疑問を持つのは当然のところですが、決して「実務経験のない新米弁護士」などは含まれておらず、ゴールドマンサックスやシスコなどの大手企業での勤務経験があるような人など、それなりの経験がある人が選ばれています。
テストに用いられる5通のNDAはかなり一般的な内容のもので、含まれる法的問題は30点。枚数はA4用紙で11ページ分あり、段落数は153、条項の数は3213に上ります。弁護士20人には4時間の制限時間の中で、処理を行ってもらったとのこと。
結果、正確性という点ではAIが94%、弁護士20人の平均が85%で、AIが勝利。
AIは能力の高い弁護士と同等の力を見せたとのこと。
処理速度では、弁護士20人の平均が「92分」だったのに対して、AIはわずかに26秒で、圧勝。最も短時間で処理できた弁護士でも51分かかっていました。
研究の方法論については、スタンフォード大学とデューク大学の法学者がそれぞれ綿密に調査。テストのチェックは無所属のベテラン弁護士クリストファー・レイ氏が担当し、結果がランダムな機会の産物である可能性は「0.7%未満」であることが示されています。
今回の結果が「弁護士の仕事はAIに取って代わることが可能」ということを示すものではないものの、弁護士が日常的に行う業務である契約書のチェックをAIによって効率化できる可能性は高いと考えられます。
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