iPhone XS世代に搭載の「A12 Bionic」チップはMacBookを駆動できるほどのパワーがあることが判明

2018年発売のiPhone XS/XS MaxおよびiPhone XRに搭載されるA12 Bionicチップの性能を詳細に調査したところ、実はそれ単体でMacBookを駆動できるほどの性能が秘められていることが明らかになってきています。

The iPhone XS processor is so powerful that it could pave the way for an ARM MacBook – BGR
https://bgr.com/2018/10/10/iphone-xs-speed-vs-android-a12-bionic-chip-could-power-macbooks/

The iPhone XS & XS Max Review: Unveiling the Silicon Secrets
https://www.anandtech.com/show/13392/the-iphone-xs-xs-max-review-unveiling-the-silicon-secrets

モバイル関連機器などのニュースを扱うBGRのクリス・スミス氏の関心を引いたのが以下のツイート。

iPhone XS Max搭載のA12 Bionicチップと、MacBook Pro13インチモデルに搭載のIntel Core i5の性能を比較して「iPhone XS Max 512GBモデルは決して高すぎない」ということを示すための表だったのですが、ベンチマークスコアでiPhone XS MaxはMacBook Proにあまり遜色ない結果を出していることから、「実はA12 Bionicチップはかなりの性能を秘めているのでは」と考えたそうです。

そんな中、Redditに投稿されたより詳細なスペック比較により、A12 Bionicチップの性能はスマートフォンを超えてノートPCの領域に足を突っ込んでいることが明らかになってきています。

Apple really undersold the A12 CPU. It's almost caught up to desktop chips at this point. Here's a breakdown [OC]: : apple
https://www.reddit.com/r/apple/comments/9midcx/apple_really_undersold_the_a12_cpu_its_almost/

「WinterCharm」というRedditユーザーが投稿した以下の表は、A12 BionicチップをPC向けCPUの「Intel Xeon 8176」「Intel Core i7-6700k」「AMD EPYC 7601」の3モデルと比較したもの。Spec2006データベースのデータを集めて比較したところ、サーバーおよびPC向けCPUとそれほど解離しない性能を持つということが浮き彫りになってきました。WinterCharmは比較の結論として「ここでわかった最大の結論は、AppleのA12 Bionicチップは低クロック・低電力消費でありながら比較対象になったチップのSpec2006のデータに匹敵あるいはそれを超越していることだ」と述べています。

WinterCharmはまた、1サイクルごとの命令数が多いことや他のチップに比べてキャッシュ容量が大きいという特徴を挙げ、A12 Bionicチップはx86系のサーバー/デスクトップ向けCPUにほぼ匹敵する性能を持っているという結論を述べています。また、他のモバイル向けプロセッサで同等の性能を持つものは存在していません

この状況は、「AppleはARM製プロセッサで動作するMacBookを開発している」という噂とも関連するとも見られており、Intelに依存しているプロセッサの供給状況に変化が訪れる可能性が指摘されています。