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サイエンス

科学者が人工的に「火星の土」を作成して1キロ2000円で販売


火星探査機などから得られた最新のデータを基に火星の土壌をソックリそのまま再現した模造土「Mars Global Simulant(MGS-1)」が科学者によって作られ、今後販売されることになりました。既にNASAがこの土を発注しており、今後の火星探査に向けた研究に用いられることになっています。

Mars global simulant MGS-1: A Rocknest-based open standard for basaltic martian regolith simulants - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0019103518303038?via%3Dihub

UCF Selling Experimental Martian Dirt — $20 a Kilogram, Plus Shipping - University of Central Florida News | UCF Today
https://today.ucf.edu/ucf-experimental-martian-dirt/

Scientists make artificial Martian dirt, will sell it to you for $20
https://mashable.com/article/mars-artificial-dirt-simulant-space/

人工の火星の土を開発したのは、アメリカのフロリダ州にあるセントラルフロリダ大学(UCF)の宇宙物理学者チームです。「これはフェイクニュースではありません」という一言が盛り込まれたUCFのプレスリリースによると、科学者チームは科学的根拠に基づいて、火星の土を模したMGS-1を作成する標準化された手法を確立したとのこと。

MGS-1の使い道は、火星と同じ状況を再現した土壌を使うことで火星で作物の栽培が可能かどうかを地球で確認するところにあります。UCFのPlanetary Sciences Group(惑星科学グループ)メンバーであるダン・ブリット博士は、「火星を目指す時、我々には食料や水、その他の物質が必要です。そのソリューションの開発においては、アイデアが実際に機能するかどうかを確認するための方法が必要です」と述べています。

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火星探査機ローバー「キュリオシティ」によって得られた画像(a)と、UCFが作成したMGS-1(b)、ジョンソン宇宙センターが開発した模造土「JSC Mars-1」(c)、そしてMartian Garden社が販売している模造土「Mars Simulant」の比較図。JSC Mars-1とMars Simulantに比べ、MGS-1はより実際の成分に近い組成になるように作られているとのことです。


MGS-1の生産フェーズではまず、斜長石や玄武岩質ガラス、輝石、かんらん石およびマグネタイトなどを混合し(a)、水およびメタケイ酸ナトリウムを混ぜて土をペースト状に練ります(b)。そして最後にペーストを乾燥させて固化させることで(c)、火星の地表と同じような土が作られます。


UCFではこのMGS-1を1kgあたり20ドル(約2300円:送料別)で販売する予定で、既にNASAから注文を受けているとのこと。ブリット博士は「実際に火星に到着してから、地球で考えていた手法が機能しないことがわかる事態に陥りたくはないでしょう。そうなったらどうしますか?次に火星に行けるのは数年先のことです」と語っています。

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in サイエンス, Posted by logx_tm