サイエンス

30億光年の彼方から届く「高速電波バースト」の観測データを機械学習で再分析したところ新たなバーストが見つかる

by Breakthrough Listen / Danielle Futselaar

カリフォルニア大学バークレー校の地球外知的生命体探査(SETI)プロジェクトで、高速電波バースト(FRB)の観測データを新たな機械学習アルゴリズムを用いて再分析したところ、新たに72のバーストが発見されました。

Breakthrough Listen: Machine Learning Enables New Detections of FRB 121102
http://seti.berkeley.edu/frb-machine/


Breakthrough Initiatives
https://breakthroughinitiatives.org/news/22

FRBは遠方の銀河からわずか数ミリ秒だけ電波が放射される現象です。ほとんどは1度しか観測されないのですが、「FRB 121102」と呼ばれる発信源からは2012年の発見以来約300件のバーストが観測されてきました。2017年には、5時間の観測を行ったデータをもとにした分析が行われ、21件のバーストが見つかり、発信源の場所が30億光年の彼方、赤方偏移0.193にある矮銀河内の星形成領域であることが判明しました。

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カリフォルニア大学バークレー校のGerry Zhang氏らは、この発信源特定の際に用いられた400TBのデータセットを、新たな機械学習アルゴリズムを用いて再解析。前回の解析では見落とされていたバーストを72件発見しました。

この結果は、パターン周期が約10ミリ秒より長い場合に、パルスが規則的なパターンでは受信されないということを示唆するものだとのこと。

FRBが地球外生命体の存在の兆候であるかどうかはわからないものの、こうした研究は、我々を取り巻く宇宙の中で「理解できる領域」を急速に広げていっているとのことです。

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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