数々のファンメイド・ポケモンゲームを生み出した「Pokémon Essentials」が任天堂の著作権侵害申し立てにより閉鎖へ
任天堂は自社の知的財産権を強固に保護することで知られていますが、新たにポケットモンスター(ポケモン)のファンゲームを自作するツールやその解説Wikiなどを提供していた「Pokémon Essentials」に対して著作権侵害の警告を発したことが明らかになりました。警告を受けて「Pokémon Essentials」は閉鎖を決定しています。
Nintendo shuts down the tool behind your favorite Pokémon fan games - The Verge
https://www.theverge.com/2018/8/29/17793044/pokemon-essentials-nintendo-takedown-fandom-wiki
世界的な人気を誇るポケモンには、ファンが自作した非公式のゲーム(ファンゲーム)が多数、制作されており、ダウンロードを通じて世界中のポケモンファンにプレイされてきました。その中でも、キャンバスにドラッグアンドドロップでマッピングできるタイルセットや音源などが揃いRPGを簡単に作ることのできるツールRPG Maker XP(RPGツクールXP)のゲームキットや情報を発信してきた「Pokémon Essentials」は、ポケモンを愛する世界中のクリエイターから支持されており、Pokémon Essentialsから「Pokémon Uranium」などの人気ファンゲームが生み出され、多くのポケモンゲームファンにプレイされてきました。
Pokemon Uranium Part 1 LET'S GO! ( Pokemon Fan Game )Walkthrough Gameplay - YouTube
そのPokémon Essentialsのゲームキット、Wiki、チュートリアルなどが閉鎖され利用できない状態になりました。
Pokémon Essentialsの最後の所有者で開発者でもあるMaruno氏は「任天堂の弁護士からの著作権侵害の申し立てを受けて、Pokémon EssentialsのダウンロードページとWikiはすべて削除されました」と述べ、Pokémon Essentials閉鎖の理由が任天堂からの削除依頼にあったことを明らかにしています。なお、The VergeはPokémon EssentialsのWikiを主宰していたFandom氏から、「任天堂からの著作権侵害の警告を受けて、Pokémon Essentials Wikiの著作権侵害を慎重に評価した結果、Wikiの閉鎖を決定した」ことを確認しています。
ゲーム機の性能が上がり、ゲームの主戦場が2Dから3Dに移行した現在でもなおレトロなゲームを愛するユーザーは少なくなく、Pokémon Essentialsの閉鎖を惜しむ声がファンゲームクリエイターやゲーム愛好家から挙がっています。あるPokémon Essentialsコミュニティのメンバーは、「私たちは、いつかこの日が来ると知っていました。これほど長く続いたのを驚く人もいます。しかし、Wikiやサポートの有無にかかわらず、クリエイターはファンゲームを作り続けようとしています」と話しています。
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