GoogleがAIを使って脳組織をイメージ化する技術を開発
Googleはドイツのマックス・プランク神経生物学研究所の研究者と共同で脳や神経接続の情報を高解像度でイメージ化する技術を開発したと発表しました。
High-precision automated reconstruction of neurons with flood-filling networks | Nature Methods
https://www.nature.com/articles/s41592-018-0049-4
Google AI Blog: Improving Connectomics by an Order of Magnitude
https://ai.googleblog.com/2018/07/improving-connectomics-by-order-of.html
Google researchers create AI that maps the brain’s neurons
https://venturebeat.com/2018/07/16/google-researchers-create-ai-that-maps-the-brains-neurons/
脳や神経接続をイメージ化する研究分野はコネクトミクスと呼ばれています。実際に脳内のシナプス結合の情報や神経接続の情報を高解像度でイメージ化することができれば、健康的な人と問題を抱えている人の違いが一目で明らかとなり、効果的な治療を行うことが可能になると期待されています。
Googleは「この技術は1立方ミリメートルの組織をイメージ化するだけで、1000テラバイト以上ものデータを生成できる」と述べており、「非常に精細なマップ情報を生み出すことが可能になる」としています。
Googleとマックス・プランク神経生物学研究所が発表した技術は、手書き文字の認識や音声認識に使用される機械学習アルゴリズムの1つとして知られる再帰型ニューラルネットワークを使って実現されています。類似の技術として、2018年3月にIntelがマサチューセッツ工科大学と共同でディープラーニングを使用したイメージング技術を発表していますが、Googleは「Intelが発表した技術よりも10倍以上高い精度でイメージ化できる」と述べています。
研究チームはこの技術をTensorFlowで書いたソースコードをGitHubで無償公開しています。使用方法などについては、ドキュメントで確認することが可能です。
また、研究チームはこの技術を使用してキンカチョウのニューロンをイメージ化したデモムービーをYouTubeで公開しており、実際に生成されるイメージがどのようなものかを確認することができます。
Automated Reconstruction of Zebra Finch Area X with Flood-Filling Networks - YouTube
・関連記事
GoogleがAIでタンパク質の結晶を発見するシステムを開発、新薬開発のブレイクスルーに期待 - GIGAZINE
Googleは患者がいつ死ぬかをAIを用いて正確に予測できる - GIGAZINE
AIの進化が止まる気配はなく、6年間で約30万倍以上の学習が可能に - GIGAZINE
人工知能で光学顕微鏡の映像からリアルタイムでガンを検出する技術をGoogleが開発 - GIGAZINE
「複数の音が混ざった音声から特定の1人の声だけを抜き出す技術」をディープラーニングを用いてGoogleが開発 - GIGAZINE
・関連コンテンツ