カヤックで3回も大西洋を横断した驚異的な71歳、7mの高波に襲われても「海を恐れる気持ちはない」
ポーランド人のアレクサンドル・ドバさんは、カヤックで3回もの大西洋横断を成功させた驚異的な人物です。2018年で71歳になってもなおカヤック熱が収まることのないドバさんを特集したムービーが、YouTubeで公開中です。
Traveling the World With a 71-Year Old Kayaker
早朝の海岸で、カヤックを準備する人の姿。
「多くの人は私の旅を無謀だと言うか、心の中でそう思っています」と、男性が語ります。
カヤックをこぐ白髭を生やした男性は、アレクサンドル・ドバさん。年齢はなんと71歳です。
長い距離をカヤックで旅することに情熱を捧げるドバさんは、これまでに3度もの大西洋横断を成し遂げています。
ドバさんの自宅はポーランドの内陸部にある集落、Pogorzelicaにあります。長いカヤックを収納する小屋を持つ自宅から……
車にカヤックを積み、ドバさんは海へと向かうとのこと。
ドバさんの表情には深いしわが刻まれています。
ドバさんが初めてカヤックをこいだのは1980年、34歳の時でした。
それ以来カヤックの魅力にとりつかれたというドバさんは、「やめようと思ってもやめられない」と語ります。
広大な海を前にして、1人の人間がこげる大きさのカヤックはあまりにも小さく見えます。
ドバさんは大西洋横断のため、特製のカヤックを作ったとのこと。
特製カヤックは長さ約7mもあり、夜に寝るための就寝用キャビンも備えています。
ドバさんが最初に行った大西洋横断はセネガルの首都であるダカールを出発し、ブラジルのアカラウへ到着するというもの。99日間にも及ぶカヤックでの旅で、ドバさんは実に5500kmも航海したそうです。
2度目の大西洋横断ではポルトガルのリスボンを出発し、途中で大西洋上のバミューダ諸島を経由した後、最終的にアメリカのフロリダへ到達しました。この旅ではなんと167日間もの間カヤックで航海し、カヤックで移動した総距離は1万2437kmにも及ぶとのこと。
3度目の旅ではアメリカのニュージャージーを出発し、フランスのル・コンケへ到着。110日間の航海で8109kmをカヤックで泳ぎ切りました。
大西洋横断の旅は、ついさっきまで穏やかだった海が次の瞬間には嵐になっているなど、自然の猛威をまざまざと感じるものだったそうです。
3度の旅で60回も熱帯性低気圧に遭遇し、時には7mもの高波に襲われることもありました。
その結果、実に20回以上もドバさんのカヤックは転覆してしまったとのこと。
海上で幾度も過酷な経験をしたにもかかわらず、ドバさんは「海を恐れる気持ちはありません」と述べました。
カヤックに乗っている最中に恐怖を感じている余裕がないということもありますが……
「海に挑戦することで、普通の老人では決してできない経験ができる」という好奇心が、恐怖を上回っているそうです。
カヤックでの旅はドバさんに喜びを与えてくれ……
健康やエネルギーの源にもなっているとドバさんは語りました。
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