CIAがMTGやポケモンカードゲームを参考に開発したエージェント訓練用カードゲームが機密解除され公開中
by Global Panorama
アメリカの中央情報局(CIA)がエージェント育成用に考案したゲーム「Collection Deck」が機密解除され、公開されています。「Collection Deck」は、「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」や「ポケモンカードゲーム」を参考にしながら、政治的・経済的・軍事的な危機に対処するためにどのような情報戦術を採るのかをトレーディングカードゲームで学ぶことができるように設計されているとのことです。
Thanks to FOIA, you can (kinda) play the CIA's collectible card game • MuckRock
https://www.muckrock.com/news/archives/2017/dec/06/cia-card-game/
The CIA uses board games to train officers—and I got to play them | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2017/03/the-cia-uses-board-games-to-train-officers-and-i-got-to-play-them/
「Collection Deck」はCIAのアナリストであるデヴィッド・クロッパー氏によって設計されたカードゲームで、その存在はCIAの機密情報として扱われていました。しかし、政府の情報開示を促す非営利団体・MuckRockによってCIAが開発したゲームの情報公開が要請され、2017年12月にFreedom of Information Act(FOIA:情報開示法)に基づいて機密解除となり、公開されました。
「Collection Deck」は諜報員に求められる能力を訓練するためにデザインされたゲームです。プレイヤーは「テクニックカード」「脅威カード」「リアリティチェックカード」という3種類のカードを使い、他プレイヤーからの妨害を切り抜けながら、ゲーム中に与えられた課題の解決を目指します。説明文によると、Collecition Deckはコントラクトブリッジ・ハーツ・ホイストといったトランプを用いるゲームや、「マジック:ザ・ギャザリング」や「ポケモンカードゲーム」などのトレーディングカードゲームを参考にしているとのこと。
テクニックカードは実際にCIAで利用されている技術や装備が載っているようですが、「国家の安全の問題」としてその大部分が白塗りで修正されているため、詳細は不明なままとなっています。
脅威カードでは「アルカイーダ」「北朝鮮の核実験」「ロシアの対外軍事援助」など、現実に起こっている事件や問題が扱われていて、それぞれにDifficulty(難度)が定められています。
リアリティチェックカードはこんな感じ。プレイヤーはカードを使って情報収集を行いながら問題を解決してポイントを集めるというシステムになっていて、ポイントを最も集めたプレイヤーが勝利者となります。
他にもクロッパー氏は、CIA諜報員の訓練用に、ボードゲーム型の「SXSW」や「Satellite Construction Kit」といったゲームも開発していたそうです。
公開されたアメリカの機密文書はパブリックドメイン扱いとなります。そこで、アメリカのジャーナリストであるマイク・マスニック氏は、「Collecition Deck」に新しいカードやルールを追加してデザインを整えた「CIA:Collect It All」を作成しました。
「CIA:Collect It All」はKickstarterで出資者を募っています。3万ドル(約330万円)の目標額に対して、記事作成時点で既に12万6000ドル(約1400万円)を超える額が集まっています。出資額が10ドル(約1100円)以上で「CIA:Collect It All」のPDFファイルを特典としてダウンロード可能。さらに29ドル(約3200円)以上で「CIA:Collect It All」の物理コピー版を、125ドル(約1万4000円)以上で物理コピー版5セットを特典としてゲットできます。日本への発送も可能ですが、日本への送料として29ドル以上の場合は24ドル(約2700円)、125ドル以上の場合は43ドル(約4800円)の送料が別途必要となります。
出資は以下のリンク先で、日本時間で2018年5月23日(水)の15時59分まで受け付けられています。なお、記事作成時点では、今後「CIA:Collect It All」が店頭で販売される予定はないとのことです。
CIA: Collect It All by Mike Masnick — Kickstarter
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