レビュー

さまざまな作業を自動化しながら漂流した星に工場を建設&拡張するリアルタイムシミュレーションゲーム「Factorio」


漂着した惑星で工場のラインをひたすら構築し、さまざまな作業をすべて自動化していき、最終的に星からの脱出を目指すというシミュレーションゲームが「Factorio」です。2012年にPC向けにアルファ版が配信され、バージョンアップを重ねながらも開発が続いていましたが、ついに2018年中に正式版が配信されるとのことで、実際にFactorioを遊んでみました。

Factorio
https://www.factorio.com/


Factorioがどういうゲームなのかは以下の公式トレイラームービーを見るとよくわかります。

Factorio - Trailer - YouTube


Factorioを起動したところ。キャンペーンモードではチュートリアルをプレイできるので、Factorioのゲームシステムを把握することができます。。また、マルチプレイでプレイすることも可能となっています。今回はフリープレイで遊ぶため「ニューゲーム」を選択。


プレイするフィールドはランダム生成となっています。マップの広さや資源・敵の量を細かく調節することも可能です。今回はノーマルを選択して、決定をクリック。


プレイヤーはとある星に漂着してしまったという設定です。フリープレイの最終目的は、衛星を載せたロケットを宇宙へ打ち上げることですが、そのためには多くの資源を採掘して、技術開発を行う必要があります。Tabキーを押します。


広い砂漠の真ん中からスタートしました。すぐ近くには黒い石がいっぱい落ちていますが、これは重要な資源の1つである石炭です。石炭や木材など、フィールド上にある資源は右クリックを長押しすることで採掘することができますが、手で掘るとかなり時間がかかってしまいます。ゲーム中は常に時間が経過している状態で、一般的なリアルタイムシミュレーションに見られるような「時間の一時停止」はできない仕様となっています。


Factorioでは開発した機械でさまざまな作業を自動的に行うことができます。例えば、資源の採掘を行うためには掘削機を開発・設置する必要があります。施設・アイテムの開発は、Eキーを押してインベントリを開き、開発したい施設のアイコンをクリックすればOK。なお、燃料式掘削機と石の炉は、ゲーム開始時にそれぞれ1つずつ所有しています。


燃料式掘削機を石炭エリアに置いてみましたが、一向に動く様子はありません。燃料式掘削機は燃料がなければ動かないので、石炭や木材など、燃料を追加する必要があります。


燃料式掘削機をクリックし、先ほど採掘した少量の石炭を追加します。


掘削機に石炭を投入したところ、無事採掘が始まりました。


自動で採掘された石炭は掘削機から搬出されます。ただし、搬出先にアイテムがあると、機械が詰まって採掘がストップしてしまうため、出てくる石炭をその都度Fキーで拾う必要があります。


「いちいち掘削機に張り付いて拾うのは自動化した意味がない!」ということで、さらに自動化を進めることに。まずは周辺にある枯れ木から木材をゲットし、木材から木製チェストを開発します。


できた木製チェストは、掘削機の搬出口前に設置します。これで採掘された石炭は自動的に木製チェストに収納されていきます。掘削機の横に立てたのは石の炉で、鉄や銅を精製することができます。


原材料となる鉄鉱石や銅鉱石は、石炭と同様にフィールドから採掘できます。今回は石炭がたくさんある場所から少し下に移動すると、鉄鉱石がたくさんありました。


石の炉に燃料と鉄鉱石を投入すると……


鉄板が精製されていきます。


鉄板を精製していると、石炭を採掘している掘削機の燃料が切れてしまいました。しかし、いちいち燃料が切れるたびに石炭を投入するのは面倒くさいので、石炭投入も機械任せにすることに。


燃料式インサータはアイテムを1方向に自動で移動してくれるロボットアームです。


石炭を入れた木製チェストを置き、燃料式インサータの方向を設定して、チェストから掘削機に石炭を動かすように設定すると、燃料式インサータが自動的に石炭を掘削機にくべてくれるようになりました。以下の画像の赤い矢印が石炭の動きで、左の箱に石炭を入れておけば、掘削機の燃料は自動で追加され、右の箱に採掘された石炭がたまっていきます。


石炭を掘っているにもかかわらず、石炭を入れた木製チェストを別に用意するのは非効率的に思えたので、燃料式インサータを複数用意し、「掘削機が採掘した石炭を、バケツリレーの要領で掘削機に突っ込んでいく」というシステムを構築しました。さらに、採掘した石炭を石の炉にくべるように燃料式インサータをもう1機追加します。これで何もしなくても石炭を掘り続けてくれる機械となります。なお、同じ場所で採掘できる量には限界があるため、このまま放置していると資源が尽きてしまうため、ただ資源を掘りまくることが決して正解とはならないようになっています。


石炭と同様に鉄鉱石にも掘削機を設置しました。しかし、鉄鉱石のある場所は石炭と石の炉がある場所から少し離れているため、採掘した鉄鉱石をいちいち持っていくのはとても面倒くさいことに気づきました。


そこでベルトコンベアを開発し、遠く離れた掘削機から鉄鉱石を運搬してくるるようにしました。ベルトコンベアで運ばれてきた鉄鉱石(青い矢印)はいったん燃料式インサータによって木製チェストに収納され、別の燃料式インサータがその木製チェストから鉄鉱石を取り出して、石の炉にどんどん突っ込んでいくというシステムです。これで、鉄鉱石の採掘がストップしない限り、何もしなくても自動的に鉄が精製されていくようになりました。なお、ベルトコンベアは燃料も電力も不要で動作します。


こうして鉄の精製を自動化することで効率はアップ。さらに鉄鉱石の採掘の自動化もできないだろうかと考え、思い付くがままにベルトコンベアや燃料式インサータを組み合わせて、以下のムービーのような、鉄板がほぼ全自動で作られていくような仕組みを構築してみました。

「Factorio」で鉄板の製造ラインを自動化してみた - YouTube


鉄鉱石の掘削機の搬出口に石の炉を隣接させることで直接石の炉に鉄鉱石を追加するようにし、さらにベルトコンベアで運んできた石炭を燃料式インサータがどんどん掘削機と石の炉に突っ込むという流れになっています。完成した鉄板はベルトコンベアに流され、チェストに収納されます。


この仕組みのおかげで、鉄はほぼ自動で作られるようになりますが、燃料式インサータに石炭をくべていくという作業は手動でやらなければなりません。この作業も自動化するべく、近くの水辺で汲み上げポンプ・ボイラー・蒸気機関を組み合わせて発電を行います。


電柱を設置し、発電施設から電線をつないで……


簡易製鉄所まで電力を引っぱってきました。さらにインサータを電気で動く種類に変更することで、製鉄所の自動化に成功しました。電力の導入は自動化をするためには必要不可欠で、最初は水辺でなければ発電が不可能ですが、いずれ太陽光発電や原子力発電も可能となります。より効率のよい設備や新しい機械は、技術の研究開発を行うことで可能です。


研究開発を行うためには、まず「研究所」と呼ばれる施設を開発し、フィールド上に建設します。ただし、研究所の稼働には電力が必要となります。


そしてTキーを押し、テクノロジーリストを表示します。黄色いパネルが現在開発できる技術です。今回は「自動化技術」を選び、「研究開始」をクリック。研究を進めるためには、コストが必要となります。


コストに使われる「サイエンスパック」はインベントリから作成できます。研究開発を行うためには必要不可欠なアイテムなので、ゲーム開始当初の目標は「サイエンスパックの作成の自動化」になるといえます。


技術開発をどんどん進めると、ベルトコンベア以外にも鉄道が登場します。広いフィールドで複数の拠点を作った時に、大量の資源をすばやく簡単に運搬できるので、作業効率がはちゃめちゃにアップします。


しかし、文明が急激に進化し、自然に与える影響を無視しがちになると、やがてしっぺ返しが訪れるものです。施設には「汚染度」が設定されていて、汚染度が進むと、この星の原生生物である「バイター」が襲いかかってくることも。そのため、工場の施設だけではなく、武器や防壁の開発も行わなければ、バイターの襲撃によって工場は破壊されてしまいます。、


バイターは、フィールドに点在する巣から無限に沸いてきます。巣を破壊することはできますが、まともな装備がない状態で破壊しようとしても、返り討ちにあってしまいます。少しでも巣に近づくと大量のバイターが一斉に襲いかかってくる上に、下部に表示されている緑色の体力ゲージが0になるとゲームオーバーになってしまうため、装備が十分に整っていない状態で巣を見かけたら一目散に逃げるのがよさげです。


また、汚染された空気の影響で、バイターが巨大化したり、巣が増殖することも。謎の施設を乱立して自分たちの星を汚す異星人に対して、惑星に生まれ育った虫たちは決して容赦することがありません。


バイターから身を守りながらロケットを打ち上げることがFactorioの目的ですが、プレイしているうちに、ロケットの打ち上げよりも、いかに自分の施設を効率的に構築するかに夢中になってしまいがちでした。ゲーム中は強制的に時間が流れていく仕様にはなっていますが、特に時間制限は設けられていないので、自由に工場を拡大することが可能です。


技術研究が進むと「回路ネットワーク」を構築することが可能となります。論理回路を設計して組み込んでいくことでゲームの自由度も大きく上がります。例えば以下のムービーでは、ゲーム「Portal」のエンディング曲「Still Alive」が、Factorioの施設で構築されたスピーカーで再生されています。

Factorio - Still Alive - Portal - Programmable speakers - YouTube


また、Factorioの施設を使ってメモリ・デコーダー・ディスプレイを再現し、ムービープレイヤーを構築する猛者も登場しました。以下のムービーでは、Factorioの施設を用いてDarude「Sandstorm」のミュージックビデオを再現する様子を見ることが可能です。

Factorio - Sandstorm - YouTube


Factorioは、1から地形や資源も考えて施設を配置していくという点で、シムシティの街作りにも似た面白さがありますが、ただ配置するだけではなく、徹底的に機能性・効率を重視して配置しなければならないという点が独特です。また、工場を拡張することで敵に襲われるというデメリットもあるため、計画的に拡張することが重要となります。

また、工場のラインを考えて設計し、思い通りに動作する様子を眺めて楽しむことができるため、自分なりに全自動のシステムを考えたり、システムの改良を重ねたりすることがこのゲームの肝となっていて、工場の拡張に夢中になるあまり、30分だけ遊ぶつもりがあっという間に数時間遊んでしまっていたこともありました。Factorioのフィールドはランダム生成で、資源を含めた地形は毎回変化するため、何度でも新鮮な気持ちで遊べるのはかなりアリです。


FactorioはSteamで、記事作成時点では税込2300円で配信されていますが、2018年中の正式版となるバージョン1.0のリリースに備え、2018年4月16日(月)に30ドル(約3200円)に値上げすることを製作会社が公言しています。また、FactorioはSteamや他のプラットフォームでもセールの対象にはしない、とも断言しているので、気になる人は早めにゲットするのがおすすめです。

Steam:Factorio

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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