アート

CGで作られた「バーチャルスーパーモデル」がSNSで話題になって本物のモデルのように活躍し始めている


キズナアイ電脳少女YouTuberシロなど、日本では2017年頃から3DCGモデルを用いてムービーを投稿するバーチャルYouTuberが話題となっていますが、見た目や人格が全て架空の「バーチャルスーパーモデル」がInstagramに登場し、9万人を超えるフォロワーを集めるほど話題となっています。

BBC - Capital - The fascinating world of Instagram’s ‘virtual’ celebrities
http://www.bbc.com/capital/story/20180402-the-fascinating-world-of-instagrams-virtual-celebrities


Shudu: The Instagram Supermodel You’ll Never Meet
https://www.isiuwa.com/news/shudugram


2017年4月、Instagramにシュードゥ・グラムというモデルが登場しました。シュードゥは艶やかな黒い肌と見事なプロポーションを持ち、Instagramにアップされている写真はどこかミステリアスな雰囲気を漂わせています。

Shudu Gramさん(@shudu.gram)がシェアした投稿 -


女性シンガーのリアーナがプロデュースするブランド「Fenty Beauty」の口紅を塗った以下の写真は、リアーナさん自身が投稿をシェアしたこともあり、瞬く間に拡散されて話題となります。

Shudu Gramさん(@shudu.gram)がシェアした投稿 -


しかし、シュードゥは現実に存在するモデルではなく、実はイギリスの写真家キャメロン=ジェイムズ・ウィルソンさんが作成したCGモデルです。過去10年ファッション業界で活躍していたというウィルソンさんは、自分の理想のモデル像を作り上げたいと独学で3D技術を習得し、シュードゥを作り上げました。Instagramにアップされた以下のムービーを見ると、人間にしてはなめらかすぎる動きもあって、シュードゥが3Dモデルであるとよくわかります。

Shudu Gramさん(@shudu.gram)がシェアした投稿 -


ロンドンを中心にモデルとしても活躍するブロガーのファトゥさんは、シュードゥの長い手足と黒く美しい肌に魅了され、シュードゥのInstagramアカウントを衝動的にフォローしました。しばらくしてフォローバックがあったことから、シュードゥが架空のCGモデルであるとは思わなかったとのこと。ファトゥさんはシュードゥがCGであることを知ってショックを受けながらも、あまりにも美しすぎるシュードゥが現実の存在ではないことに安心したそうです。ウィルソンさんによれば「シュードゥは私の芸術作品のひとつであり、ハイテクなマネキンでもあります」とのことで、本物のモデルのようにさまざまなファッションブランドとのコラボも考えているとのこと。

シュードゥのInstagramアカウントの自己紹介欄には「世界初の電脳スーパーモデル」と書かれていますが、実際はシュードゥより以前からバーチャルモデルは存在していました。例えば、ロサンゼルス在住の19歳、スペイン人とブラジル人のハーフという設定のミケーラはシュードゥよりも前から活躍する「バーチャルスーパーモデル」の1人で、くりっとした大きな目・分厚い唇・そばかすというチャームポイントは全てCGで作られたもの。

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Instagramで88万人のフォロワー数を誇るミケーラはソーシャルメディアにおけるインフルエンサーとしての顔も持ち、2017年にはSpotifyで「Not Mine」というシングルを発表したり、2018年2月にはプラダとコラボレーションをしたりと、バーチャルでありながらモデルとしても順調な活躍を見せています。ミケーラがリリースした「Not Mine」は、公式にアップロードされている以下のムービーで聴くことができます。

Miquela - Not Mine - (OFFICIAL LYRIC VIDEO) - YouTube


TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアの登場によって、何十万ものフォロワーに対して大きな影響力・情報発信力を持つインフルエンサーは現代のマーケティングでは決して無視のできない存在ですが、見た目も人格も架空のインフルエンサーの登場に対して「誰かが創作した架空の人物がソーシャルメディアを舞台に説得力と影響力を持つようになると、現実と虚構の区別がつきにくくなる」という指摘もあります。

しかし、広告代理店The Amplifyの創設者であるジャスティン・レズヴァニさんは「Instagramでの姿は現実の姿とは全く異なります。ソーシャルメディアで見る姿は写真・ビデオ・コメントだけで、いわば自分のデジタルバージョンなのです」と語り、「誰でも簡単にフォローできるソーシャルメディアにおけるインフルエンサーマーケティングは、いかに人間らしく見せるかが重要です。ソーシャルメディアにおけるインフルエンサーの時代はまだ始まったばかりですが、いずれは数え切れないほどのフォロワーを持つインフルエンサーAIも登場するでしょう」と予想しています。

実際、ミケーラの写真には「明らかに贋物でも、ミケーラの後ろには本物の人間がいるということに気づかされます。それが本当に素晴らしいです」「たとえ彼女がフェイクでも、彼女はきれいです」など、現実と虚構の区別をつけた上でなお彼女を称賛するコメントが多く寄せられています。

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in 動画,   デザイン,   アート, Posted by log1i_yk

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