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Uberはよく利用する得意客であるほど多く料金を請求するケースがあることが判明


一般的に、何らかのサービスを頻繁に利用する客は得意客と見なされて、料金の割引などの特典を受けるチャンスが増えるものです。しかし、Uberの場合は逆にビジネス目的などでサービスを頻繁に利用している客に、一般的な単価よりも高めの料金を設定するケースがあることが、実際にUberを利用している人物の調査から明らかになっています。

Uber is Ripping Off Frequent Riders and Here's How to Avoid It
https://therideshareguy.com/uber-is-ripping-off-frequent-riders-and-heres-how-to-avoid-it/

この調査を実施したのは、シリコンバレーで仕事をする機会が多いというITアナリストのウィル・プレストンさんです。自分でもライドシェアサービスのドライバーになることがあるというプレストンさんは、ある日Uberを利用しようと思った時に、事前に料金が提示される「Upfront料金」の値段がいつもより高いことに気がついたとのこと。


Uberは通常、利用した距離と時間、そして開始料金または迎車料金として一定の金額がプラスされた利用料が請求される仕組みです。しかし、アメリカなどで提供されている「Upfront」は、乗車場所と目的地を入力した際に表示された金額で固定され、どれだけ時間がかかっても固定された料金は変わりません。プレストンさんが住んでいるサンディエゴでは、Uberの基本的な利用単価は1マイルあたり1.10ドル(約117円)と1分あたり15セント(約16円)となっており、自宅から空港までの道のりをUberで移動した際の金額は通常、55ドルから60ドル(約5800円~約6400円)となっていたそうです。

しかしある日、Uberを使って利用を登録したところ、Upfrontの料金が70ドル(約7400円)前後と表示されたことにプレストンさんは疑問を抱きました。たしかにUberでは時期や時間帯によって追加料金がプラスされることもありますが、その時は朝や夕方のピーク時間を外しており、時期もとりたてて特別な時ではなかったとのこと。

By Kirsten

ここでプレストンさんが疑ったのが、「自分が頻繁に利用する得意客であることを知ったUberが、『この人はいつも多く払ってくれる!いくら払っているかあまり気にしていないだろう!』と思ったのではないか」という疑問だったそうです。アプリで配車を予約するUberの場合、各ユーザーの利用履歴は全て残されており、誰がどれだけ利用して支払ったのかは完全に把握されています。さらに、プレストンさんのUberアカウントはビジネスタイプだったことも影響があるのではと考えているとのこと。

この疑問の実態を調査すべく、プレストンさんは特別な方法を用いることで「適正料金」を割り出すことにしました。通常、Uberを利用する際には乗車場所と目的地を事前に決めておくものですが、プレストンさんはあらかじめ別の目的地を入力しておき、乗車後に本来の目的地へと「行き先変更」することで、実際の移動距離と時間による料金計算が適用されるようにしました。

その一例がコレ。まず、サンディエゴ国際空港からプレストンさんの自宅までのUpfront料金を調べたところ、車両を占有するプランで79.82ドル(約8500円)と表示されました。なお、途中で別の人が乗車することもある「Pool」は検証の対象外です。


まず料金を調べたあと、次にプレストンさんは目的地を本来の自宅ではなく、その道中に設定した状態で配車を依頼。ドライバーが自宅にやって来て、車に乗り込んだプレストンさんは、頃合いを見計らって目的地の変更をドライバーに告げます。この時、ドライバーには料金の調査のために行き先を変更していることを正直に告げていたとのこと。

目的地が変更されたことで、事前のUpfront料金は適用されなくなります。このようにして空港から自宅までを「正規の料金」で利用したところ、最終的に請求された金額はなんと63.83ドル(約6800円)だったそうです。つまり、Upfrontの料金では、実際の料金よりも25%も多く請求されてしまうところだったというわけです。


今度は向きを逆にして、自宅から空港までの料金を比較。Upfrontで表示された金額は69.04ドル(約7300円)でしたが……


「正規料金」だと、請求されたのは53.54ドル(約5700円)だったとのこと。こちらはなんと29%も多くUpfront料金が設定されていたことになります。


最後に、「ビジネス客や頻繁に利用するほどUpfront料金は高くなるのか?」と考えたプレストンさんは、妻のUberアカウントを使って「普通の人」のUpfront料金を調べ、自分のアカウントでの料金と比較。すると、プレストンさんのアプリ画面には69.04ドル(約7300円)と表示された料金が、なんと妻のアプリ画面では56.60ドル(約6000円)と表示されたとのこと。

そして、最も肝心の「実際の請求額は?」ですが、この時に請求された金額は53.54ドル(約5700円)。つまり、妻のアカウントでもUpfront料金は現実よりも高めに設定されていますが、得意客であるプレストンさんの方が一般の利用客よりも明らかに高い金額を設定されていたことが浮き彫りになっています。

これらの結果から、プレストンさんは「Uberはある層の客に対して他よりも明らかに高い料金を設定している」と結論付けています。そしてその対象はビジネス客や頻繁に利用する客であり、新しい客や利用頻度の低い客には比較的低い料金を設定しているとも述べています。たしかに、混雑などがあっても利用料金が固定化されるUpfront料金は一定のメリットがあるといえそうですが、実際には価格アップ率を納得できるほどの実利があるかどうかは実際のケースを見て判断してみたいところ。

プレストンさんは、とりあえずUpfront料金を避けて通常料金でUberを利用するための方法として、上記の「別の目的地を設定しておき、途中で変更する」という方法を薦めており、「この方法に何も悪い点はない」と主張しています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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