新人レベルの仕事に就くだけでも3年以上の勤務経験が必要と専門家が指摘
AIを使った求人サイト「TalentWorks」のCEOであるカスホール・チャクラバルティ氏が、自社で扱う求人データから約9万5000社以上の求人情報を無作為に抽出し分析したところ、アメリカで就職・転職時に正社員として「新人レベルの仕事内容」の職に就くだけでも、3年以上の勤務経験が必要になることがわかったとのことです。
The Science of The Job Search, Part III: 61% of “Entry-Level” Jobs Require 3+ Years of Experience – Cheatsheet — TalentWorks
https://talent.works/blog/2018/03/28/the-science-of-the-job-search-part-iii-61-of-entry-level-jobs-require-3-years-of-experience/
チャクラバルティ氏によると、企業は「経験のインフレ」が進んでおり、就職に必要な経験量は毎年増加しているとのことです。つまり、働いたことがない人であっても、新人レベルの仕事に就くには3年以上の勤務経験を求められてしまうそうです。
以下のグラフは、TalentWorksで扱っている求人情報から、就く仕事のレベルに応じて、何年の勤務経験が必要になるかをグラフにまとめたものです。青は「新人レベル」、緑は「中堅社員レベル」、赤は「シニア社員レベル」を表しています。このグラフによると、61%の「新人レベル」の職に採用されるには、約3年以上の勤務経験が必要なようです。また5年以上あれば「中堅社員レベル」、8年以上あればほとんどの「シニア社員レベル」の仕事に就くことが可能になるとのこと。
チャクラバルティ氏は、年齢も重要な要素であると指摘しています。以下のグラフは応募者の年齢と面接到達率を示しており、太い実線が雇用率のようです。雇用率は20代~30代にかけては増加傾向にあるものの、30歳~34歳までは緩やかな減少、そして35歳を過ぎると急激に減少していく傾向が見られるとのこと。
そこでチャクラバルティ氏は、就職活動や転職活動を有利に進めるためには、以下のような活動がオススメだと話しています。
1.自分の勤務経験にあった求人に応募する
当然のことではありますが、新人レベルの経験年数しかなく、特筆すべきスキルなどを持ち合わせていなければ、中堅社員レベルやシニア社員レベルの求人に応募しても採用される可能性は極めて低くなります。あくまでも企業側のニーズに合った仕事を選択することが重要とのこと。
2.条件に経験年数が指定されている場合は2年以内の誤差であれば応募できる
これはチャクラバルティ氏の経験に基づくことだそうですが、経験年数が採用条件にあっても2年以内の誤差であれば、採用担当者から「条件に十分近い」と判断され、不利に扱われることはないそうです。
3.勤務経験を増やすためにフリーランスの仕事をする
勤務経験が無い、または経験年数が少ない人はフリーランスとして働くことで、年数をアップさせることができます。フリーランスは自身の力で営業・経営・開発などを行うことになるため、これらのスキルも同時に磨くことができ、就職や転職活動時の強力なアピール要素としても活躍が期待できます。
4.35歳以上の場合は卒業日を記載しない
履歴書に年齢を書かなくても採用担当者は卒業日から年齢を推測してしまいます。これはアメリカでのみ通用する方法かもしれませんが、卒業日を記載せず、職務経歴には直近2、3社の経歴のみを記載するだけに留めておけば、年齢を推測されることはないとチャクラバルティ氏が話しています。
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