就職や転職を考える上で参考になる「将来的に機械により自動化する可能性のある職業」をまとめた圧巻のデータ
By Kyle Welsby
もしも就職や転職について考えているなら、「機械による自動化が未来の職業にどのような影響を与えるか?」について考えてみることは価値のあることかもしれません。人工知能(AI)やロボットなどの最先端技術は労働市場に大きな影響を与えるようになってきており、いくつかの職業が人の手を必要としなくなる可能性は十分にあります。
Four fundamentals of workplace automation | McKinsey & Company
http://www.mckinsey.com/business-functions/digital-mckinsey/our-insights/four-fundamentals-of-workplace-automation
How Soon Before Your Job Is Done By A Robot? This Handy Chart Will Tell You | Co.Exist | ideas + impact
https://www.fastcoexist.com/3054842/visualizing/how-soon-before-your-job-is-done-by-a-robot-this-graphic-will-tell-you
「機械による自動化が未来の職業にどのような影響を与えるか?」について調査したのはグローバルコンサルティングファームのマッキンゼーで、将来的に「機械により自動化する可能性のある750種の職業」についての研究結果を公表しました。調査の結果、賃金が支払われている職業の45%が「現在実証されている技術」を使って自動化することが可能であると考えられており、加えて既存の職業の60%は「30%以上の確率で仕事を自動化できる」という調査結果が出ています。
マッキンゼーが公表した調査結果をまとめたグラフは以下のページで見られます。
Automation and US Jobs - McKinsey Global Institute | Tableau Public
調査データは埋込み形式でも公開されており、以下のグラフにマウスカーソルを当てると、該当部分に当てはまるのは「どういった職種なのか?」が表示されるようになっています。
表示されているデータはグラフが3つで、以下のグラフは、縦軸がアメリカの労働力が機械により自動化する可能性、横軸が労働人口を示したもの。縦軸の95~100%は「将来的に95~100%の確率で職業が機械により自動化するもの」を示しており、つまり、「将来的に高確率で機械に仕事を奪われる職業」というわけ。
マウスカーソルを当てると、以下のように該当する職種が表示されます。以下の場合は職種が「包装・袋詰め機械のオペレーター」で、将来的な自動化の確率は100%となっています。時給は13.9ドル(約1600円)で、アメリカでは約37万人が同職業に就いている、といった具合にかなり細かい部分まで情報を見られるようになっています。
その横にあるグラフは、縦軸が将来的な自動化の可能性、横軸が時給を示すグラフ。グラフ上に表示されている円のサイズが現在その職業に就いている人口のサイズを示しています。
試しに40~50%の位置にあるサイズの大きな円にマウスカーソルを当てると、職業系統が「販売関連」、職種が「小売店販売員」、将来的な自動化の可能性は47%、時給は13ドル(約1500円)、労働人口は約450万人と表示されました。
2つのグラフの下には縦軸に労働人口、横軸に時給を示したグラフ。
時給換算で105~110ドル(約1万2000~1万2600円)を受け取っているというリッチな職業が何か、などが見られます。
そして3つのグラフの右端には以下のような職種と労働人口のランキングが表示されており……
クリックで該当する職種が3つのグラフではどの位置にあたるのかが見られるようになります。今回クリックしたのは職業系統が「食品の調理および給仕関連」で、労働人口は約1200万人。
職業系統「食品の調理および給仕関連」に分類された中で最も将来的な自動化の可能性が高いのは「食品の調理、食品の調製、食糧の準備」を行う労働者。
分類は非常に細かいようで、「調理、簡単なオーダー」を行う労働者や……
「複合的な食品の調理や給仕」を行う労働者など、調理と給仕を行うような複合的な役割ですら異なる分類になっています。
また、「Occupation(職業)」から自分の興味のある職業の自動化の可能性も調べられます。
例えば、「Bartenders(バーテンダー)」だけを選択すると……
こんな具合にバーテンダーの情報のみグラフ上に表示されます。これによれば、バーテンダーの仕事が将来的に自動化される確率は68%です。
袋詰め機械のオペレーターや医療機具の専門家、農作物に等級を付ける職業、ミシンオペレーターなど、将来的に100%仕事が自動化するであろうと予測されている職業は複数あります。また、高い確率で自動化すると予測されている職業には、肉屋や食肉加工、パン屋、バスのメカニック、クリーニング屋などもあります。警備員の仕事が自動化する確率は40%と算出されていますが、一部の仕事は既に機械に置き換わっています。なお、中には自動化の確率が低い職業もあり、例えばコンピューターシステムアナリストの場合は28%と機械に仕事を奪われる可能性はかなり低そうな結果となっています。
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