高さ約20メートルの柱につるされて伝統的ダンスを行う「パパントゥラ フライヤーズ」に迫ったドキュメンタリームービー
メキシコ合衆国のパパントゥラでは、高さ約20メートルのポールの上から4人がロープにつるされてながら踊るという伝統的なダンスが600年間も受け継がれています。「パパントゥラ フライヤーズ」とも呼ばれる5人の踊り手に迫ったドキュメンタリームービー「Mexico’s 600-Year-Old Dance of the Flying Men」が公開されています。
Mexico’s 600-Year-Old Dance of the Flying Men - YouTube
メキシコには「パパントゥラ フライヤーズ」が行う600年の歴史があるダンスがあります。どのようなダンスかというと、高さ23メートルのポールの上に5人が登り……
1人がポールの上に座りながら笛を演奏し始めます。演奏を合図に、ポールが回転し始め、同時に残りの4人が足にロープをつけつつ、それまで座っていたポールから落ちます。
4人は、逆さづりになりながら、同時にダンスを行います。
時間と共にロープが長くなり、4人は遊園地の遊具の1つ回転ブランコのように大きく回転します。
ポールの上では残った1人が笛を演奏し続けます。
上で笛を演奏している人によると「このダンスは観光客向けのパフォーマンスでも、サーカスのような曲芸でもないく、自分たちが受け継いだ文化であり信仰の一部」とのこと。
ここは、メキシコ合衆国ベラクルス州パパントゥラ。政府から「魔法のように魅惑的な場所」を意味するプエブロ・マヒコとして選出されたことがある観光地でもあります。
ムービーでは、パパントゥラ フライヤーズの5人中の1人、代表者でありダンスでは先導をする役割のVictor Garciaさんにインタビューを行います。
インタビューは、趣のある建物の室内で行われます。建物の柱にパパントゥラ フライヤーズをモチーフにしたと思われる人形が見えます。
これからGarciaさんらパパントゥラ フライヤーズがダンスを行うので、そのための衣装に着替えます。
Garciaさんがダンスとの関係を語り始めます。「私がとても幼い頃から、このダンスの練習を始めました」
伝統的な衣装に身を包んでいきます。
「今日は、私がダンサーたちを先導する役割に起用された日です」
最後に、帽子をかぶって……
Garciaさんが、衣装に着替え終わりました。
他の4人のダンサーたちも、衣装に着替え完了。
この伝統的なダンスは、メソアメリカの時代の頃を含めて600年の伝統があるとのこと。Graciaさんを含めたダンサー5人が、ダンスを行うポールに向かいます。
Graciaさんが笛を演奏しながらダンサーたちを先導します。
「言い伝えでは、遠い昔にこの地域は日照りが続いたことがありました」
「そこで、太陽の神とやり取りをするために、特別な能力がある子どもたちが選ばれました」
「その時代から私たちはこのダンスの練習を続け、現代まで受け継いできました」
儀式としてのダンスが始まりました。「私たちは、敬愛の歌を神にささげ、ポールに登る許可を求めます」
Garciaさんが、ポールの周囲を歩きながら笛の演奏とダンスを行います。
ポールの周囲での演奏が終わり、ダンサーの1人がポールに足をかけて登り始めます。
Graciaさんたち「パパントゥラ フライヤーズ」がダンスを行うフライング・ポールの高さは23メートル。一般的なビルで地上6階分に相当する高さです。登っているダンサーは足場を1~2段飛ばしながらスイスイと登っており、積み重ねてきた練習の量を感じさせます。
ダンサー4人がポールの頂上に到着。最後にリーダーであるGarciaさんがポールに昇ります。
Garciaさんがポールに登っていきます。Garciaさんの目線からは、ポールの高さが実感できます。
Garciaさんはポールに登るだけでなく、太陽の神とコミュニケーションをとるために、高さ23メートルのポールの上で立ち上がります。
次に、てっぺんで座りながら笛を演奏し始めます。
4人のダンサーたちがポールを蹴って逆さづりになると、ポールの四角い枠が回転し始めました。
ダンサー4人が、ポール上部の四角い枠に合わせて回転し続けます。
時間が経過すると共に、ポールから伸びているロープは徐々に長くなっていきます。
衣装から伸びている鮮やかなリボンが、回転に合わせてなびいていきます。
ロープが伸びきると、ダンサーたちは地上に降ります。Garciaさんが儀式をやりきった感想を語ります。「私たちは、この儀式で飛んだあとに地上に降り立つと、喜びの後に安心を感じます」
儀式が終わり、後片付けを始めます。
「この伝統は、祖父から受け継ぎました」
「私は、伝統を若い世代につないでいくというのは重要なことだと考えています」
「だから、若い世代が自分のアインデンティティーを理解できるのも重要だと考えます」
Garciaさんが、祖父から受け継いだ伝統を若い世代に伝える番です。
Garciaさんが、「あなたたちは将来、この儀式を守っていく立場になります」と若い世代に語ります。
「文化と伝統に始まりはありますが、終わりはありません」
「私が儀式を行った時から、受け継いだ伝統が始まっています。私の代で終わらせるとは考えてはいません」
「私の体が許す限り、このバトンを持ち続けるでしょう」
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