任天堂初のゲームデザイナーであり「ハードウェアの魔術師」とも呼ばれる竹田玄洋さんがAIASの特別功労賞を受賞

by James Mitchell

NINTENDO64の3DスティックやWiiのWiiリモコンなど、任天堂のゲーム機を語る上では欠かせない特徴的なハードウェアを開発してきた竹田玄洋さんが、D.I.C.E. Awardsを主催する非営利団体のインテラクティブ芸術科学アカデミー(AIAS)から、特別功労賞を授与されることが判明しました。過去には任天堂の岩田聡元社長も同賞を受章しています。

任天堂の元開発者に功労賞 米ゲーム業界団体:経済:中日新聞(CHUNICHI Web)


海外ゲームメディアのKotakuは「任天堂のハードウェアの魔術師が特別功労賞を受賞」と報じています。

Nintendo's Hardware Wizard Will Get Lifetime Achievement Honors


竹田さんは1972年に任天堂に入社し、任天堂初のゲームデザイナーとして「EVRレース」や「パンチアウト!!」、「StarTropics」といったゲームのソフトウェア開発に携わった人物。しかし、それ以降はNINTENDO64やゲームキューブ、Wiiといった据え置き型ゲーム機の開発に注力しており、ゲームソフトを作っていたことを知らない人も多いはず。

竹田さんがソフトウェア開発に携わったゲーム「パンチアウト!!」については、任天堂の岩田元社長が社員にインタービューする名物インタビュー「社長が訊く」でも取り上げられており、この中でなぜ「パンチアウト!!」が作られることになったのかの背景が語られています。また、マリオの生みの親である宮本茂さんが、竹田さんのもとで「パンチアウト!!」の開発に携わっていたことも語られており、宮本さんが「竹田さんといっしょに考えながらつくるようなことをしていたので、そのときのトレーニングが…」と語るとおり、ゲームデザイナーとしての基礎は竹田さんと働く中で身につけていったことがわかります。

社長が訊く『PUNCH-OUT!!』


上記の社長が訊くを読むとわかるのですが、竹田さんがゲームデザイナーとして活躍した頃の任天堂は会社の規模も小さく、多くの社員が複数の業務を掛け持ちしていたそうです。竹田さんは当時、開発三部という現在の総合開発本部の前身で働いており、ここでは基板の設計からソフト開発まで行っており、その流れでハードウェア開発の方向にシフトしていった模様。

ハードウェアとしてはアーケードゲームの開発から、ファミコンやスーパーファミコンのカセット内に特殊なチップを埋め込んだり、電池によるセーブデータのバックアップシステムを組み込む「バッテリーバックアップシステム」の開発なども担当しています。その後、1996年にNINTENDO64が発売される頃には、一部のプロジェクトを除いてソフトウェア開発には携わっていなかったそうです。しかし、ハードウェア開発では、NINTENDO64、64DD、ニンテンドーゲームキューブ、Wiiなどで設計開発責任者を担当し、NINTENDO64のコントローラーで登場した「3Dスティック」や、Wii専用コントローラーの「Wiiリモコン」を開発したことでも知られます。

「社長が訊く」でもWiiの開発が取り上げられており、ハード編とリモコン編でWiiの開発責任者を務めた竹田さんが登場し、開発秘話を明かしています。

社長が訊く Wii プロジェクト - Vol.1 Wii ハード編


社長が訊く Wii プロジェクト - Vol.2 Wii リモコン編


また、1997年に竹田さんと、NINTENDO64開発時に技術提供を行っていたセタの富士本淳さんが行った対談の要約が以下から読めます。

富士本淳X竹田玄洋


岩田元社長が死去したあとの2015年9月に、竹田さんが技術フェロー、宮本さんがクリエイティブフェローに就任します。このフェローという役職について、宮本さんはコピーライターの糸井重里さんとの対談の中で以下のように語っており、竹田さんが任天堂内でいかに重要な役割を担っているかがわかります。

第4回 ふたりのフェロー。 - 宮本 茂 × 糸井重里 ひとりではつくれないもの。 - ほぼ日刊イトイ新聞

そう、ふたりでっていうのがよかったんですよ。
じつは、この「フェロー」という役職については、
岩田さんとずっと相談してたんですが、
どうも落ち着きが悪いなぁと思ってたんですね。
でも、「相談役」っていうともっといやだし、
「顧問」っていうのも違うなぁ、と。

ところが、竹田さんに
技術面での「フェロー」っていう役割で
立ってもらったおかげで、すごく落ち着いたんです。
右大臣、左大臣ではないけど、
収まりがいいんですよね。
ぼくがひとりで「フェロー」とか言ってるとね、
「なにをいちびって」みたいな感じになるので。


なお、AIASは2月22日に開催予定のD.I.C.E. Awardsで竹田さんに特別功労賞を授与するとしています。

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in ゲーム, Posted by logu_ii