Nintendo Switchが開発者にとってベターな選択肢になりつつあることが調査で明らかに

by Corey Motta

2017年3月に登場し、任天堂史上最高の販売台数を記録する好調なスタートを切り、ついに12月には全世界販売台数の合計が1000万台を突破したNintendo Switch。このNintendo Switchがユーザーだけでなく多くのゲーム開発者の関心を引いていることが明らかになっています。

GDC State of the Game Industry 2018 – Free Report Download
http://reg.gdconf.com/GDC-State-of-Game-Industry-2018

世界最大級のゲーム開発者向けカンファレンス「GDC」の主催者が、ゲーム業界の今を克明に記したレポート「GDC State of the Game Industry 2018」を公開しました。このレポートには約4000人のゲーム開発者を対象に行われたアンケート調査の結果が記されており、その他のプラットフォーム向けにゲームを開発している開発者たちが、Nintendo Switchに大きな関心を抱いていることがよくわかる内容となっています。

以下のグラフは、アンケートに答えた開発者たちが最後に開発したゲームがどのプラットフォーム向けのものであったかを示すもの。ちょうど半分の50％がPC向け、32％がスマートフォン・タブレット向け、23％がPS4向け、19％がXbox One向けとなっており、Nintendo Switch向けにゲームを開発したという開発者はわずか5％で、VRやMac、Linux向け以下という結果になっています。

そしてこちらは、現在開発中のゲームがどのプラットフォーム向けのものかを質問した結果を示したもの。PC向けが60％、スマートフォン・タブレット向けが36％、PS4向けが30％、Xbox One向けが26％と上位は変わらずですが、Nintendo Switch向けのゲームを開発しているという開発者が12％に増加しています。

さらに、「次にどのプラットフォーム向けにゲームを開発したいか？」という問いでは、Nintendo Switchを挙げる開発者が15％に増加し……

「今、開発者として最も関心が高いプラットフォームは？」という問いでは、36％がNintendo Switchを挙げており、開発者の間でNintendo Switchへの関心が高まってきていることが明らかな結果となっています。

GDCのレポートで「VR/AR関連ビジネスが長期的に続く可能性」について質問したのは、2018年度のレポートで3年目となります。2017年度のレポートでは75％が長期的に続くと回答したものの、2018年度では71％へ微減しており、VR/AR関連ビジネスに陰りを感じる開発者が増えたことを示しています。

そして、実際にNintendo Switch向けにゲームを配信した開発者に向け、「Nintendo Switchで配信したゲームは他のプラットフォームと比べて売れ行きはどう？」と問いかけたところ、33％がNintendo Switch以外で配信していないなどの理由で回答なし、28％はNintendo Switchでの売上は他のプラットフォームでの売上より優れている、23％は他のプラットフォームと同等の売上、16％が他のプラットフォームよりも売上が悪いと回答。全体でみると、Nintendo Switchは他プラットフォームと同等かそれ以上の売上が見込めるプラットフォームといえる、とGDCは記しています。

また、レポートによると2017年にゲーム業界で大きな問題となったにもかかわらず、開発者の10人に1人はルートボックス(いわゆる有料ガチャ)をゲームの中にシステムの一部として組み込んでいます。

その他、Nintendo Switchが任天堂のひとつ前の据え置きゲーム機であるWii Uの販売台数を超えると考える開発者は73％に増加しています。前年に同じ質問で「超える」と回答した人は50％だったため、Nintendo Switchに大きな可能性を感じている開発者が増えていることは明らか。すでにNintendo Switch販売初年度の2017年に累計販売台数が1460万台となったという報道もあり、これが事実ならWii Uの累計販売台数をわずか10か月で超えたことになります。Nintendo Switchは「アメリカ史上最速で売れている家庭用ゲーム機」であるという売上データもあるので、Nintendo Switchの勢いがどこまで続くのかは開発者だけでなく一般ユーザーにとっても興趣が尽きないポイントです。