誰もが口ずさめる名曲「ロッキーのテーマ」にまつわる秘話とは?
映画「ロッキー」を見たことがなくても、耳にすればすぐにわかる有名なメロディでおなじみの「ロッキーのテーマ(Gonna Fly Now)」にまつわる秘話が、YouTubeで公開されているインタビューで明かされています。
The Story Of The "Rocky" Theme
「私のキャリアは16歳のとき、ショービジネスとともに始まりました」と語るのはキャロル・コナーズさん。
「エルヴィス・プレスリーは私の最初のボーイフレンドでした……なぜって、私が音楽史上初めて改造自動車についての歌を書いた女性シンガーだから」とキャロルさんはお茶目に語ります。
「私は98万ドル(当時のレートで約3億円)の予算が付いた映画に参加することになりました。『ダーダーダダダーダーダーダダダーダーダーダダダーダーダーダダダー』」と、突然ロッキーのテーマを歌い出すキャロルさん。
「Gonna Fly Now」はキャロルさんと作曲者のビル・コンティさん、作詞家のエイン・ロビンスさんによって生み出されました。ビルさんは1983年公開の映画「ライトスタッフ」でアカデミー作曲賞を受賞している作曲家ですが、キャロルさんは「当時の私は、ビルがどれほどすごい作曲家なのかわかっていなかった」と振り返っています。
3人は、プロデューサーから映画のテーマソングを作るように依頼され、製作のアーウィン・ウィンクラー氏(写真左)、ロバート・チャートフ氏(写真右)、主演・脚本のシルヴェスター・スタローン氏(写真中央)らと一緒に映画を見ることに。
映画の途中で「He's got a Sunday punch...」と音楽が流れ始めたのを聞いて、キャロルさんは思わず隣のビルさんに「もういい感じの曲があるのに、私たちって必要?」とささやきかけ、「静かにするんだ、キャロル」とたしなめられたそうです。
上映が終わると、監督のジョン・G・アヴィルドセンに向けてみんなが「ジョン。君はすごい映画を作ったぞ。オスカーの最優秀作品賞だって取れる」と声をかけました。
その後、3人はキャロルさんの家に移動。「すると、ビルがピアノの前に座って……」と言うとキャロルさんは言葉を切り、あの有名なメロディを弾いてみせました。
「ロッキー」という映画のテーマソングにどんな歌詞をつけるべきなのか迷っていたキャロルさんでしたが、ビルさんが弾いた一節を聞いたことで、雷に打たれたかのように全体像が浮かび上がってきたそうです。そんなキャロルさんに、ビルさんは「君が感激のあまり感電死する前に、歌詞の手がかりを残してくれ」と反応しました。
こうしてキャロルさんたちが生み出したのが「Gonna Fly Now」でした。「ロッキーが階段を駆け上がっていくシーンで、見る人は『彼は遠いところまで行ける、彼は勝利できる、彼は空を飛ぶことだってできる』という気持ちを持つんです」
キャロルさんとロビンさんが書き上げた「Gonna Fly Now」の歌詞は、わずか30単語で構成されています。これは、歌詞の情報量が増えると印象的なシーンから離れてしまうからと、ロビンさんが意図的にしたことだとのこと。
「ロッキーが立ち直り、階段を駆け上がるあの印象的なシーンを見たとき、『Gonna Fly!』と男性は雄叫びを上げ、女性は涙する。そういう曲なんです」と、キャロルさんは締めくくっています。
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