ロンドンから860kmも離れたイギリスで最も行きにくいパブ「The Old Forge」にはどうやって行くのが正解なのか？

The Old Forgeは北スコットランド・ノイダート半島のインヴェリーにあります。

一見普通の港町にあるパブのように見えますが……

地図で見てみると、パブのあるインヴェリーには国道も通っておらず、主要な道路網から完全に隔離されています。

鉄道を乗り継いで行ってみるというのはどうでしょう？特にスコットランドを走るウエスト・ハイランド線の蒸気機関車ジャコバイト号は、映画「ハリー・ポッター」シリーズでホグワーツ魔法魔術学校ゆきの特急として撮影されたこともある、人気の高い列車です。

旅の途中では、スコットランドののどかな景色に心癒やされることでしょう。

風景に和んでいるうちに、なんやかんやでThe Old Forgeに着くので……

1パイント(約570ミリリットル)のビールを注文して……

乾杯！この計画はどうでしょうか？

「いやいやそれは無理だね。列車はインヴェリーまで来ないよ。マレーグ駅が終点なのさ」と答えるのは、The Old Forgeの店主であるジャン-ピエール・ロビネさんです。

なお、マレーグとインヴェリーは直線距離で見ると10kmもありませんが、その間を横切るような形でニービス湖があり、かなりの遠回りをしないとたどり着くことができません。ではマレーグ駅からどうやってインヴェリーに行けばいいんでしょうか？

そこで、徒歩で行くことを想定してみましょう。

めちゃくちゃ時間はかかるでしょうが、水や補給食もカバンに詰め込んで持って行けば途中でおなかがすいても問題ありません。

スコットランドの厳しい気候にも十分備えた上で出発です。

旅の途中では、スコットランドののどかな風景に心癒やされることでしょう。

風景に和んでいるうちに、なんやかんやでThe Old Forgeに着くので……

1パイント(約570ミリリットル)のビールを注文して……

乾杯。確かに線路がなくても歩けばいずれ着きそうに思えます。

「別にいいよ、できるものなら」とロビネさんは言います。「でも正直に言うとおすすめはしない」

18マイル(約29km)の間、沼や荒原など、まさに道なき道を歩かなければたどり着くことはできません。どんなに準備していても厳しい自然を乗り越えながら29kmも歩き続けるのは至難の業です。

いっそのこと店まで車で行くという案もあります。

4WDの車さえあれば、未舗装の道だってなんのその。

旅の途中では、スコットランドののどかな風景に心癒やされることでしょう。

風景に和んでいるうちに、なんやかんやでThe Old Forgeに着くので……

1パイント(約570ミリリットル)のビールを注文して……

乾杯！車ならば長距離ドライブさえ耐えられればパブに行くのも容易に思えます。

「ここまで車で来るのは到底不可能だね、ここから一番近い道路まで18マイル(約29km)あるんだ。マレーグに車を置いて、船に乗ったほうがいい」

確かに砂利道や荒原は走破できても、沼地は4WDでもタイヤを取られてしまうためにクリアは難しそうです。

「もちろん観光客を招くのはビジネスとしてとても大事だ。3月頭から10月の中旬までは本当に忙しいからね」

「でも、こんな土地でもバックパッカーやハイカーが来てくれるのは、この辺りがスコットランドでも1、2を争うほど素晴らしいスポットだからさ。ノイダートは昔から全然変わってなくて、イギリスの素晴らしい自然が残ってるんだよ」とロビネさんは語ります。便利さを求めて道路や鉄道を導入してしまうと、せっかくの素晴らしい自然が壊されてしまいます。

マレーグまで列車か車で来たら、マレーグから出ている連絡船に乗りましょう。

インヴェリー行きのチケットを買ってさっそく乗り込みます。

旅の途中では、スコットランドののどかな風景に心癒やされることでしょう。

「すげえ！鯨だ！！」

鯨に感動しているうちに、なんやかんやで連絡船はインヴェリーに到着。The Old Forgeは港から海沿いに歩いて数分のところにあります。

1パイント(約570ミリリットル)のビールを注文して……

乾杯！今度はロビネさんもグラスワインで参加します。イギリスで最も行きにくいパブであるThe Old Forgeに行くためには、電車を乗り継いだり車に長時間乗ってマレーグまで向かったあと、そこからさらにフェリーを使わないと行けないというわけです。