私たちの体は食べ物をどうやって消化しているのか?をアニメでわかりやすく解説した「How your digestive system works」
人間は1年で365kg以上の食べ物を消費しており、毎日休むことなく臓器は食べ物を消化しています。しかし、自分の体の中で何が起こっているのかは案外知らないもの。学習ムービーを公開するTED-Edは、そんな人体の不思議をわかりやすいアニメーションにして公開中です。
How your digestive system works - Emma Bryce - YouTube
人間は1日に1~2.7kgの食べ物を食べています。
1年で計算すると1人当たりの食事量は365kg以上。
人間が一生で消費する食べ物の量は2万8800kg以上です。
これらの食べ物は10の臓器からなる消化器を通っていくことになります。
その長さは全長9mで、それぞれの機能に特化した20種類以上の細胞から構成されています。
消化器の役割は食材を人間が生きていく上で必要な栄養素とエネルギーに変えること。
消化器は大きくわけて4つのパートが存在します。
1つは胃腸管。食物を輸送する胃腸管は30~40平方メートル、バドミントンのコートくらいの表面積を持ちます。
2つ目は膵臓・胆嚢・肝臓など、特殊な液によって食べ物を分解するパート。
3つ目のパートは酵素・ホルモン・神経・血液など。これらは協力し合って食べ物を分解し……
消化プロセスを調整。
そして、最終的に作られた栄養素やエネルギーを体中に届けます。
4つ目のパートは腸間膜。腸間膜は消化器が腹部のあるべき場所に収まるように支えるものです。
実は「消化」は食べ物が舌に触れる前から始まっています。味を想像することで唾液腺から唾液が出始めるためです。
人間が1日に分泌する唾液の量は1.5リットルほど。
かんだ食べ物と唾液が混ざると、食塊と呼ばれる状態になります。唾液の中には酵素が含まれており、ここででんぷんの分解が始まります。
その後、食べ物は25cmほどある食道と呼ばれる管を通っていきます。
食道は食塊が存在するのを感じ取り、蠕動を起こすことで食べ物を運んでいきます。
胃の中に入った食べ物は筋肉の働きによって跳ね返り……
細かく砕かれます。
細胞に並んだホルモンが酸や酵素をたくさん含んだ胃液を放出するよう指示し、食べ物がさらに細かく分解され、タンパク質の分解も始まります。
これらのホルモンは膵臓・肝臓・胆嚢にも消化液を分泌するようメッセージを送ります。
また次のステップで脂肪を分解する胆汁を送りだすことも指示。
3時間ほどの胃の中に滞在したことで、食塊はキームスと呼ばれるかゆ状の物体に変化し、狭い腸の中を通れるようになります。
次のステップで、胆嚢から胆汁を受け取った肝臓は十二指腸という腸の始まりの部分に消化液を送ります。
ここで、キームスに含まれる脂肪が分解されていきます。この作業によって膵液や腸液による消化が楽に行われていくわけです。
酵素が豊富な消化液は脂肪の分子を……
体が吸収しやすい脂肪酸とグリセリンへと分解。
また、消化液はタンパク質を分解してアミノ酸にも変えます。
さらに、炭水化物をグルコースへと分解。
上記のプロセスは小さな腸のうち空腸や回腸という、ごく低い位置で行われます。
これらの作業を行う腸は何百万という小さな突起・柔突起で覆われています。
柔突起によって腸の表面積は巨大になり、分子の吸収や血液への輸送が最大化されます。
柔突起を通じて血液は分子を受け取り、全身の臓器や細胞に栄養素を届けていくというわけです。しかし、消化のプロセスはここで終わりではありません。
食物繊維や水、死んだ細胞などが残っています。
大腸がこれらの水分を吸い取っていき……
便が作られます。
便が大腸によって直腸にまで運ばれると、神経が圧迫を感じ、「いらないものを排除するときだ」と体にメッセージを伝えます。そして消化の副産物は肛門を通って排出されることになります。
ここまできてようやく、消化プロセスが終了。食べ物たちの消化の旅はだいたい30~40時間かけて行われていくわけです。
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