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地球温暖化を防ぐために避けるべき食べ物とは?


地球温暖化を防ぐためには化石燃料の使用を減らしクリーンエネルギーを利用することが鍵といわれてきていましたが、近年は、クリーンエネルギーへの動きは企業によるマーケティングの1つであり実際には機能していないことが指摘されています。クリーンエネルギーとは別の観点で、「食べ物を選ぶこと」でも温室効果ガスの排出量を減らすことが可能だと考えられており、「温室効果ガス排出量が多い食品とは何か」がYouTubeで解説されています。

Why beef is the worst food for the climate - YouTube


女性が作っているのは……


ごく一般的な「食べ物」を1kg作り出すためにどれほどの量の温室効果ガスが発生するかを示したグラフ。つまり、それら食品を食べることが、どれほど地球温暖化に影響するかを示すものです。


ほとんどの野菜や果物は、背の低いグラフを作り出しています。


家きん類や卵は、野菜・果物に比べると比較的高めのグラフ。


豚肉は鶏肉よりもグラフが高くなります。そしてそれ以上になるのがコーヒーやチョコレート。


しかし、グラフのトップは、「牛肉」になります。


グラフの下の方にある黄色い部分は、それぞれの食品の加工・輸送・梱包・販売方法などで排出される温室効果ガスの量。黄色いグラフに着目すると、食品ごとの違いはそこまで大きくありません。


また家畜の食料を育てる過程や加工する過程でも、多くの温室効果ガスが発生します。これは野菜・果物を育てる過程には発生しないため、以下では豚や鳥のグラフにオレンジ色が現れていますが、野菜・果物のグラフには現れません。


しかし、大きな差を生み出しているのは、むしろ「農業のプロセス」「土地の利用方法の変化」という2点とのこと。


例えばコーヒーの温室効果ガス発生量が大きくなるのは、「農家が使う肥料」という農業プロセスの1つが理由。コーヒー用の肥料は亜酸化窒素という温室効果ガスを大量に発生させます。


羊や牛の成育で温室効果ガスが大量に発生するのも、農業プロセスが理由です。


牛や羊は胃の中には多くの微生物が存在し、腸内発酵と呼ばれる方法を通じて消化を行います。この消化の副産物がメタンと呼ばれる温室効果ガスで、メタンはおならとして放出されることもあれば……


げっぷとして放出されることも。なお、全体の95%はげっぷとして放出されます。


メタンは温室効果ガスとして、二酸化炭素に次いで排出量の多いもの。メタンは二酸化炭素の20%ほどの排出量ですが、生み出す温室効果は二酸化炭素の21倍といわれており、次の100年の温室効果の原因になり得ると考えられています。


そして、人間が関連するメタン排出要因のうち、最も占める割合が大きいのが家畜の腸内発酵です。化石燃料を燃やした時よりも、腸内発酵を原因とするメタン排出量の方が多いとのこと。


加えて、土地の利用方法の変化も要因の1つ。人間が地球上の土地を使い出した転機は1970年代で、その後グラフはうなぎ登りに増加していきました。


このうち、都市や町で建物を建てるために使われた土地はごくわずか。大部分は農業のための土地です。


以下のグラフは黄色い部分が都市環境のために使われるようになった土地、水色の部分が放牧のため使われるようになった土地、緑の部分が農耕地を示します。緑色のグラフも大きな増加が見られますが、放牧の土地はそれ以上に急増しています。


土地を放牧や農耕のために利用するには木々の伐採が必要です。木々を伐採すると、それ以前に土や木に貯蔵されていた炭素が放出されるとのこと。


これとは対照的に、ナッツやシトラス、オリーブオイルの農地として利用された土地は、温室効果ガスの放出量がマイナスになっています。これは、ナッツなどの木々が農耕地を再び森林化させるため。


ただしチョコレートは例外で、カカオ農園は東南アジアやアフリカ、南アメリカなどの熱帯雨林で森林破壊の原因となっています。


そして、家畜の放牧はそれ以上に森林破壊の原因となっています。アマゾン熱帯雨林で起こった森林破壊の80%は牛を放牧する土地を作るためでした。


以下のグラフは2019年に発表された、「地球人口の1人あたりが排出する温室効果ガス」の量を示すもの。毎年1人あたり平均8トンの温室効果ガスを排出しているそうですが……


食生活を変えて温室効果ガス排出量が多い食べ物を避け、土地を再森林化すれば、これを28%も削減可能とのこと。上記2つの行為は、私たちが行いうる行動の変化のうち、最も影響力が大きいものだそうです。

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in 動画,   , Posted by darkhorse_log

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