お酒の種類は攻撃的・リラックスなど異なる気分と関係する、という研究結果
by Adam Jaime
赤ワイン・白ワイン・蒸留酒・ビールという4種類のお酒が人間の感情とどのように関わってくるのかを研究者らが調査しました。年末に向けてお酒を飲む機会が増えてくる人もいますが、そんな時に最も「リラックス」と関連するお酒は赤ワインだそうです。
Do emotions related to alcohol consumption differ by alcohol type? An international cross-sectional survey of emotions associated with alcohol consumption and influence on drink choice in different settings | BMJ Open
http://bmjopen.bmj.com/content/7/10/e016089
Why hard alcohol is more of a downer than wine
http://mashable.com/2017/11/22/alcohol-emotions-association-study/?utm_cid=hp-h-1#b.caj.v3Uaqx
From Wild to Mild: How Different Types of Alcohol Affect Your Mood
https://www.livescience.com/60995-alcohol-types-emotions.html
BMJ Journalsに新たに発表された研究では、世界最大のドラッグ調査「Global Drug Survey」のデータを使用。Global Drug Surveyではビール・蒸留酒・赤ワイン・白ワインという4種類のお酒を屋外あるいは屋内で飲むことと、お酒を飲んだ時の感情の変化との関わりが調べらています。そこで研究者らは「精力的」「リラックス」「セクシー」「自信」「疲れ」「気分の悪さ」「落ち着きのなさ」「悲しみ」といった人間の感情や情動とお酒の種類がどのように関わっているのかを調べました。
研究者らが特に着目したのは、18歳から31歳までの回答者3万人。これらの回答者は世界21カ国の出身で、上記4種類のお酒を飲んだ経験がある人々でした。
調査の結果示されたのは、異なる種類のお酒が異なる感情のトリガーとなり得るということ。例えば、蒸留酒は、ほかの3種よりもネガティブな感情を引き出しやすく、赤ワインはポジティブな感情との関わりが強いそうです。回答者のうち53%は赤ワインを飲んだ時に「リラックス」を感じており、次にリラックスとの関わりが強いのはビールで50%でした。蒸留酒は最もリラクゼーションとの関連が低かったとのこと。また、蒸留酒は攻撃性だけではなく「精力的」「自信」「セクシー」などとの関連性もあったと研究者は報告しています。
研究を行った1人であるウェールズ大学のMark Bellis教授は「何世紀にもわたって、ラム、ジン、ウオツカやその他の蒸留酒の歴史は暴力と共にありました」「この世界的研究は、今日でさえも、蒸留酒を飲むことが他のお酒に比べて攻撃的な気分を生み出しやすいということを示しています」と語りました。
by Anders Nord
また、教育水準や国籍、年齢によっても回答は異なり、18歳から24歳の回答者はどのタイプのお酒についても家の外で飲んだ時に「自信」「精力的」「セクシー」と関連する傾向が高かったといいます。また、女性はアルコールの種類の違いと感情が関係しやすいというこということも示されました。
そして、男性はどの種類のお酒についても攻撃性と関連しやすく、特にお酒をよく飲んだり依存したりしている人は、あまりお酒を飲まない人に比べて攻撃性のレベルが6倍も高かったそうです。また、あまりお酒を飲まない人に比べてお酒への依存性が高かった人は、飲酒時に「精力的である」と感じる傾向が5倍も高く、ポジティブな感情を生み出すことをお酒に依存していると考えられています。
もちろん、飲酒することと人間の感情の間には、お酒以外のものの影響を受けているため、今回の調査によってお酒の種類と人間の感情の明確な関わりが示されたわけではありません。一方で研究者らは「アルコール消費に関係する人間の感情を理解することは、アルコールの誤用を防ぎ、人間の感情がどのようなお酒の消費を促しているのかという洞察を提供します」と研究の重要性を述べています。
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