子ども用スマートウォッチを「破壊せよ」とドイツ政府が両親に伝える
5歳~9歳の子ども向けにデザインされているスマートウォッチを「ハンマーなどで破壊するように」とドイツの連邦ネットワーク庁が両親に求めました。この種のスマートウォッチで可能な「盗聴器のような働き」がドイツでは法に抵触するためです。
Bundesnetzagentur - Presse - Bundesnetzagentur geht gegen Kinderuhren mit Abhörfunktion vor
https://www.bundesnetzagentur.de/SharedDocs/Pressemitteilungen/DE/2017/17112017_Verbraucherschutz.html
Germany bans children's smartwatches - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-42030109
Germany issues ban on children's smartwatches, urges parents to destroy them - SlashGear
https://www.slashgear.com/germany-issues-ban-on-childrens-smartwatches-urges-parents-to-destroy-them-18508520/
問題となったスマートウォッチはアプリを使うことで、ベビーモニターのような形で子どもの周囲で何が起こっているかを聞くことができます。このとき、スマートウォッチ側でアラートはなく、使用者が気づかないところで会話を録音することも可能。ドイツでは私的な他人の会話を許可無しで録音することが禁じられており、この子ども向けスマートウォッチは法に抵触すると判断されたわけです。
連邦ネットワーク庁のJochen Homann氏は「調査を行ったところ、この時計を使うことで、許可なく授業中の教師の発言などを聞くことができます」と語っており、子どもをスパイするという行為だけでなく、幅広いスパイ行為にスマートウォッチが使われる可能性を懸念して、規制に踏み切ったようです。
by Ashton Bingham
政府はスマートウォッチの販売を禁止することに加え、スマートウォッチを使用している子どもの両親に「ハンマーなどを使って破壊すること」を求めています。
なお、子ども向けのデバイスに盗聴の可能性が指摘されたのはこれが初めてではなく、2016年にもアメリカで対話型ロボットが許可無く子どもの発言を録音していたと報告されています。このようなオモチャによって子どもの発言が収集されマーケティングに使用されたり不正使用されたりされる危険性が、かねてから懸念されていました。
子どもたちの会話を密かに録音し収集していたスパイ人形が発見される - GIGAZINE
・関連記事
自分でプログラムできるArduino/Scratch互換のスマートウォッチ「watchX」 - GIGAZINE
「スマホがそこにあるだけ」で無意識のうちに脳のパワーが消費され勉強や仕事のパフォーマンスが落ちてしまうことが判明 - GIGAZINE
空中にスマートウォッチを浮かべたまま充電してくれる「LIFT」 - GIGAZINE
Windows 98が動くスマートウォッチをRaspberry Piで作成した猛者が登場 - GIGAZINE
まるで普通の腕時計のようなデザインのASUSの丸型スマートウォッチ「ZenWatch 3」レビュー - GIGAZINE
・関連コンテンツ