「ブレードランナー 2049」に登場した35年前と同じ姿のレプリカント「レイチェル」登場の裏側は?
2017年10月27日に公開された映画「ブレードランナー 2049」には、35年前に制作された前作「ブレードランナー」の主人公リック・デッカードが登場して当時と同じハリソン・フォードが演じた点をはじめとして、「ブレードランナー」からそのまま世界が続いていることを強く意識させる試みが多数行われています。その1つに、予告編ではまったく明かされていなかった、前作のヒロイン・レイチェルの登場もあります。35年前の姿のままで観客を驚かせた、そのレイチェル登場の製作過程が少しだけ明かされています。
映画『ブレードランナー2049』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
http://www.bladerunner2049.jp/
本作では様々なことが公開まで秘密にされてきましたが、その中でも特に秘匿されてきた事実の1つがレイチェルの再登場です。現場でも、レイチェル登場の事実が漏れないように「リタ」と呼んでいたほどだそうです。
1982年制作の「ブレードランナー」でレイチェルを演じたのは女優ショーン・ヤング。劇中に登場したレイチェルは35年前そのものでした。
しかし、35年を経て同じ顔のままというのはさすがにありえない話で、CGが用いられています。この、デッカードとレイチェルが顔を合わせるシーンでは、撮影時にはハリソン・フォードの前には女優のローレン・ペタがベースとして立っていました。その後、ペタの顔につけていたマーカーに合わせて、レイチェルの顔を合成。ここだけ切り取ると相当不気味ですが、これもまたブレードランナーっぽいのが面白いところ。
髪型や眉毛などを作り込んで合わせればレイチェルの完成、というわけです。
こちらはレイチェルがたばこをふかす「ブレードランナー」に登場したシーン。旧作の映像をそのまま再利用したかのように見えるかもしれませんが、実は別物で……
CGを利用した「デジタルダブル」によるものでした。
これが旧作の同じシーン。
見比べると、髪の毛のあたりがより鮮明になっていることがわかります。
また、レイチェルではないものの気になるシーンの1つとして、主人公・Kとその恋人・ジョイとの「ラブシーン」が挙げられます。本編だとジョイの登場シーンですぐに明かされますが、実はジョイは実体のないホログラム。しかし、なんとかしてKと触れあうべく、娼婦の体の動きと自らをシンクロさせてKと体を重ねます。このシーンがVFXを駆使しているのは本編を見ていてもわかりますが、非常に切なく、そして美しいシーンです。
撮影時にはジョイを演じたアナ・デ・アルマスが実在するので、ちゃんとKの頭に手を添えることができます。
しかし、劇中のジョイはホログラムなので、Kに触れるために娼婦の体をシンクロする形で利用。完全に重なっているわけではないので、ときどきジョイの手や体と娼婦の手や体にズレが生まれます。
静止画で見るとやや不気味に見えるかもしれませんが、ジョイの気持ちが伝わってきて、その動きにドキドキとさせられるシーンです。
レイチェルの存在についてはハリソン・フォード自らが語った特別映像も公開されているので、ぜひチェックしてください。
【ネタバレ注意】映画『ブレードランナー 2049』ハリソン・フォードがあの謎を語る!?特別映像 - YouTube
映画「ブレードランナー 2049」は大ヒット上映中です。
・スタッフ&キャスト
製作総指揮:リドリー・スコット
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、ロビン・ライト、ジャレッド・レトー、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、
カーラ・ジュリ、マッケンジー・デイヴィス、バーカッド・アブディ、デイヴ・バウティスタ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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