Facebookがロシアのフェイクアカウントに1100万円分の広告を販売
By Hamza Butt
2016年のアメリカ大統領選挙で大きく話題になった「フェイクニュース」。特にFacebookはフェイクニュース拡散の温床になったとして多くの非難を浴びる結果となったのですが、新たにFacebookはロシアのフェイクアカウントに2年間で約10万ドル分の広告枠を販売していたことを明かしています。
An Update On Information Operations On Facebook | Facebook Newsroom
https://newsroom.fb.com/news/2017/09/information-operations-update/
Facebook Says Fake Accounts in Russia Bought $100,000 in Ads During the U.S. Presidential Election – Adweek
http://www.adweek.com/digital/facebook-says-fake-accounts-in-russia-bought-100000-in-ads-during-the-u-s-presidential-election/
Facebookが、2015年6月から2017年5月までの間にロシアのものと思われるFacebookアカウントが3000件ものFacebook広告を購入していたと発表しました。これらのアカウントのうち、約470個のアカウントは「不正なアカウント」とつながっていたとのこと。なお、Facebookのチーフセキュリティ責任者であるアレックス・スタモス氏によると、広告を購入したアカウントはFacebookのポリシーに違反していたそうで、現在は既にアカウントが閉鎖されているそうです。
なお、ロシアが管理していると思われる不正アカウント群は、アメリカ大統領選挙戦の投票や候補者について直接指摘するような広告を打ち出していたわけではなく、移民問題やLGBT問題といった社会的・政治的メッセージを増幅するような内容の広告となっていたそうです。また、2年間で3000件の広告が打ち出されたわけですが、そのうち4分の1は2015年から2016年にかけて特定の地域にターゲットを絞って出されていたとのこと。なお、調査によると3000件の広告のうち少なくとも2200件が政治に関連する広告であり、広告費は約5万ドル(約550万円)にも及ぶそうです。
スタモス氏は、「我々のプラットフォームを悪用しようとする人よりも先に進むために警戒しなければいけないことはわかっています。我々は市民談話の完全性を信じており、当社のプラットフォーム上の広告主様は、当社の方針と適用されるすべての法律を遵守する必要があります」と語っています。
By Christopher
なお、Facebookはフェイクニュースの拡散を防ぐため、広告のリンク先が事実確認を行う第三者機関によって「虚偽である」と判断された場合、その広告を表示させない措置を執ることを発表しています。
Facebookが「嘘ニュース」に誘導する広告を表示させないようにすると発表 - GIGAZINE
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