海から上がった少年の足に出血を伴う無数の穴ができるホラー現象発生、その原因とは?
オーストラリア・メルボルンのブライトンビーチで30分ほど海に入っていた16歳のサム君が、海から上がると、ふくらはぎから下にかけて大量の出血を伴うケガを負ったという事件についてAFP通信が報じました。サム君は病院に運ばれるも、診察した医師らは出血の原因を特定できなかったとのことですが、海洋学者がその原因を突き止め、解説しています。
Flesh-eating bugs at Brighton beach: What really ate Sam and why
http://www.theage.com.au/victoria/flesheating-bugs-at-brighton-beach-what-really-ate-sam-and-why-20170807-gxqsab.html
Expert reveals exactly what ate Melbourne teenager's flesh | Daily Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/news/article-4767448/Expert-reveals-exactly-ate-Melbourne-teenager-s-flesh.html
AFP通信によると、16歳のサム君は夜間にブライトンビーチを訪れ、腰の深さまでしかない海に入って30分ほどじっと立っていたとのこと。海から上がると両足のふくらはぎの下あたりから大量の出血があり、「足首や足の甲のあちこちにピンで刺したような小さな穴というか、かみ痕みたいなものが何百とあった」とのことで、医師らはケガの原因を特定できませんでしたが、一部の専門家は「極小の甲殻類ではないか」と予想していました。本人は水が冷たかったため、海から上がるまで出血していることに気づかなかったそうです。
このニュースの全容については、以下から読むことができます。出血した足を写した写真が掲載されているので、苦手な人は閲覧に注意してください。
海に漬かって血だらけに、足に原因不明の無数の穴 オーストラリア 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3138427
ホラー映画さながらの事件が発生したわけですが、この件についてメルボルンのニュースメディア・The Ageが、原因を究明した続報を報じています。サム君の父親は原因を突き止めるべく、サム君がケガを負った場所を新鮮な肉片を入れた漁網でさらったそうです。そこで捕獲された生物を海洋科学者のゲネルフ・ウォーカースミス博士に調べてもらったところ、カニザイ君に傷を負わせたのは「ヨコエビ」の一種であることが判明しました。
ヨコエビは体長0.5cm~1cm程度の肉食性の甲殻類で、主に海底に沈んだ魚の死骸などを食べています。捕獲されたヨコエビが動いている様子は、The Ageの記事内の埋め込みムービーでも見ることが可能です。
Flesh-eating bugs at Brighton beach: What really ate Sam and why
出血が止まらなかったのは、サム君をかんだヨコエビが抗凝血剤を持つ種類だったためと考えられています。ヨコエビは世界中の海に数千種類以上がおり、珍しい生物ではないとのことです。
今回のサム君のケースは、サム君がもともと足にケガをしていてヨコエビを引き寄せてしまったか、魚の死骸がたまっている場所に立っていた可能性が考えられるとのこと。さらにヨコエビは捕食者を避けるため夜間に活動的になる傾向があるほか、サム君が動かずに海の中に立ち続けていたことなど、さまざまな条件が積み重なって起きたと予想されています。※画像をクリックするとモザイクが外れます。
なお、毎日ブライトンビーチで15分以上海水浴をしている人は、サム君のようなケガを負ったことはないと話しており、通常はヨコエビが人間に危害を加える危険性は低いとのこと。ヨコエビは多くの海に生息していますが、ウォーカースミス博士は「今回のケースは非常にまれなことで、サム君は間違った時間に間違った場所にいたのでしょう」と話しており、ブライトンビーチを遊泳禁止にするなどの措置は不要だと考えています。同じような事故を防ぐためには、魚の死骸が近くにないかなど、「海で足をどこに置いたかを気をつけてください」とウォーカースミス博士は述べています。
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