タッチスクリーン&ソフトキーボードという革新的技術を開発したiPhoneのプロトタイプ「Wallabies」
iPhoneの誕生によってモバイル端末の世界はガラりと変わりました。スタイラスやハードウェアキーボードが当たり前だった世界に、指をつかって画面をタッチ操作するというマルチスクリーンとソフトウェアキーボードの誕生は、その後のスマートフォンのユーザーインターフェースを決定づける革新的なものでした。スマートフォンの世界を形作ったタッチスクリーン&ソフトウェアキーボードが開発されたiPhoneのプロトタイプモデルを、Appleの元開発者が初めて披露しています。
Creator of Apple’s smartphone keyboard reveals early iPhone prototypes - The Verge
https://www.theverge.com/circuitbreaker/2017/6/29/15894526/apple-iphone-keyboard-prototype-photos-ken-kocienda
• Chart: 1.2 Billion iPhones in 10 Years | Statisita
https://www.statista.com/chart/5390/cumulative-iphone-sales/
Appleのヒューマンインターフェースデザインを担当していたケン・コシエンダ氏が、初代iPhoneの誕生10周年に合わせて、iPhoneのプロトタイプの写真をTwitter上で公開しました。
Here are two iPhone prototypes. We called them Wallabies. I used these devices to make the software keyboard. pic.twitter.com/qbofBL3RUt
— kocienda (@kocienda) 2017年6月29日
このプロトタイプはコードネーム「Wallabies」と呼ばれていたもので、iPhoneで採用された革新的な技術である「ソフトウェアキーボード」の開発が目的だったとのこと。マルチタッチが可能なタッチスクリーンとソフトウェアキーボードは、それまでハードキーボードを搭載していたBlackberryやNokiaの「スマートフォン」とは全く異なるデザインであり、スティーブ・ジョブズに「真に"スマート"なスマートフォンだ」と言わしめて、「スマートフォン=iPhone」という印象を与えることに成功しました。
ちなみに、歴史的な端末の初代iPhoneのデザインを決定づけることになったプロトタイプのWallabiesは、コシエンダ氏がAppleを離れる2017年5月まで、机の引き出しに保管されていたそうです。Appleを辞めると同時にWallabiesに別れを告げるのは、コシエンダ氏にとって辛いものだったとのこと。
I kept those devices in my desk drawer for years. When I left Apple, returning this hardware was tough, like saying goodbye to old friends.
— kocienda (@kocienda) 2017年6月29日
Wallabiesはさらに洗練されて、初代iPhoneが誕生することになりました。ジョブズが世界に初めてiPhoneを披露した様子は以下のムービーで視聴できます。現在のスマートフォンではあたり前のことが次々と発表されている様子を見ると、スマートフォンを形作るあらゆる技術がこの日、一気に登場したということに驚きを感じざるを得ません。
[HD] Steve Jobs - iPhone Introduction in 2007 (Complete) - YouTube
世界を変えたiPhoneの初めてのテレビCMがコレ。
First Official iPhone Ad - YouTube
「電話を再発明する」というフレーズは、決して大げさなものではなかったことは、その後のiPhoneの快進撃と、AndroidをはじめとするあらゆるスマートフォンのデザインがiPhoneに倣ったものに変化したことから明らかです。
iPhone誕生10周年を迎える中、Statisitaがこの10年間のiPhone販売台数の推移をグラフにしています。これによると、iPhoneは10年間で12億台、7380億ドル(約82兆6000億円)分の端末が販売されたそうです。
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