もしすべての人類が突然生き返るとどうなるのか?
現代の世界人口は75億人を突破したところで、2050年までに97億人まで増加する見込みです。現代は歴史上最も人口が多い時代なのですが、人類が生まれてから現代まで、世界人口の10倍以上の人間が生まれては死んでいったと推定されます。そんな「過去に死んだ人間」がもしも現代にすべて生き返ったなら、一体何人が生存できるのか、どんな事態が起きうるのか、ということを真剣に推察したムービーが公開されています。
What If Every Human Ever Born Came Back to Life Today? - YouTube
2017年現在、世界人口は75億人を突破しました。
この人数は歴史上最も多いなのですが、これまでの歴史の中で人間は一体何人生まれて死んでいったのでしょうか?そして、もし過去にすべての人類が、死んだ時の年齢で死んだ時の場所に現代でよみがえったとしたら、一体何が起きるのでしょうか?
人類が誕生したのは紀元前5万年ごろといわれています。紀元前5万年から数えて現代までに誕生した人間の総数は、1082億人と推定されています。
現代の世界人口は75億人であるため、歴史上の全人類の7%が現代に生きているということになります。
2050年には世界人口が97億人に達すると試算されており、歴史上の全人類の8.6%に相当します。
「生きている人間」と「過去に死んだ人間」の割合は1:11になるため……
死んだ人間がもし生き返ってしまうと、地球は大変なことになると想像するのは難しくありません。
過去に死んだ人間がすべて生き返ると、その総数は1007億人になります。
地球上には至るところに人間が暮らしていますが、もし人間を九龍城砦の人口密度で1カ所に集めることができれば、パレスチナぐらいのスペースで現代の世界人口である75億人以上が暮らすことができるとのこと。
同じ人口密度で計算すると、1007億人の人口はオーストリアほどのスペースがあれば生活することが可能。
九龍城砦より人口密度が小さいマンハッタンの人口密度で計算しても、75億人の居住スペースはエクアドル、1007億人の居住スペースはアルゼンチンと同じ面積があれば事足ります。もし死んだ人間がすべて生き返ったとしても、「住む場所がない」という事態は起こらないようです。
なお、ほとんどの歴史において人間は「短い平均寿命」と「高い死亡率」を持っていたため、生き返る人間のほとんどはとても若い人間になります。
新石器時代の終わりまでの人間の平均寿命は、32歳だったと推測されています。
新石器時代の次に訪れる青銅器時代、および鉄器時代では平均寿命が26歳だったため、平均寿命は上がり続けているわけではないことがわかります。
古代ギリシア人の平均寿命は28年で、古代ローマ人は20歳~30歳。当時の子どもの多くが10歳未満で死亡していたことも関係しています。
ローマ帝国において、10歳まで生き延びた子どもの平均寿命は劇的に向上し、最大で47.5歳に達します。
先コロンブス期のアメリカ人の平均寿命は25歳~30歳。
工業革命以前で最も長い平均寿命を獲得していたのは、中世イスラム人の平均35歳だそうです。
現代と比較すると、世界一平均寿命が短い国はシエラレオネの50.1歳で……
現代の全世界の平均寿命は71歳となっています。
そのため、生き返った人間の大多数は子どもか幼児になり、大人でもほとんどが33歳未満ということになります。
現代に生まれる子どもの男女比は男性が51%、女性が49%になるため、過去の世界から生き返るのは男性の方が多いと推定されます。
また、1950年当時の人で都市部に住んでいたのは29%というデータがあることから、生き返る人間のほとんどは世界の農村地帯に出現するものと考えられます。
もし世界各地で死人が生き返れば、突然の人口急増がグローバル資源に信じられないほどの負荷をかけることが想定されます。現代のグローバル資源量から考えると、地球全体でサポートできる人口は100億人程度になる見込みであり、1082億人もの世界人口を支えることはできません。
1082億人すべてを支えるには、アジア大陸より巨大な農地が必要になります。
つまり、歴史上の人間がすべて生き返ると、世界人口1082億人のうち90%は2カ月以内に餓死することになります。
また、グローバル資源の取り合いから世界的な戦争が勃発することも予想されます。
まとめると、もしなんらかの理由で過去に死んだ全人類が生き返った場合、1082億人に膨れあがった世界人口は2カ月以内に100億人前後に落ち着きます。生き返った人間で2カ月後も生存している人間が25億人だとすると、生き返った人類のうち第二の人生を歩めるのは2%ほどと推測されるとのことです。
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