レビュー

スマホ連携で野菜の発育状況を確認できる全自動水耕栽培キット「やさい物語」レビュー


土を使わない「水耕栽培」キットを家庭でも使えるコンパクトサイズにして、さらにはスマートフォンと連携させて発芽の様子や気温・湿度などを管理して、水不足などをアラートで警告できるというIoT時代の家庭菜園ツール「やさい物語」が沖縄セルラーから登場しています。誰でも新鮮でおいしい野菜を簡単に栽培できるとのことなので、さっそく全自動・お手軽にレタスを作ってみました。

やさい物語
http://yasaimonogatari.com/

◆外観チェック
やさい物語は横幅1メートルはあろうかという大きな箱に入っています。


さっそく開封して……


中身を取り出すと、やさい物語本体、ACアダプター、充電コード、簡単な説明書が入っていました。


仮止め用のシールを剥がします。


やさい物語の中の水槽にもシールが貼られているので、すべて撤去。


なお、水槽の中にもパーツが入っています。


水槽には3枚の苗床トレイがセットされていました。


やさい物語本体。サイズは幅480mm×高さ332mm×奥行331mmで、重さは約3kg。


全面カバー右にはインジケーターLED。LEDの点滅・点灯で、状態を表示します。


側面は正方形のデザイン。


背面には……


電源ボタン。


手前のレバーを上に持ち上げると……


全面カバーがパカリと持ち上がります。


カバー裏には……


LEDがぎっしり。


中には吸排気口と……


カメラを搭載。やさい物語は内部のカメラで野菜を自動撮影でき、写真はスマートフォンで閲覧できます。


サイドのカバーを取り外すと……


フィルターが取り付けられています。


フィルターは取り外して水洗いできるようになっています。


水槽の上に苗床トレイを敷き詰めて使います。3分割の苗床トレーには穴が空いており、この穴で植物を育てます。


水槽の背面。


やさい物語本体と接続するジョイント部分。


水槽の右奥には水位メーターを搭載。


中はこんなパーツで構成されています。


「浮き」になっており、水が少なくなったら警告してくれる仕組みです。


エアレーション用のストーン。


水槽の中央奥にチューブを挿せば完成。


◆準備作業
・水槽の準備
電源コードを取り付けて……


電源ボタンを長押し。


LEDライトがつき、LEDが青色に点滅を開始。


しばらく待つと、LEDライトが消灯して、LEDが青色点灯に変わり、スタンバイ状態になりました。


まずは、水槽をしっかりと水洗いします。


水槽に水位ラインまで水を入れます。


浮きもプカプカ浮かびました。


栽培セット」に付属する液体肥料を取り出して……


カップで10ccを測り取って……


水に混ぜます。


苗床トレーを敷き詰めて……


本体にスライドするように装着すれば……


植物を栽培できる状態になります。


・種まき
次に苗床の準備。「栽培セット」に付属するスポンジを用意します。


スポンジには切れ目が入っているので、切れ目に沿ってちぎります。


種を置くくぼみの付いた立方体のスポンジを10個用意します。


洗面器に水を取り、その中にスポンジを入れて、指で押しつぶすようにして気泡を出して、しっかりと水をスポンジに染みこませて……


苗床トレイの穴に詰めます。


スポンジのサイズは穴にぴったりで、しっかりと固定できました。


こんな感じで、感覚を開けて10個スポンジを設置。


次に、栽培セットに入っていた「グリーンバタビアレタス」の種を取り出します。今回は、このレタスを育ててみます。


レタスの種を指でつまんで水槽の水にしっかりと沈めてなじませて……


あとは、スポンジのくぼみに1つずつ、種を置いてきます。


10個の種をスポンジの苗床に植えました。


最後に、付属のキャップを……


使わない穴に取り付けて、穴を塞ぎます。こうすることで、コケの発生を抑制して、いやなニオイの発生を防げます。


準備完了。水槽をやさい物語本体の奥までスライドさせればOK。


LEDライトの消灯したスタンバイ状態で約2日間待ちます。これは、種が土の中にいる状態を再現して、発芽を促す作業です。


◆アプリ設定&栽培開始
2日が経つと、種が割れ芽が出ようとしていました。ということで、いよいよ栽培を始めます。


・アプリインストール&設定
やさい物語は専用のスマートフォンアプリで栽培します。LED点灯作業はアプリで最初に設定しておけば全自動で植物の育成は進むので、特に手をかける必要はありません。

やさい物語を App Store で
https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%82%84%E3%81%95%E3%81%84%E7%89%A9%E8%AA%9E/id1216065391

やさい物語 - Google Play の Android アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.kddi.oct.hydroponics&hl=ja

アプリ「やさい物語」はiOS・Androidの両OSに対応しています。今回はXperia Z3(SOL26)を使ってレビューしていますが、アプリはiOS版もほぼ同じです。上記アプリストアにアクセスして、「インストール」をタップ。


「開く」をタップしてアプリを起動させます。


ログイン画面が表示されるので、「アカウントを作成する」をタップしてアカウントを作成しておきます。なお、FacebookアカウントやGoogleアカウントを使えば、アカウント登録作業なしでアプリを使うことも可能です、


メールアドレス、好きなパスワードを入力して、「作成」をタップ。


メールに届くコード(数字)を入力して、「作成」をタップ。


栽培キットの電源を入れて、Bluetoothでペアリングするよう促されます。


電源ボタンを長押しして、LEDが「緑色/赤色」の点滅状態(スタンバイ状態)にして……


「栽培キットを探す」をタップ。


栽培キットのIDが表示されるので、タップ。


うまくペアリングできるとLEDが緑色点灯になります。ただし、アプリが不安定なせいかペアリング作業はなかなかうまくいかないことが多く、かなり苦労させられました。先にスマートフォンの「設定」アプリでBluetoothのペアリング作業をしてから、やさい物語アプリでペアリング作業を試みる、というやり方でようやく連携できましたが、「不明なエラー」と表示されずペアリング作業が完了しないスマートフォンも多くありました。アプリとの連携ができなければ植物栽培ができないことから、早急なアプリの改善が必要だと感じました。


ペアリング作業が完了したら、次に栽培キットに名前を付ける作業。デフォルトでは「やさい物語」と入力されていますが……


好きな名前に変更可能。名前を入力したら、「設定」をタップ。


LEDの点灯時間設定ですが、後で変更できるので「設定」をタップして進んでOK。


やさい物語アプリのホーム画面が表示されました。


「栽培開始」をタップ。


植物にニックネームをつけられます。好きな名前を入力して、「開始」をタップすると、栽培が始まります。


・カメラ設定
やさい物語は、内蔵されているカメラで植物の成長する様子を記録できるのが大きな特長です。カメラを設定するには、ホーム画面にある「設定」をタップ。


Wi-Fiの「SSID」「パスワード」を入力して、「設定」をタップして、栽培キットをWi-Fi接続できればOK。


1日経ってアプリホーム画面に撮影された写真がバックグラウンド表示されました。サムネイル右下のアイコンをタップすると……


撮影された写真は、Photoライブラリに保存されます。


ライブラリのサムネイルをタップすると、より大画面で見ることもできます。


・グラフ表示
やさい物語では、植物の栽培環境をグラフ化することが可能です。ホーム画面の「グラフを見る」をタップ。


「温度・湿度グラフ」が表示され、デフォルトでは温度変化(赤色)の様子がグラフ化されました。


画面を下にスクロールして、「表示項目」で湿度のグラフ(青色)を追加したり、「表示機関」で1日、1週間、1カ月、1年とグラフ表示させる期間を変更できます。


・LED照射時間設定
ホーム画面左上の「歯車」アイコンをタップ。


「栽培キットの設定・追加・削除」をタップ。


「LED点灯時間の設定」をタップ。


LED点灯時間を変更できます。なお、植物の育成には14時間の点灯時間が推奨されています。


◆収穫へ
栽培がスタートすると、LED点灯・消灯も栽培キットが全自動でやってくれるので、実は特にすることはありません。日々成長する植物を観察するだけでOK。


ちなみに、やさい物語の消費電力は、LED点灯時は30W、LED消灯時は6Wでした。


栽培開始から5日目。芽がしっかりと出てきました。


8日目。青々とした葉が徐々に大きくなってきました。


大きく成長させるためには、成長具合の悪い葉を間引きするのが良いようですが、どの葉も順調にすくすく育っており、間引きすることなくそのまま育てることにしました。


日々、成長するようすは内蔵カメラのライブラリでも確認できます。


16日目。極めて順調。水位もまだOKで、特にここまで何ひとつやることなし。


なお、スマートフォンの画面にアラートを表示させることも可能。水位が低下したり、温度が低かったり問題がある場合は警告をロック画面に表示できるので、毎日チェックしなくても植物の成長をフォローできます。


栽培から28日。


カバーを開けて確かめると、青々としたレタスに成長していました。


ついに収穫の時。


水槽をキッチンに運び……


はさみでカットして収穫。


レタスはiPhone 6sと同じくらいのサイズで、レタスとしては小ぶり。


しかし、取れたてレタスはしゃきしゃき感が抜群。苦みは強めですが味が濃いレタスで、サラダとして最適でした。


なお、水槽の中の根はこんな感じ。掃除はスポンジごと取り出して水洗いすればOK。


あらためて種まきを行う場合は、アプリの設定画面で、「このキットを削除」をタップして……


「はい」をタップ。あとは、種まき・スマートフォン連携作業をして、栽培を再開すればOKです。


◆感想
やさい物語は、スマートフォンと連動して水耕栽培をお手軽にできるキットです。アプリと栽培キットの連携に難があること以外は、手がかかることはほとんどなし。お手軽に野菜を家庭で育てられます。育てた野菜はもちろん食べられるので、「食育」教材としても有用だと言えます。日々、成長する野菜を見ているだけで癒やされるので、インテリアとしても機能しそう。ただし、食洗機程度の大きさがあるので、テーブルの上に置くことはできず、風通しのよい場所を確保する必要はあります。


手のかからない全自動・水耕栽培が可能なやさい物語ですが、BluetoothやWi-Fiとの接続が不安定なため、アプリの警告アラートがうまく表示されず、水位が下がり水が足りていないのに気付かず、しおれてしまうこともありました。


前日は青々としていた葉が、わずか1日後にこんな状態に。


すぐに気付いて水を補給すると、翌日には復活していて難を逃れましたが、アプリの安定性アップの更新作業は切に望みたいところです。


やさい物語は、Amazonから購入可能です。

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in レビュー,   モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア,   生き物,   , Posted by darkhorse_log

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